50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【読書】白鳥とコウモリ(東野圭吾)

こんにちは。


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。


入院中で時間がたんまりあるので読書が進みます。

毎年のように凄い数の小説を書き上げている東野圭吾。

サクサク読めて面白いのですが、多くの場合、エンディングで「あ~⤵️こんな感じで終わるのね😅」となり、最後がしりつぼみというか、失速することが多いと感じています。

なのであまり東野の新作が出ても手に取らないのですが、、

今回ばかりは、書店の一番目立つ所に、5列くらい使って山積みになっているのを見て、さすがにこれは面白いのではないかと思った次第です。


【白鳥とコウモリ】東野圭吾著(幻冬舎)


《表帯》


遺体で発見された善良な弁護士。

一人の男が殺害を自供し事件は解決ーーーのはずだった。


幸せな日々は、もう手放さなければならない。


『白夜行』『手紙』ーー新たなる最高傑作。

東野版『罪と罰』


《裏帯》


(被告人)

あなたの父親は嘘をついています。


(被害者)

私の父はそんな人間じゃない。


「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」


2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の“告白“。

その絶望ーーーそして希望。

「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」


私たちは未知なる迷宮に引き込まれるーー。


📖📖📖📖📖📖📖📖📖📖


結論から先に言います。


今回は面白かった!


東野作品はサクサク読めるので、昨日の午後から読み始めて、読書時間は大体う~ん、8~9時間ってところかな?

一気読みです。


日本の裁判制度の矛盾と、被害者と加害者家族の苦悩を描いた物語でした。


いつも真実を知りたいと願う被害者・加害者家族に対して、検察と弁護士は刑量を競い合うゲームをしているようだと感じます。

以前読んだ小説でも、検察は犯人に有利な証拠は握り潰すとあり、驚愕したことを覚えています。


弁護士は真実追及よりも減刑、それが仕事なのです。

ましては被告人が自白している場合は、尚更です。


本来なら敵対するはずの、被害者の娘と加害者の息子が手を組んで、真相解明に挑みます。

あたかも、白鳥とコウモリが共に空を舞うように。


娘は、父親が殺された動機に関して納得できず、息子は、父が殺人を犯したとはどうしても思えないのです。

一見筋が通っているように見える被告人の供述調書ですが、家族だからこそ抱く違和感がありました。

最初はとても小さなほころびから始まります。

検事も弁護士も、自白がある以上、それは大きな問題ではないと言います。

しかし、家族から見ると、それは見過ごせない、決して看過できない「嘘」なのでした。


真実はあまりにも悲しい。

すべてはあの時の間違いが始まりでした。

東野が問いかける「罪と罰」。

罪を償うとはどういうことなのか。


裁判に向かう流れも分かりやすく、心理描写も緻密です。

これは秀作だと思いました。


いつもブログを応援していただき、ありがとうございます。

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