【栃木、日光】いよいよ『雲竜渓谷』の氷瀑とご対面。青く幻想的な光を放つ氷の芸術に圧倒された夢の時間《後編》2019年1月26日(土)
《登山難易度 12》
雲竜渓谷からこんにちは。
長い長いルートをたどった《前編》の続き、いよいよ雲竜渓谷の懐に入って行きます。
雲竜渓谷の入口、鉄の階段です。
元々急な階段に雪が積もってほぼ滑り台の様相を呈しています。
手すりを持って慎重に下ります。
少し行くと右側の岩場に出来た氷柱の連なりが間近に迫ってきます。
近くに寄ってみましょう。
ここで私が大きなくしゃみをすると、どこかでドーーンという音がしてつららが落下したようでした。
私のくしゃみの波動が谷を揺るがしたのでしょうか😱
その後も時々ガラガラと音を立ててつららが落下していたようなので、私のせいではないと思いたい。
すごいですね~😃
美し過ぎます。
一瞬で時が止まったかのような氷柱です。
沢を渡って更に奥に進みます。
横にいるハイカーと大きさを比べてください。
この氷柱は厚みもあって、青い光を放っていました。
裾の方まで抜かりはありません。
地面に育っているモコモコとした氷が今にも泡のように膨らんできそうで面白いです。
もう言葉が出てきません。
すごいとしか言えない。
巨大な氷の壁です。
下を沢が流れています。
繊細な色と形にうっとりします。
偶然が生み出す自然の造形。
これぞ、つらら!
大きさは私が見知っているのの何十倍もありますけどね。
モンスターのようです。
秋吉台の鍾乳洞を思い出します。
何度か沢を渡る必要があります。
白いお髭のような形のつらら。
岩の奥が丸くえぐられたような形をしていますから、この氷柱がしっかり育って地面と繋がったら、その裏に回り込めるのかもしれませんね。
いよいよ、レッドシュガーさんの写真で見た場所に着きました。
レッドシュガーさんによると、「友不知」という場所らしいです。
今年はまだ早かったかな。
氷柱がそこまで大きくないですね。
それでも一人の中年男性がストックで柱をカンカンと叩いて強度を確認しながら氷柱の裏に回り込み写真を息子(と思われる)に撮ってもらおうとしていました。
その時一本のつららが落下し、男性のストックに当たってストックは沢に流されてしまいました。
幸い写真撮影のために離れた場所にいた同伴者が流れるストックを回収したみたいです。
氷が落下する大きな音がしたので、ツアーガイドの人が振り返り、「そこには入っちゃだめ-!入らないで!」と叫んでいました。
今年はまだ氷の育ちが悪いみたいで、強度がいつもより低いのかもしれません。
レッドシュガーさんのブログでは沢山のクライマーが氷瀑登りをしていたらしいですが、この日はそんな人はいませんでした。
つららが当たったのがストックで良かったです。
ストックにつららが落下してきた男性がこちらの岸に戻ろうとしているところです。
私たちは念のためヘルメットを一つ持参していましたが、怖くて氷柱に近づくこともできませんでした。
そもそも行きづらい対岸だったし、氷の裏に入るなどムリムリ(涙)
私の頭につららが突き刺さりそうに見えますが、氷柱があるのはずっと奥です。
更に奥に目を転じると、あれが雲竜瀑でしょうか?
途中岩が出ている所もありますし、やはりいつもより氷の量が少ないみたいです。
この氷柱も変化があって繊細な美しさがあります。
見ていて飽きない。
ここなんてまるで噴水が吹き出してるようではないですか?
岩場から幾筋も水が染みだしているんだなぁと良く分かりますね。
奥の方まで小さなつららが沢山あります。
少し登ってきて角度を変えて眺めた「友不知」の三本の巨大氷柱。
さて、ここで考えます。
この先行くべきか否か。
クライマーがロープを使って登っているあの滝の上に最終目的地「雲竜瀑」があるのです。
レッドシュガーさんのブログによると、大迫力の氷の世界が待っているはず。
今年はまだ育ちが悪いとはいいつつも見てみたい気持ちもありますが、ここまでだいぶ時間を費やしていて、更に進むとなると、、。
クライマーのように氷の壁を登らなくても右手に高巻き道があるのですが、、
げ、ツアーの人たちガイドさんにロープで繋がれてる!
しかも手にはピッケル!
これは今回の私たちの装備&技術じゃ無理だ。
もしかしたら高巻き道なら技術的には行けるかもだけど、装備が足りません。
やはり、ヘルメットと12本歯アイゼンとピッケル。
ハガレーナは「それにガイドも必要なんじゃ?」と言っていたけど、多分それは大丈夫、多分、きっと、おそらく。
なので、ここで記念撮影して戻ることにしました。
名残惜しいのですが、帰りも3時間以上かかるので、そろそろおいとましましょうか。
この時、12時30分。
渓谷の中で40分程過ごしました。
午後になり谷筋に射し込む光が少なくなり、しんしんと冷えています。
ハガレーナの携帯は気温が低すぎてカメラ機能が使えなくなり、ターボのスマホは電池が急激に低下していました。
おお、私のカメラが威力を発揮できるときです。
新しく購入したものの、大して画質が良い訳でもなく、無駄だったかもと思い始めていましたが、マイナス10度でも作動するのですから私のカメラは絶好調です。
なんなら沢にポチャンしても大丈夫よ(^-^)
初めはランチを渓谷でと考えていましたが、そんなスペースもなく、日陰でさむくなってきたので、早く暖かい陽射しの場所に戻りましょう。
今ならツアー客を初め多くのハイカーが雲竜瀑を目指していますから、下山道が空いています。
ハガレーナ帰るよ~😃
お、まだまだ登ってくる人がいるのね。
水面近くの氷がレースみたいでかわいいと思って写真に撮ったのですが、よくわかりませんね。
運動神経抜群のハガレーナの弱点発見。
それは凍った沢渡り。
雪を被った岩がある沢はどこまでが地面(あるいは安定した岩)で、どこからが踏み抜いてしまう所なのか分かりにくいので、得意のジャンプ力を披露することもできず苦戦していました。
写真を撮り忘れましたが、この後渓谷入口の階段を登った所でランチにしようと考えていたのですが、段々雲行きが怪しくなり、階段上の広場(工事車両の駐車場)は強風が吹き始めていたので、そのまま通過しました。
その際階段を背にして右手に車道が延びており、そこから午前中下って来た人たちがいたので、この道はどこに繋がっているのだろう?もしかして滝尾神社方面?と思いましたが、万が一全く違う方面に歩くことになっては怖いので、元来た道を戻りました。
後から分かったことですが、その道はやはり登山口からずーっと続く林道だったもようです。
しまった~(涙)
そっちを使って下れば良かった~(後悔先に立たず)
私たちが選んだルートは、滑りやすい急な坂をズリズリ下り、沢を渡り、
再び登ったあと、あの岩場の新ルートを下るルートです。
今回の行程で一番大変だった所をエスケープする機会があったのに逃してしまったぜ。
林道に戻る手前の広場(洞門岩の入口)でランチにしました。
時刻は午後1時28分。
もうお腹がペコペコです。
雲竜渓谷を後にしてから一時間経過しました。
道なき道を登ったり下ったり。
くたびれました。
顔は笑っていますが、足はだいぶ棒のようで、立ち上がるのもフラフラしました。
トイレが心配ではありますが、一応〆のコーヒーまで飲んでから2時13分歩き始めました。
ここからはひたすら車道歩きです。
前方に今朝左手から登ってきた分岐が見えてきました。
帰りは真っ直ぐ車道あるのみ!
孤独で退屈な車道下り。
みな黙々と淡々と歩を進めるのみ。
途中から日光の町並みが見えるようになりました。
今日は一日中谷底を這いずり回っていましたから、こういう展望は新鮮です。
最後の方は後ろから追いついて来られた男性ハイカーさん(土浦からいらっしゃったらしい)とおしゃべりしながら下ったので、少し退屈しのぎになりました。
雲竜渓谷は三回目だそうです。
長靴(渓谷に入ったらアイゼン)で歩き通されたみたい。
よくベテランハイカーさんに見られる傾向ですよね。
長靴ハイク。
稲含山の管理人さんもそうでした。
前方に登山口が見えてきました。
午後3時13分、登山口まで戻ってきました。
ランチをした所を出発してからちょうど1時間でした。
タクシーが数台停まっています。
そういえばさっき通過した日向堰堤展望台に登って電話していたらしい人がいました。
雲竜渓谷は携帯電波が届きませんが、あの展望台だけは電波が通じるのかもしれませんね。
土浦のおじさんお二人と、まるで同じパーティーかのように歩く私たち。
滝尾神社駐車場に帰り着いたのは午後3時47分でした。
登山口から34分です。
最後の方は左の足裏と右の股関節が痛くなりました。
歩数はなんと25000歩。
距離は18キロ、過去最長記録です。
登山靴を脱いで足を解放した時は、やれやれやっと終わったという感じでした。
最後の車道歩きではついにド強風が吹き荒れ始め、つむじ風が舞い上がり度々体がふらつく程でしたし。
登山靴といえば、新しい冬靴、素晴らしかったです。
沢の中に少々足をいれても水が侵入することはなく、氷点下の世界でしたが足の先が冷たくなることはありませんでした。
帰り支度をしていると、後半の車道歩きを共にした土浦の紳士(物をもらったから呼び方を変えたわけではない)が、お煎餅を差し入れしてくれました。
「ちゃんと一枚ずつ袋に入ってるからね」とわざわざ付け足して。←この気遣いが紳士だと思いました。
ありがとうございます!
帰りの車でいただきますよ~😃
帰りには日光のファミマでトイレをお借りしました。
ここは外にトイレがあるし、ファミマは24時間営業みたいです。
雲竜渓谷最短、あるいは雲竜渓谷に行く時の最後のトイレはここです!
ま、車でのルートによりますが。
ターボのウェアラブルデバイスのデータです。
累積標高差 762M。
雲竜渓谷に滞在している間は、少し怖いような気持ちもあったり、周りの人々が果敢に氷の壁を登ったり、ロープで繋がれて斜面を登って行ったりするのを見て少し圧倒されてしまった感がありましたが、今ブログをまとめるために写真を見返すと、つくづく美しく神秘的でド迫力の異世界にいたんだなぁと思います。
もっともっと長い時間近くで観察すれば良かったと後悔しています。
沢の中の小さな氷もいちいちかわいくてキレイで、そんな小さな結晶たちを探して回りたいような気がしました。
それには少し時間が足りなかった。
下山を終えた時は、こんなに歩くんじゃもう二回目はないかななどと思ったりもしましたが、一日経って既にまた行きたい気持ちに変わっています。
もっともっと、雲竜渓谷の氷瀑を目に焼き付けてくれば良かったです。
次はいつでしょう。
ピッケルや12本歯を買って、来年にでもリベンジしましょうか。
あれだけ歩かなければたどり着けない秘境。
日光東照宮から直線距離だとあんなに近いのに!ってところも驚きです。
素晴らしかったです!
氷瀑はまだまだこれから大きくなると思います。
是非今シーズンにお出かけください!
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
滝尾神社駐車場0755~(50分)~林道終点登山口0845~(13分)~砂防ダム0858~(32分)~日向ダム直下0930~(10分)~ダム上部0940(5分)~(53分)~洞門岩入口1038~(1時間2分)~雲竜渓谷入口1140~(10分)~雲竜渓谷1150(40分)~(22分)~雲竜渓谷入口1252~(36分)~洞門岩入口1328(45分)~(1時間)~登山口1513~(34分)~駐車場1547
全行程 7時間52分
(うち歩行時間 6時間22分)
パーティー 3名(コマクサ探検隊)