【福島 南会津】ラフダート道を初体験。ようやくたどり着いた『田代山』、高層湿原の世界。2018年8月12日
《登山難易度 3》
田代山、高層湿原からこんにちは!
いつもブログをご覧頂き、ありがとうございます。
お盆休み企画第2弾。
一昨日の筋肉痛がまだふくらはぎに残るこの日、再びの夜中3時出発で、田代山を目指しました。
そうです。
約1か月前、日光方面から車を走らせ、登山口直前の林道まで来て、分厚いゲートに阻まれたどり着けなかったあの田代山です。
7月20日にあの林道も開通していますが、色んな方のブログを拝見すると、圧倒的に福島側に回り込み、湯の花温泉を起点とした林道を使っている方が多いようです。
というかそれしか目にしません。
同じダート道でもいくらかこちらの方がマシなのかもと思い、湯の花温泉ルートを辿ることにしました。
午前3時48分、本庄児玉インターに入り、関越道、北関東道、東北道と高速道路を延々走らせ、白河インターを降りたのが5時52分。
ここまで一切パーキングには寄らず、2時間4分かかりました。
いつもならこの辺りで登山口到着の事が多いのですが、今日はまだまだ走りますよ~。
白河インター降りてからは一般道を延々通ります。
甲子トンネルを抜けてからの下り道途中にある道の駅しもごうで10分程トイレ休憩しました。
小高い芝生の丘で雲海を眺めることができました。
途中やはりお猿さんがお出迎え。
今回はカメラ目線の子猿を写真に納められました。
美しい水引集落から遠くに山が見えますが、あれが田代山でしょうか?
わかりませんが一応写真にとっておきました。
集落から山に入るとまもなくラフダート道の始まりです。
ここまで一般道所要時間(トイレ休憩含めて)は1時間50分でした。
雨が20mm降ったら閉鎖されるとの看板が立っています。
昨日辺り雨が降りましたが大丈夫でしょうか?
うわわわ、いよいよ始まりました。
ラフなデコボコ道。
タイヤをパンクさせないようにゆっくり進みます。
こんな舗装道路もたまに現れますが、一瞬で終わります。
ここは結構嫌でした。
舗装路に尖った落石が沢山落ちていて、踏まないように通るのは至難の技。
雨水の流れで削れてしまった溝があちこちにあり、スピードを出すとバコンバコン車体が揺れるので、とにかくゆっくり慎重に。
林業会社の材木が一時保管されている場所が数ヶ所ありました。
辺りは美しい森ですが、楽しむ余裕が全くない(涙)
左側が開け、正面に山が見えました。
あれが目指す田代山?
幸い交通量がとても少ないので、度々車を停めて記録用に写真を撮ることができました。
12キロ走る間、追い抜いてもらった車が2台(うち1台はパトロールカー)、すれ違った車が3台(うち2台はタクシー)だけでした。
駐車場が見えてきました!
やったー!
パンクすることなく無事にたどり着けた~(涙)
私のオンボロティーダでも何とか来れました。
12キロダート道、52分かけてですけど、何とか!
両手でハンドルわしづかみ、腕を曲げて前傾姿勢で前方を確認しながら、52分間も緊張を強いられる過酷な道でした。
駐車場に着いたのは8時28分。
本庄インターに乗ってから4時間40分。
自宅からだと5時間の長旅でした。
こちらは来た道を振り返って見たところ。
車は既に10台ほど停まっていました。
トイレは水洗で、手洗い用の水道もあります。
トイレを済ませ、支度を整え、蚊取り線香をつけ、15分タイマーをセットして歩き始めます。
まずは車道を300m進むと、登山口駐車場が見えてきました。
登山口。
な、な、なんと!
栃木県側からの林道は通行止め❗
なんてこった!
7月20日に開通したんじゃなかったの!?
冬季閉鎖が解除された後は普通にいつでも通れるのかと思っていて、土木事務所に確認することもなく、この前行き止まりだった栃木県側からと福島側からとどっちにするか迷って道がまだマシなのかもと福島側を選んだのですが、まさかまさか、そもそも栃木県側からルートが通れなかったとは、全く想像していませんでした。
危なかった~!
また向こうのルートから来て、最後に通行止めで阻まれたら、もう立ち直れませんよ。
登山口まで危なっかしい道を通らねば行き着けないような所は、いつでも必ず土木事務所とか役場とかに確認しなくてはいけないのだ!と頭に刻んだのでした。
やっと来ました❗
田代山登山口。
苦労して訪れるハイカーを労うように、登山口には撮影用のベンチがありました。
「やっと来れたね、君たち。まあ座りたまえ」的な。
尾瀬国立公園、猿倉登山口。
今日は帝釈山には行かず、田代山湿原奥の避難小屋(トイレ目的)まで行って戻ってきます。
標高図も載っていました。
親切ですね。
ガイドブックだと猿倉登山口の標高は1425Mで小田代は1813Mなので、これから標高差388Mを一気に登ります。
9時0分、まずはオクラ沢を渡って森に入っていきます。
この辺りも昨日は雨が降ったのでしょうか?
豊かな水量の沢がゴーゴーと音を立てています。
しばらく沢の音を聞きながら歩きます。
気温は24度です。
沢のすぐ側は涼しいですが、山道に取りつくと湿度が高いせいか蒸し暑く感じました。
一回目の給水は沢の側にて。
さあ、急登の始まりです。
わずかで右側からも沢の音が聞こえ始め、水場に到着です。
水はたんまり持ってきているので、そのまま通過。
つづら折れの階段を登ります。
広葉樹の森が瑞々しく美しいです。
2回目の給水タイム。
山頂まで1時間半の標識。
とりあえずその手前の小田代まであと1時間ってことですね。
急坂を登っていると前方に妙なものが見えてきました。
なんじゃ?こりゃ?
アップにするとこんな感じ。
大きな紫色の実がたわわに実っています。
種明かしはこう。
コメツガが折れて倒れかかっているので、てっぺんに付いていた実がギュッと凝縮されて他の木の股に乗っかっている状態でした。
最近折れたのでしょうね。
実も葉っぱもそこに生えているように元気いっぱいです。
この様子を眺めていると、15分タイマーがピピピと鳴り、3回目の給水を取りました。
ひたすらに、階段状の坂が続きます。
登山道脇で見つけたキノコたち。
真っ白くて可愛い。
もののけ姫のコダマみたい。
二つ寄り添ってます。
うわわ、これはなんとも気持ちが悪い。
横から見ると一つ一つちゃんとキノコの形をしていました。
どなたかのブログにも載ってたかな?
パンみたいに見えます。
白くなってしまいましたが、山頂まで一時間の標識。
ここで4回目の給水タイムです。
この後すれ違ったおじさんに、もう夏の花は終わったよと教えてもらいました。
階段はまだまだ続くよ、どこまでも~。
5回目の給水。
蒸し暑いので、粘っこい汗が出て、給水タイムが待ち遠しい感じ。
ん?少し明るくなってきた!?
左手が大きく見渡せる所を通りますが、一面真っ白!
さっきの倒木にあった木の実が枝にちょこんと乗っていて、初め鳥が止まっているのかと思いました。
道が平らになってきたぞ。
もしかして、もしかすると?
おおおおお、木道が現れた~🎵
広い所に出ました~!
小田代(1813M)到着です。
時刻は10時30分。
登山口から1時間半かかりました。
地図上の標準タイムは1時間40分なので、、あれ?何と標準タイムより速かったという奇跡❗
なんでだろう?
給水タイムを5回もいれて、バテバテの状態で登ってきたのに。
とにかく、小田代まで来たぜ❗
イエィ!
今日のメンバーは、ターボ、ハガレーナ、義姉と私です。
辺りはガスガスで展望ないので、花を愛でることに徹しましょう。
エゾリンドウ。
秋の湿原を代表する花ですって。
まだ多くはないけど、いくつか咲いていました。
イワショウブというらしいです。
この花を一番多く目にしました。
遠くから見ると地味だけど、近くから見ると、何ともかわいらしい。
イワショウブとキンコウカ。
赤トンボ(アキアカネ)が沢山飛んでいます。
おっ、少しだけ雲がきれ、向こうに山がうっすら見えます。
そんなに高い山ではなさそう。
それでは再び森に入り、標高差100M程登って田代湿原を目指しましょう。
辺りは相変わらずのガッスガス(涙)
晴れていればこの辺りからも絶景が見られたのでしょうか?
展望のない登りは辛い。
本日7回目の給水を取っていると、下っていく方々が、「もうすぐですよ」とか、「上で吹く風が気持ちいいですよ」などと声を掛けてくれました。
よし、もう少しか!と思っていると、次に下って来られたおじさんが、「まだまだこれから一汗絞らるよ~」と呟いて去って行きました。
え~!
これまでもだいぶ絞られてきたのに、まだ一汗絞られるの~(涙)
覚悟して行かなければ。
おー、出てきた、出てきた。
よじ登るような岩々しい道が。
簡易ロープまで出てきたりして。
確かにこれは絞られる。
まさに一汗絞られた位の感覚の時に、前方に平らな尾根が見えてきました~!
この木道をカクンと右に曲がると~
いよいよ~!
田代湿原だ~!
広~い。
あいにくの曇り空で、皆さんのブログで見るような素敵な写真を撮ることは叶いませんが、それでもこの広々とした光景は、山の上だということを考えると、楽園を思わせる素敵な世界です。
登山口で頂いた田代山のパンフレットにはプリンみたいな山との表現が。
確かに山頂がこんなに広くて、しかも湿原だなんて、なんて不思議な山でしょう。
田代湿原の木道は反時計回りの一方通行です。
こちらは田代湿原の東側にあるピーク(1926M)ですが、こちらに行く道はないようです。
湿原ですよ~。
本物の。
このところ湿原という名の草原を見ることが多かったので、池溏のある湿原はワクワクします。
弘法池が見えてきました。
あー、展望はない(涙)
晴れていればこんな景色が見られたのです。
弘法池越しに会津駒ヶ岳がこんな近さで見えるのだそうです。
う~ん、残念ですね。
11時13分、山頂標識のある場所までやって来ました。
小田代から約30分です。
霧に巻かれる前に一枚記念撮影。
気温は21度で、少し寒いくらいです。
お腹が空いたので、おにぎりなどを軽く食べました。
霧が流れてきましたね。
水が染み出しています。
そして、地下を通ってこちらに流れているみたいです。
これが木賊方面の沢になるのでしょうか?
雨が降りだすと嫌なので、先を急ぎましょうか。
湿原は避難小屋のある西に向けてわずかに標高が高くなっていきます。
背の低い樹木に囲まれていくつも小さな庭のようになっています。
湿原に咲く花たちです。
キンコウカです。
こちらは食虫植物、モウセンゴケ。
ミズギク。
霧が濃くなったり、サーっと晴れたりを繰り返します。
草紅葉が始まっているような気がします。
20分ほどで分岐が見えてきました。
湿原の端までやってきました。
霧が動いていますね。
木立の中に入り、避難小屋に向かいます。
木道を左に曲がると、あっという間に小屋が見えてきました。
11時45分、避難小屋(1971M)に到着です。
いくつもベンチがあり、私たちが到着した時には横になって休んでいる方もいました。
ゆっくりお昼休憩をします。
キレイなトイレがあり、トイレの仕組みの図解が貼ってありました。
足元に群れ飛ぶトンボがハエを捕らえて食する様子など眺めていたら、ここで事件が。
携帯を見ると1時間程前から息子から何件も着信があったようです。
何の用事かと思っていると、丁度着信が。
電話に出ると、何とうちの番犬「ひまわり」が脱走して行方不明になっているとのこと。
夜は家の中にいるのですが、朝(といっても10時頃)次女が起きると、一緒に寝ていたはずの「ひま」の姿が無くなっていたのだそうです。
私が夜中の3時に家を出てくる際に、玄関を網戸にしてきたので、猫の真似をして網戸の下を無理やりくぐって脱走したようです。
毎朝私が朝の5~6時に散歩に連れ出しているので、一向に起きる気配のない次女にしびれをきらし、自分で散歩に出掛けたのでしょう。
だとしたら、何しろ気がつくのが遅すぎます。
6時に出て行ったとして、10時ではもう4時間もたっています。
弟と二人、あちこち自転車で捜索したようですが見つからず、私に連絡していたようです。
とは言え、私は200キロ以上も離れた所にいるのですから、どうにもこうにもしてあげられません。
とにかく警察に電話して迷子犬がいたらうちの犬かもしれないから保護しておいてと伝えなさい。
それから母さんがご近所の友達に連絡してひま脱走の件を伝えておくから、と。
電話を切って、ひまがまた脱走したことをみんなに伝えると、「えええええ~!」という声が森に響き渡ったのでした。
するとすぐに息子から電話があり、ひまは警察に保護されていることが判明。
誰だかわからないのですが、地元の駐在所に保護して届けてくれたようです。
警察署ではずっと伏せの状態で目をキョロキョロするばかりで、全く動かないでおとなしくしていたらしい。
ちょっとしでかしてしまったと本人分かっているのでしょう。
帰ってこれないのなら、脱走しなきゃいいのに、これでもう前科5~6犯です。
(数えきれなくなってきた)
ひまも懲りないが、飼い主も懲りない。
自宅に戻った直後のひま。
元気に動き回るひまを見て、お巡りさんが「ほほ~、いつもはこんな感じなんだ~」と言ったそうな。
どんだけ借りてきた猫状態だったんじゃ!
だいぶ脱線してしまいました。
そんなこんなでお昼休憩が終わり、霧雨がほんの少しですが舞い始めたので、下山開始です。
帰りがけに、弘法大師堂(避難小屋をかねる)に立ち寄ります。
中は畳のような敷物が敷いてあり、弘法大師さまがまつられています。
お賽銭を賽銭箱に入れたいのですが、遠くて、、
登山靴を脱ぐのが面倒なので、私のスマホにお金をのせて自撮り棒を伸ばしてみましたが届かず、、
ハガレーナが膝をついて手を伸ばして入れました。
写真に撮ると、妖怪か賽銭泥棒みたいな絵になって大笑いでした。
12時37分、避難小屋を後にしました。
帰りの木道はなぜか一本道です。
夏の花が終わり、秋の花が咲き乱れるには少し早い境目だったのでしょう。
霧のため展望もないので、木道にたむろしている赤トンボを蹴散らしながら(実際には踏まないように気を付けましたよ、もちろん)淡々と歩きました。
これは何の木でしょうか?
霧に包まれる白い幹の群落が幻想的でした。
登ってきた時の分岐(湿原の起点)が見えてきました。
では田代湿原にお別れを。
またいつか来れるかなぁ。
何しろ遠いからなぁ。
展望が約束されていればきっと来るけど、登ってみないと分からないからなぁ。
とブツブツ言いながら、下山開始です。
岩場の下りは膝を痛めないように慎重に。
小田代につくと、
朝は雲に隠れていた田代山が姿を表していました。
田代山の坂は最後の岩場を除けば、ほとんどが階段なので、ガレた坂道などに比べると下るのはだいぶ楽です。
一昨日の根子岳は長いガレた斜面下りを強いられたので、靴の中で足が前に押され、どうやら右の小指を痛めてしまったようなので、今日の下りが心配でしたが、問題なく下れました。
階段なので、ゆっくり片足づつ横向きに下ろせたのが良かったようです。
下りでは給水アラームを25分にセットしてみました。
2時27分、水場を通過。
大きな大きな木。
美しいですね~。
オクラ沢が見えてきました。
猿倉登山口に帰って来ました。
時刻は14時43分。
下山の所要時間は2時間6分でした。
山ではあんなに霧に巻かれたのに、下は晴れてる!
辺りの木々の美しさに見とれながら車道を下り、
駐車場に戻ってきました~!
お疲れ様でした!
とは言え、これからあのダート道を運転して帰らねばならないので、全く解放感はありませんが。
とりあえず、雨に降られる事もなく、ひまも無事に見つかって、めでたし、めでたしです。
展望はとても残念でしたので、次回があるとするならば、展望良好の確率が高い時期をよく検討して再訪したいと思います。
駐車場0850ー(10分)ー登山口出発0900ー(15分)ー水場0915ー(1時間15分)ー小田代1030(7分)ー(36分)ー田代山標識1113(10分)ー(22分)ー避難小屋1145(52分)ー(45分)ー小田代1322(5分)ー(1時間)ー水場1427ー(16分)ー登山口1443ー(10分)ー駐車場1453
所要時間 6時間3分
(うち歩行時間 4時間49分)
標高差 546M (1425M~1971M)
歩数 18000歩
パーティー 4名(コマクサ探検隊+とちおとめ登山隊)
費用 一人あたり3500円
(高速代 3050円+4360円、ガソリン代 4468円、トイレ利用料100円)
行程図などは後ほど。