50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【復活前夜】浅間山外輪山へ慰霊登山。2022年6月16日(木)


浅間山・湯ノ平から、こんにちは。


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。


今回は4ヶ月ぶりに訪れた浅間山です。


今年2月に浅間山・トーミの頭にて、滑落事故を目撃したことは、以前ブログに書きました。


ブログ発信した理由には、

①事故の詳細をありのままに多くの人々(登山者)に発信して、同じような事故が再び起きないようにする注意喚起が必要なのではないか、、

②亡くなられた方のご遺族をはじめとした多くの関係者の方に真実をお伝えしたい、、

という二つの意図がありました。


①に関してはあきっこさんのヤマレコ記事と共に、多くの登山関係者の目に触れることとなり、現在も読んでくださっている方がいて、毎週(語弊がありますが)人気記事の一位を維持していて、一定の効果はあったものと思います。

お気楽隊とコラボしてくださる山友の皆さんからも「その後の行動が変わった」「誰にでも起こりうることなんだと痛感した」など、お役に立てたと思える言葉をいただいたりもしました。

②に関しては、ご遺族の方からこのブログにコメントをいただき、葬儀の場で記事を掲載していただけることとなり、ちゃんと正しく届けられたとわかって安堵しました。


問題はお気楽隊、、私たちの「心」なのです。

浅間山はお気楽隊が一番好きな山で、訪れることが多かったですし、「初心者でも登れる雪山」として当ブログでも何度も紹介していたこともあり、とても複雑な気持ちでいました。


一緒に滑落を目撃したクリさんとあきっこさんは、まだ雪がある浅間山で既に慰霊登山を終えています。

しかしお気楽隊としては、事故を目撃してから「雪の浅間山には、この冬は近づかないでおこう」と思ってしまい、いまだに再訪が叶っていませんでした。

なぜなら、滑落事故をすぐ側で目撃してしまったという事実が、きっと何か意味があるメッセージなのではないかと思ったからです。

ひとつは、発信して事故の詳細を人々に伝える使命。

そして、もうひとつは、「あなたの仲間に起こるかもしれないよ」と警告されているような気が強く強くしたのです。


実はその翌週にはおちゃださん達と、そしてその後には雪山未体験のウォーリーを浅間山に連れてくる予定が入っていました。

すぐにおちゃださん達との浅間山はキャンセルし、ウォーリーとは滑落の危険がない「八子ケ峰」に変更することにしました。

しかし、皆さんもうご存知の通り、その安全な「八子ケ峰」でウォーリーを骨折させてしまう結果となったのです。

やはり警告だったのか、、浅間山にしなくて良かった、浅間山なら骨折では済まなかったのだろう、、と思い、身震いしました。


今年は春になっても何度も季節外れの雪が降りましたよね。

浅間山から完全に雪が消えるのを待ち、梅雨の晴れ間を狙って、ようやく慰霊登山の日を迎えることができました。


自分たちの浅間山との縁を取り戻す「けじめ」として、慰霊登山を行います。


亡くなった方の御霊が安らかであるように、また残されたご遺族の心の安寧を願い、花をお供えしてこようと思います。

ハイカーが多い時は避けたいと思い、平日に休暇を取ってお気楽イツメン三人で、、、いざ、大好きな浅間山へ。



《登山難易度   8》

🚙🚙🚙🚙🚙🚙🚙🚙🚙🚙


自宅を4時半に出発し、高峰高原(車坂峠)を目指しました。

6時55分頃、車坂峠のビジターセンターに到着したのですが、、


ガッビーーーン😱

へ、閉鎖されてる!?

駐車場の利用時間は8:00~17:00??

へ?

以前は24時間開いてなかったっけ??

だから、ハイシーズンには前泊する人がいたり、早朝ヘッデン付けて歩きだしたりしてた気がするんだけど!?

コロナだから?

それとも今日は平日だから?

全く意味がわかりません💦💦💦

帰りにビジターセンターに寄って、その辺の事情を確認しよう(結果的には下山が遅くなったので、確認しませんでした🤣)

とりあえず、ここから数百メートル下った場所にある、浅間2000スキー場にトイレと駐車場があるようなので、そのまま通過しました。


こちらが、初めて訪れたアサマ2000スキー場(高峰マウンテンリゾート)の駐車場とトイレです。

いつもの登山口より標高差で50~60M、余計に歩かねばならなくなりました😆


🚶🚶🚶🚶🚶🚶🚶🚶🚶🚶


駐車場出発は7時14分でした。

車道を13分程歩き、いつもの登山口へ。

今日は慰霊登山です。

「ちゃんと目的を果たせますように。どうぞ見守ってください」

登山口にある神社に手を合わせました。


いつものように表コースで登って行きます。

今日は晴れ予報だったのですが、今のところ霧が立ち込めています。

明け方まで雨でしたし、何しろ梅雨真っ最中ですから大地はしっかり水分を含んでいます。

きっと水蒸気が昇っているんですよね?

だんだん晴れてくると信じましょう。

背中にぶら下げているのは、お供えするお花です。


白い花の名前はわかりませんが、ピンクのはイワカガミですよ!

登山道にそれはそれは沢山咲いていました。


車坂山を通過。

カラマツの新芽についた細かい水滴がキレイです。

コメツガの新芽は先がほんのりピンク色で、とっても可愛い(*≧з≦)


平日なので、だ~れもいません。

いつもなら歩みの遅いお気楽隊は、後から来たハイカーにどんどん抜かれるのですが、トーミの頭に着くまで誰にも会いませんでした。


岩ゴロ地帯になると、ホントは右手が開け、大展望を楽しめるのですが、、


今日は真っ白けっけ。


「ガスガスだよ~😆」の「G」を表現してみた🤣

岩場のロープの奥~の方にわずかに「コマクサ」が咲いていました。

遠いのでスマホだと画像が荒いですが😅


霧がたちこめた、幻想的な森を歩いています。

イワカガミなどの小さな花を撮影するのが楽しいです。

私は膝の曲がりが完全ではないので、深くしゃがみこめないんですけど💦💦💦


ピンクテープがあんなに高い所にぶら下がっています。

雪が1メートル以上積もって、冬場はあのピンテが目の高さになるんですよ。


初めて浅間山を訪れた時は障害物でしかなかった階段が、昨年(だったかな?)整備されて、とっても歩きやすくなったと思っていましたが、今回、やっぱり掘れ掘れになっていました💦 

どうしても土が流れちゃうんですね😆

避難シェルターの前で小休止。

息を整えて、次に向かいます。


ドボボーーーンは槍ケ鞘。

真っ白槍ケ鞘は久しぶりだな🤣

写真も撮らずにとっとと通過(笑)


トーミの頭への登りです。

お、少し霧が薄くなってきたかな??

、、、と思ったけど、、


トーミの頭はやっぱり真っ白でした💦💦

花束をひとつ取り出し、、


滑落地点にお供えしました。


そして、もうひとつの花束は、落ちていった男性を追うように、崖の下に投げました。

湯ノ平から強い風が吹き上げていて、花は舞うようにゆっくり落ちていきました。

その様子を見て、「ちゃんと届けられたかも」と素直に思え、ほっとすると同時に、感情が揺さぶられ、涙が溢れました。

ハガレーナが「思いだしちゃった?」と。

ターボはあの日ここにいませんでしたが、ハガレーナと私の心情を思い、共に泣いてくれました。

涙を拭いて、次に向かいましょう。


あの日は雪が積もっていて、下ることができなかった草すべりを下ります。

男性が落ちて雪と共に流された場所へ。

まだまだガスっていて、底(湯ノ平)は見えません。


急斜面に咲く小さな花たちに癒されました。


草すべりの道はすれ違いなどできそうもない程狭く、急で滑りやすいです。

石車に乗らないように、つまずいて斜面にダイブしないように、とにかく慎重に歩きました。

慰霊登山に来て、自分たちが滑落することだけは避けなければいけません。


少し薄くなってきたかな??

微かに湯ノ平の平原が見えます。

何ヵ所か緊張する岩場があります。


ガスに煙るトーミの頭の下部に来ました。

男性が倒れていたのは、多分この辺り。

斜面に三つ目の花束をお供えしました。


どうぞ、安らかにお眠りください。


もしかして、空から私たちが見えますか?


あの日一瞬、人生が交差したんですよ。

できるなら、私たち登山者を見守ってくれると嬉しいです。


慰霊を終え、辺りを見渡すと、、


みるみる霧が晴れていきました。

きっと届いたはず。

これを自分たちの区切りとしなくては、、と思いました。


浅間山はやはり美しい、大好きな山です。

浅間山本体(前掛山)、湯ノ平、外輪山、、歩いてここまで来た者だけが目にすることができる絶景。

今は草すべりに眠る男性が最後に目にした光景でもあります。


浅間山も徐々に姿を現しました。

晴れてくれ~。


湯ノ平分岐です。

今日は下界は暑くなる予報だったので、薄着で来てしまいましたが、ここ浅間山はかなり涼しい、というか冷えています💦💦

トイレを利用したくなったので、火山館に立ち寄ることにしました。


火山館の前にてバナナ休憩。

再び歩きだす時に浅間神社にお参りしておきました。

山開きの神事があったのかな?


では湯ノ平に向け登ります。


イワカガミがいっぱい!

しかも色がとっても鮮やかです。


湯ノ平分岐通過。


コメツガとカラマツの林を歩きます。

以前、こんなに倒木あったかな??


シャクナゲが咲いているのでは?と期待していましたが、ほとんど花芽がありませんでした。

遠くの陽当たりが良い場所には花が見られましたが、遠くて写真に撮っても何がなんだか💦💦


ここは秋にはゴールドラッシュになるカラマツロード!


新芽が可愛い~🎵

雨粒が宝石みたいでした。


外輪山の稜線、標高2300M辺りに雲がある~(涙)


仙人ケ岳~鋸岳は少し低いので、くっきり見えるようになりました。

溶岩が固まったみたいにゴツゴツしていて大迫力です。


あーっ!

浅間山のてっぺんが見えた~⤴️

この岩はなんだか人の顔みたいです(笑)


ではJバンドを登ります。


名前がわからない小さな小さな花たち。


鋸岳の岩稜が屏風のように立ちふさがります。


振り返れば、でっかい浅間山と美しい湯ノ平。


ここにもイワカガミが咲いていました。


そして、いよいよ、Jバンドの核心部。

ここは滑落死亡事故も起きている場所ですから慎重に。


Jバンドは下りより登りで利用した方が安全だと思います。

とはいえ、左手の崖側を歩く時は体重移動に気をつけて💦


稜線に乗りました。

ハガレーナの「J」のポーズ。

尾根の反対側は四阿山や嬬恋のキャベツ畑が見渡せました。


鋸岳手前にてランチにしました。

出発前に私は右膝サポーター装着。

ターボが撮影した足元の写真で、一歩間違えれば谷底なのがお分かりいただけるかな?


では午後の部のスタートです!

帰りは黒斑山(本日の最高標高)まで、じわりじわりと登って行かなくてはなりません😆


振り返れば鋸岳の奥に見えている二こぶは、浅間隠山!


晴れてきたね~⤴️

浅間山(前掛山)と外輪山(黒斑山)が全部見え!!

お気楽が大好きな景色です。


湯ノ平の美しいことと言ったらもう!


仙人岳に到着しました。


ターボと二人で「山ポーズ」。

砂の斜面に土石流の痛々しい跡が見えました。

あんなの前にあったかな?

山体崩壊がぁ、、💦💦


外輪山のこの曲線が好きです。

でも足元はザレザレだから、要注意!!

つまずいたら、顔から落ちていくよ~😆


岩場を登って、蛇骨岳に到着です。


蛇骨岳を過ぎると、歩いてきた外輪山の形がよくわかる。


険しくも美しい黒斑山とトーミの頭。

あそこまで歩いて戻ります。


空を流れる雲の影が浅間山の山肌をせわしなく通り抜けていました。


黒斑山に到着。

しばし座って小休止。

剣ヶ峯とトーミの頭。

あんな所から落ちて助かるはずがないよなぁ(涙)


草すべり分岐まで帰ってきました。

ぐるっと回ってきたよ~⤴️


そして、トーミの頭です。

朝は霧で何も見えなかったのですが、今なら湯ノ平が良く見えました。

お花をお供えした斜面を見下ろします。

あ、男性が数秒間引っ掛かっていた枝に何かが落ちてる。

なるほど、あれがそうか。

私に「滑落した方の遺品ではないか?カメラのストラップだと思う」とコメントいただいたことがあるんです。

確かにあそこは男性の頭の辺りでした。

首に掛けていたのだとしたら、その可能性は高いのかも知れません。

手が届く位置ではないので、どうしようもありません(涙)

あの先にカメラがあるのだとしたら、何としても回収すべきとも思いますが、その辺は良くわかりませんでした。


では下山開始します。


朝は真っ白だった槍ケ鞘です。

いつもなら中コースで下りますが、今日は展望を期待して、表コースでくだろうと思います。


篭ノ登山や高峰山が見えるようになりました。


登りでは気づかなかったシャクナゲが少しだけ見れました。


長めを楽しみながら下り、、


ビジターセンター前(いつもの登山口)に帰り着いたのは、16時50分でした。



私が足をケガしたこともありますが、以前の私たちより、更に歩みが遅くなっています。

事故を目撃してから、危ない登山道は、慎重の上にも慎重に、めちゃくちゃゆっくり歩くようになってしまったからです。

滑落の恐ろしさを目の当たりにして、お気楽隊はより臆病なチームになりました。 

ゆっくり歩けばそれだけ進める距離も標高も少なくなってしまいますが、その分朝早く歩き出したり、縦走なら普通の人より何泊か多くするように工夫して、これからも色んな山に挑戦して行きたいです。


前に進みましょう。

きっと空から見守ってくれています。


いつもブログを応援していただき、ありがとうございます。

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