【読書】入らずの森(宇佐美まこと)
こんにちは!
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今、宇佐美まことさんにはまっています😅
「羊は安らかに草を食み」「愚者の毒」に続き3冊目のタイトルは「入らずの森」。
一気にホラー色が増しました😱
【入らずの森】宇佐美まこと著(祥伝社)
《表帯》
注意⚠️夜一人で読まないで下さい。
《裏表紙》
陰惨な歴史が残る四国山中の集落・尾蛾に赴任した中学教師・金沢には、競技中の事故で陸上を諦めた疵があった。彼の教え子になった金髪の転校生・杏奈には、田舎を嫌う根深い鬱屈が。一方、疎外感に苛まれるIターン就労者・松岡は、そんな杏奈を苦々しく見ていた。一見、無関係な三人。だが、彼らが平家の落人伝説も残る不入森(いらずのもり)で交錯した時、地の底で何かが蠢き始める、、、。
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こういうのを、ホラーファンタジーとでも言うのでしょうか?
いや謎解き要素が強いので、ホラーミステリーか。
南方熊楠という実在した植物学者も登場しリアリティーがありますが、人間の負の感情を餌に増殖するという超常現象が主題ですからファンタジーなのかなとも思います。
平家の落人伝説の残る四国の山間の村で、過去何度も起きていた奇怪な殺人事件。
それらは一見何の関係もないように見えて、実は全てが繋がっていたのです。
しばらく地下で眠っていたアレが再び動き出します。
にゅりにゅり、じゅる、、、ぬぅりぬぅり、、、おぞましい音をたてながら、アレが近づいて来ます。
過去オリンピック選手を目指しながら怪我により挫折した田舎教師の怨みに。
誰からも顧みられない孤独で頑なな転校生の怒りに。
うまくいかないサラリーマン生活から逃げ出し、憧れの田舎生活を始めたIターン就農者の憎悪に。
そんな負のエネルギーをアレは舌なめずりして求めていたのです。
前半は負の感情を抱えた人々の心理描写が延々続き、かなりジリジリします😅
特に離れた土地で入院中の母を介護するルリ子の場面は何の関係があるのか分からず、、💦💦
これらがどう繋がりどう交錯するのか?
全く見えないままページが残り少なくなってきました😅
しかし、謎の少女の手のひらを見た時には、全身鳥肌が立ちました。
なるほど~ーーっ!そういうことだったのか!
宇佐美まことさん、うまい!!
そこからは正に一気読み!
ページをめくる手が止まらないというやつです。
前半に張り巡らせた伏線をひとつ残らず一気に回収するスピード感は見事としか言いようがない。
しかも決して無理やりでも唐突でもなく、読者を大波に乗せてグワーーッとクライマックスに押し上げます。
読書メーターで最後の展開が読めたと低評価をつける人もいましたが、なんのなんの、予想通りの展開で何も問題ナッシング!
こう来なくっちゃ!ということですよ😁
ファンタジーホラー要素も楽しめ、謎解きも堪能でき、人間模様も丁寧に描かれ、四国の深い森の情景描写も緻密で、魅力がいっぱい詰まった作品でした。
転校生・杏奈の「金髪は私の目印なの」、、、全ての意味で納得!!
この作品も面白かったです!
次は「少女たちは夜歩く」を読まなくちゃ🎵
しばらく「宇佐美まこと月間」継続します(笑)
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