【読書】白鳥とコウモリ(東野圭吾)
こんにちは。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
入院中で時間がたんまりあるので読書が進みます。
毎年のように凄い数の小説を書き上げている東野圭吾。
サクサク読めて面白いのですが、多くの場合、エンディングで「あ~⤵️こんな感じで終わるのね😅」となり、最後がしりつぼみというか、失速することが多いと感じています。
なのであまり東野の新作が出ても手に取らないのですが、、
今回ばかりは、書店の一番目立つ所に、5列くらい使って山積みになっているのを見て、さすがにこれは面白いのではないかと思った次第です。
【白鳥とコウモリ】東野圭吾著(幻冬舎)
《表帯》
遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決ーーーのはずだった。
幸せな日々は、もう手放さなければならない。
『白夜行』『手紙』ーー新たなる最高傑作。
東野版『罪と罰』
《裏帯》
(被告人)
あなたの父親は嘘をついています。
(被害者)
私の父はそんな人間じゃない。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の“告白“。
その絶望ーーーそして希望。
「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれるーー。
📖📖📖📖📖📖📖📖📖📖
結論から先に言います。
今回は面白かった!
東野作品はサクサク読めるので、昨日の午後から読み始めて、読書時間は大体う~ん、8~9時間ってところかな?
一気読みです。
日本の裁判制度の矛盾と、被害者と加害者家族の苦悩を描いた物語でした。
いつも真実を知りたいと願う被害者・加害者家族に対して、検察と弁護士は刑量を競い合うゲームをしているようだと感じます。
以前読んだ小説でも、検察は犯人に有利な証拠は握り潰すとあり、驚愕したことを覚えています。
弁護士は真実追及よりも減刑、それが仕事なのです。
ましては被告人が自白している場合は、尚更です。
本来なら敵対するはずの、被害者の娘と加害者の息子が手を組んで、真相解明に挑みます。
あたかも、白鳥とコウモリが共に空を舞うように。
娘は、父親が殺された動機に関して納得できず、息子は、父が殺人を犯したとはどうしても思えないのです。
一見筋が通っているように見える被告人の供述調書ですが、家族だからこそ抱く違和感がありました。
最初はとても小さなほころびから始まります。
検事も弁護士も、自白がある以上、それは大きな問題ではないと言います。
しかし、家族から見ると、それは見過ごせない、決して看過できない「嘘」なのでした。
真実はあまりにも悲しい。
すべてはあの時の間違いが始まりでした。
東野が問いかける「罪と罰」。
罪を償うとはどういうことなのか。
裁判に向かう流れも分かりやすく、心理描写も緻密です。
これは秀作だと思いました。
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