50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【埼玉、江南町】芸術の秋を満喫。ヘリテイジリゾートの「薪能」と、映画「蜜蜂と遠雷」2019年10月19日(土)

ヘリテイジリゾートからこんにちは✨😃❗


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます!


今日はいつもとは少し毛色の違う一日です。

芸術の秋を堪能して来ました😉

まずは毎年行われているヘリテイジリゾートの「薪能」。

ヘリテイジフォーラムとして今年で第31回を数えます。

過去の演目が掲示されてました。

私は何年か前に一度観に来ていますが、その時は「勉強会」には参加しなかったので、なんだかちんぷんかんぷんでした。

ただ屋外で、薪の炎が妖しく揺らめく中、幻想的な雰囲気を楽しんだ記憶があります。

過去の演目やパンフレットを見ても、何年前にどんな演目を観たのかも記憶が定かでないです。

もしかしたら土蜘蛛だったような、なかったような、、(涙)

なので今回はより薪能を理解し楽しむために、食事の前にある「能狂言の楽しみ方」講座から参加しました。

講師は東京芸術大学の「不名誉な名誉教授(と自己紹介されてました(笑))」の関根知孝さんです。

一時間の講演でしたが、時折ジョークを交えての楽しい勉強会でした。

勉強会が終わると少し早めの夕食です。

バイキング方式でした。

ホテルのロビーには熊谷で行われたラグビーワールドカップ参加チームのサインがありました。

さあ、いよいよ公演が始まります。

今日の会場は生憎の雨模様のため「江南総合文化会館ピピア」です。

↑この日の演目及び出演者です。

【半とび(はじとび)】←漢字が見つからず(涙)

光源氏の恋人だった「夕顔」の亡霊が現れ、しっとりとした静寂とピンと張りつめた緊張感がある演目でした。

「夕顔」の白い花の美しさを表していて、悲しく切なく色香を感じます。

あらすじはこちら↓(ネットから引用しました)

夕顔の清楚な白い色、、明け方の光と共に儚く消えていきます。

ワキ役の僧侶(毎回のように登場する)は最も普通の傍観者(目撃者)のような立ち位置なので、その僧と同じ気持ちで舞台に参加してみてと、勉強会で言われました。

最後は「はじとみ(半分だけ開いた窓のようなもの)」が閉じて夢は終わります。

扇に夕顔を乗せて唄を詠んだりするというお話なので、扇がとても大切な小道具で美しかったです。

夕顔が両手を広げて肩を持ち上げる様は、光源氏に会えた喜び(あるいは会えるという期待)で胸を膨らませているように見えました。

よく「能面のように無表情」という表現をしますが、それは能楽士は決して使わない表現なのだそうです。

面打ち(お面を作る職人)は、様々な感情(24時間で8億4000の思いがあると言われている)、喜怒哀楽を無表情に見える能面に全て注ぎ込んで表現しているのだとか。

面をかける時は面の内側に綿入れを入れて角度を決め舞台に上がるのだそうです。

照るとアホ面に見えるらしいです。

晴れ晴れとした表情や悲しい感情を面の角度や仕草で表現するのが楽士の技量になります。

能面が喜びに満ちたようにも見えたり、悲しみにむせび泣いているようにも見えたりする妙を楽しみました。

解説で電話ボックスのようなものが出てくるけど、それはお屋敷だからと関根先生がおっしゃっていて、簡素な舞台装置をそのように見立てる感性が必要とされます😁

次の演目は狂言の「柿山伏」でした。

あらすじはこちら↓

静かにゆったりと展開した「はじとみ」から一転し、動きと笑いのある狂言です。

狂言とは、どんなにカッコつけても人間の本質とはこんなものというのを赤裸々に表しています。

とにかく笑ってくださいとのことでした。

最初の演目が緊張感漂う内容だっただけに、よりその滑稽さと、笑っていいんだという解放感で気持ちが高揚しました。

それにしても皆さんマイクを付けてないのに、その声量たるや素晴らしくて、耳にとても心地よいです。

腹の底から出された声は波動となって観客に押し寄せます。

圧倒的なのに気持ちいい、、不思議な空間でした。

次の演目は仕舞「隅田川」です。

あらすじはこちら↓

こんなにも深い意味があったのですね。

舞だけでこれを表現するのはどんなに難しいことでしょう。

もう少し予め下調べしてから観させてもらえば良かったです。

次は仕舞「藤戸」です。

あらすじはこちら↓

細い棒が刀になったり、杖になったり、釣竿になったりして、一人三役の舞でした。

これももう少し勉強してから見れば良かった💦

衣装やお面などなくて、ただ舞と唄で表現する様を、予備知識なくて読み解くのは難しいです。

最後の演目は「舎利」です。

あらすじはこちら↓

これは大活劇です。

静かな演目が多く、そんな舞をずっと見てくると、歌舞伎のように実際に空を飛ばなくても、少しの駆け足で疾風の如く天界を駆け回るように見えてくる(そうです)。

初めに舎利仏を納めたお寺の台が後半ではアンドロメダもはるかに越えて帝釈天、煩悩天などの天界に見えてくる(はずです)。

↑この「はずです」というのは、教養のある人ならという前置きがつきます(笑)

私は島根の出身なので、子供の頃から「石見神楽」を見て育ち、神楽系が大好きなので、この「舎利」はとても面白かったです。

足疾鬼(そくしっき)の表情が邪悪なものに突然変わり、その後真っ赤な髪に黄金色の面で現れてからは、ドキドキが止まりませんでした。

最後韋駄天に成敗されると、怒りに燃えていた顔が(お面は変わってないのに)、うちひしがれ悔しさに泣き濡れている表情に見えたのが凄かったです。

静かで艶やかな舞も素敵ですが、こういう活劇的なものがやはり楽しい😉

今年はお付き合いで観に来た「薪能」ですが、予め予備知識を仕入れた上で来年も観に来たいと思いました。

今年は「江南総合文化会館ピピア」に変更となりましたが、来年は月明かりの下、薪の炎揺らめく中で観られるでしょうか?

ターボと出掛けていたのですが、遅くなったついでとばかりに、午後8時の公演終了から熊谷の映画館に移動し、「蜜蜂と遠雷」を観てきました。

小説では度肝を抜かれ、これを映画にするのは難しいだろうと思っていましたが、それは見事に小説に忠実に作られ、ピアノ演奏の迫力に涙が溢れました。

特に最後の栄伝亜矢の演奏は圧巻です。

素晴らしかった!

芸術の秋。

有意義な一日でした。

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