【読書感想】『目には目を(新川帆立)』『法廷占拠・爆弾2(呉勝浩)』『鑑定人氏家京太郎(中山七里)』『アクロイド殺し(アガサ・クリスティー)』2025年11月22日(土)
こんにちは。
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11月中旬(11/15~22)に読んだ本を4冊紹介します。
読んだのは、このミステリー作品4冊でした。
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《目には目を》新川帆立著(KADOKAWA)
◎あらすじ、、、
◎感想、、、
Audibleで聞きました。
本屋に並んでいるのは気付いていたのですが、表紙があまり好みではなかったのと、新川帆立さんは少し前に本屋大賞を受賞した『元彼の遺言状』を読んでいて、その作風がとてもライトでユーモラスだったため、題名とのギャップが不安で手に取らずにいました。
重い題材を軽く描かれては不快になると思ったからです。
しかし、あるブックチューバーがとても評価していたのを見て、購入するのは勇気がいるけど、Audibleならと思った次第です。
Audibleで聴いてみてどうだったのかと言うと、
前作とは180度異なり、内容はやはり重く深刻で、しかし読みやすいインタビュー形式で話は進み、最終的には、語り手と同じ場面で涙を流し、心揺さぶられる読書体験でした。
あらすじにもありますが、娘を殺された母親が復讐のために、個人情報が保護されている犯人(犯行当時未成年)の居場所を突き止め、殺害します。
殺された少年Aは誰で、密告した少年Bは誰なのかを追うミステリーです。
殺人などの重罪を犯し少年院で過ごした少年達が数年で出所し、その後どう生きたのか、何を思い、どう罪と向き合うのかを描く、とてもリアルな罪と罰の物語でした。
少年Aが誰なのかは序盤で明かされますが、その後も二度ほど『え!?そ、そういうこと!?』となり、ミステリーとしても楽しめる展開でした。
最後、全ての謎が氷解した時、その悲しみに天を仰ぎ、泣いてしまいました。
殺された娘の復讐をする母親の裁判では、反省も後悔もしていないと言うその母に共感し、その後は殺された少年Aとその母の気持ちに共感し、、、
聴いている間中、感情が上へ下へ、右へ左へと、荒波にもまれまくった感じです。
感情を揺さぶられ、荒波にもまれ続けた小舟の行き着いた先に見えた希望とは。
そこに、「真に罪を償うとは」の答えがありました。
大人の犯罪者とは異なり、少年たちは短期間で少年院を出て、社会の中で更正していく必要があります。
それを受け入れるだけの包容力が今の社会にあるのだろうかと疑問に思いましたし、そもそも犯罪に手を染める少年を生み出してしまう家庭や学校での人間性の低下が、そら恐ろしくなりました(涙)
私の評価は、、⭐4.5。
素晴らしかったです。
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《法廷占拠・爆弾2》呉勝浩著(講談社)
◎あらすじ、、、
◎感想、、、
『爆弾』は、小説で読み、先日映画館でも観てきて、とても良かったので、その続編である本作をAudibleで聴いてみました。
外部の警察の動きは男性ナレーターが語り、法廷内は女性のナレーターで語られました。
女性ナレーターは基本的に倖田巡査目線なので、映画で演じた伊藤沙莉の声音が甦ってとても良かったのですが、男性ナレーターはダミ声の配役が多すぎて、だっ誰?となりました(笑)
矢吹、あんなオヤジキャラだったっけ?🤣
交渉役の刑事もやたら柄が悪くでかい声でわめくように演じていて、もうちょっと品良く読んで~💦と思いました。
ま、それはともかく、物語としては、屁理屈をこねまくる新キャラの犯人登場で、スズキタゴサクとはまた違った不快さがあって楽しめました。
犯人は名前もさらして、何が目的なのか、どうやって事を納めるのか不思議でしたが、なるほどそういうシナリオか!!
人質をトイレに行かせる時の工夫や、その中で接触を試みる警察側の作戦は、かなりヒリヒリする場面でした。
特殊部隊が突入する事を阻止するための、犯人側の策略にも脱帽、、周到に計画された犯行でした。
犯人は、親ガチャ失敗したって言ってたけど、あれだけの知力と実行力があれば、充分に世間を渡っていけるだろうに、、。
そう思えないことが、親ガチャ失敗の結果って事なんですかね?
これ、絶対続編ありますね!
次回に匂わせていた、類家・倖田ペアの活躍、絶対見たい!
『爆弾3』は一年後かしら?
待ち遠しいです。
評価は、⭐4、、面白かったです。
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《鑑定人・氏家京太郎》中山七里著(双葉文庫)
◎あらすじ、、、
◎感想、、、
Audibleで聴きました。
最新の鑑定技術や鑑定人たちの矜持などは興味深かったのですが、氏家が対峙する検察や警察、科捜研の面々の態度や発言があり得ないだろうと思ってしまいました。
誰も彼もが、職務に私情を挟みすぎているし、氏家への偏見や狭い見解、思考の浅さが、極端に描かれ過ぎている気がします。
弁護士や氏家に理詰めで問われても、話をはぐらかしてとんちんかんな応答をするばかりで、裁判という重大な局面で、こんなにも真実から目を背ける検事や警察がいる!?とイライラしました。
中山七里さんは『カエル男』から二作目ですが、猟奇的殺人に傾倒していて、犯人の思考回路に説得力がありません。
最後まで理解できない💦
まぁ、だからこそ、猟奇殺人犯なのだろうとは思うのですか。
氏家の考え方には共感しますが、バカ正直な対応には呆れてしまいます。
あんな頼み方で検体貸してもらえますかねぇ?
都合良く話が進み過ぎだろうと思ってしまいました。
前半は良かったのだけどなぁ。
滑り出しは、おおぉ、これは面白そうだ!と思って興奮したのですが、、私は中山七里さんが苦手かもです。
評価は、、⭐3、、まぁまぁ面白かったです。
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《アクロイド殺し》アガサ・クリスティー著(早川書房)
◎帯、、、
今すぐ読んで、あの衝撃を味わってください!
ミステリーの女王の傑作、ご堪能あれ!!!
『アクロイドを殺したのは誰か?』
100年前、この小説がミステリ界に革命をもたらした。
⚠️警告
読む前にこの本のタイトルを検索することは大変危険です。おやめください。
◎うらすじ、、、
深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。
容疑者である氏の義子が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。
だが村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を……
驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。
◎感想、、、
先日海外ミステリを読んだことがきっかけで、久しぶりにアガサ・クリスティーを読んでみました。
クリスティには高校時代にはまって、かなり読んでいましたが、なぜかこれは未読だったようです。
最近ブックチューバーがこぞってオススメしていているのを目にし、「衝撃の真相」とか「絶対検索しないで!」とか言っていたので興味を持ったのです。
どうやらウキペディアで題名を検索したら、最初にネタバレ表示があるらしいです。
そのくらい古典的名作であり、元祖ともいえるトリックだということなのでしょう。
私は45年もの間、ネタバレに会う事なく今回読めたのは幸いでした。
そういえば、映画『シックスセンス』もネタバレなしで観れてラッキーだと思ったのでした。
まぁ、関係ない話ですが🤣
100年前の作品だと言うのだから驚きます。
クリスティ以降のミステリは全て彼女の二番煎じだと良く聞きます。
そのくらいその後のミステリ界に影響を及ぼし、現在も小説で使われるトリックのほとんどを書いてしまったと言っていいでしょう。
色んな小説や映画で、あ、これはクリスティのアレと同じ、あ、これはあの作品のオマージュ、、などと言われるほど、そのトリックや設定は多岐に渡ります。
この作品もある設定の元祖として最も有名なのでしょう。
ネタバレになるので、その辺、一切言及しませんが💦
ウワサ好き、詮索好きで、村の素人探偵のようなキャロラインが最初はいただけないと思っていましたが、話が進むにつれ、とてもチャーミングに見えてきて、最後には好きになっていました。
それもポアロのフェミニスト的対応のお陰でしょうか?
クリスティ作品はウイットに富んでいて、ユーモアがあるところが好きです。
語り手のジェームズ医師と姉であるキャロラインの会話が楽しいです。
キャロラインが弟のジェームズ医師の想像力がないことを指摘した時に、ジェームズの言ったこの一言が好きです。
「なにしろ姉さんが三人分の想像力を授けられたから、ぼくの分は残っていなかったんだよ」
クリスティ作品に出てくる女性達が可愛らしいんですよね。
特に『トミーとタペンス』シリーズのタペンスのファンで、こんな女性になりたいと高校時代に夢見たことを思いだしました。
なんだか、クリスティ熱再来の予感がします。
評価は、⭐4.5。
とてもワクワクした読書時間でした。
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今回の4冊の中では『目には目を』と『アクロイド殺し』が特に面白かったと思います。
『法廷占拠・爆弾2』の映画化にも期待します。
やっぱり私はミステリーが好きです。
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