【群馬、桐生】雨予報の週末。関東で唯一晴れマークの群馬と栃木県境の山、『根本山』と大展望の『熊鷹山』へ。2018年9月22日(土)
《登山難易度 5》
熊鷹山からこんにちは。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます
お彼岸の三連休、当初の計画では、土曜日に前回雨に降られ展望ゼロだった八方尾根へ、1日間をあけて月曜日に紅葉が始まっているかもしれない谷川岳へ登りたいと思っていました。
しかしこの三連休の天気予報では、土曜日と月曜日の天気が悪く、日曜日だけ晴れる事を伝えています。
メンバーの予定を色々調整した結果、土曜日には雨予報の八方尾根は諦め、関東地方でとにかく少しでも天候がマシな所を探して行こう、そして月曜日の予定の谷川岳を日曜日に前倒しして行こう、ということになりました。
初の2日連続登山になるわけですから、土曜日は足慣らし程度の山がいいと思っていたのですが、、、。
金曜日にネット天気予報とにらめっこして、雨と曇りのマークが多い関東地方で、なぜか佐野市桐生市辺りだけ、ぽっかり雲がなく、晴れの予報であることを発見。
その辺りにどんな山があるのか探して白羽の矢を立てたのが、「根本山」と「熊鷹山」でした。
群馬県と栃木県の県境にある山なので、桐生市側から入り根本山→十二山→熊鷹山と回ってくる周回コースと、栃木県側から入り、熊鷹山と丸岩岳を繋ぐ周回コースがあります。
熊鷹山は360度の展望ですが、根本山や丸岩岳には展望なしと書いてあります。
コースは栃木県側からの方が短くて良かったのですが、地図には「登山道不明瞭」や「登山者少なく踏み跡程度」などと書いてあるので、少し不安です。
群馬県側からの周回コースの方が少し長いのですが、ガイドブックを見ると歩行時間は4時間と書いてあり、標高差も626Mとお気楽隊の許容範囲なので、これなら「楽勝!」と思い、こちらのコースを選択しました。
累積標高差1140Mが少し気になりますが、前日の夜の判断で、もう時間がないので、そこは目をつむることにしました。
不死熊橋登山口から、中尾根コースをたどり、根本山、十二山と回って、最後熊鷹山の大展望を楽しみ、長い林道歩きをして登山口に戻ってくる予定です。
今回は楽勝コース(とこの時点では思い込んでいる)なので、いつもより1時間遅い5時15分出発で、コンビニ経由、一般道を使い、最後は桐生川沿いに石鴨林道を通って登山口を目指しました。
登山口到着が7時32分。
どなたかのブログの写真では10台位車があった駐車場に、花の季節ではなく、紅葉にはまだ早い端境期だからか、車は1台もありません。
(来た道を振り返って撮影)
左に大きく曲がって延びる車道は三境林道といい、三境トンネル経由で草木ダムへ抜ける道のようです。
支度を整え、7時42分に歩き始めました。
車両通行止めの柵の横を通り真っ直ぐ進みます。
この道がやたらとヌルヌルして、それに濡れた落ち葉が重なり、すごく滑りやすいので慎重に歩きました。
途中に面白い看板がありました。
川の管理が桐生市と群馬県に分かれているという意味なのでしょうか?
看板の下の方に目をやると、二つの支流がひとつになる美しい沢が流れていました。
駐車場から10分ほどで登山口の標識が見えてきました。
赤いポストに登山届けのノートがありました。
記入のため開けてみると、この季節に登っているのは、月に数組といったところ。
花の季節以外ではマイナーな山のようです。
愛好者がいらっしゃるようで、根本山瑞雲倶楽部が作成した地図が用意されていたので、持ち歩き、参考にさせてもらいました。
8時2分に出発。
登山口にある不死熊橋です。
橋を渡って左手に、いきなり鎖を使って岩場を登っていく根本沢コースの入口がありました。
健脚者向きと書いてあります。
登山口に根本山は上級者向けだと書いてあったとターボがビビっていましたが、「この根本沢コースが上級なんだよ、きっと。私たちの行く中尾根コースは大丈夫!」と言いながら、林道を真っ直ぐ歩いて行きました。
林道にあるカーブミラーで記念撮影。
今日のメンバーはターボとハガレーナと私の3名です。
8時2分、不死熊橋から10分で、分岐が現れました。
前方は今日下りで利用する林道で、登りでは左手に鋭角に曲がって旧林道から中尾根へ向かいます。
いきなりの廃道感です。
一人だと怖くて歩けませんね。
苔むした道にはキノコが沢山。
まさにチョコレート菓子の「キノコの山」そっくりです。
次回から「キノコの山」を持ってきて並べてみたいとターボが言っています。
キノコ探しを楽しみながら、今は使われなくなった林道を進みます。
今は不要のカーブミラーや速度標識が寂しそうに立っていました。
中尾根登山口の標識が見えてきました。
8時26分、分岐から10分少々で中尾根コース入口に到着です。
熊よけの鐘があります。
熊が多い山域なのでしょうか?
不安な気持ちを払拭するように、ターボが盛大に鐘を打ち鳴らしました。
中尾根コースはいきなりの急登です。
ヒノキの植林帯をジグザグに登って行きます。
辺りには変わらずキノコが沢山あるので、それを見るのだけが慰めです。
これは卵ボーロのようでした。
こちらは大きな大きな傘を持つ見事なキノコ。
今度は大きさを比べられる物を何か持って来ようと話しました。
こちらは黒い四つ葉のクローバーのような形をしています。
ターボがすかさず「黒くてもクローバー、白くてもクローバー」と。
あ、また始まった。
今日はどれだけこのオヤジギャグを聞かされる事になるのでしょうか?
何度も、少し明るくなってきた!もうじき明るい尾根に出るのかしら!?と期待しますが、なかなかに着きません。
この辺りから足元にドングリが多くなって、左手に広葉樹が目立つようになってきました。
頭の上からドングリが落ちてきたようで、ハガレーナが木の上にリスがいないかと探しています。
キノコの森から木の実の森に変わってきました。
ようやく尾根に出ました。
ここからは少しなだらかな道になります。
地面には色鮮やかなカエデの葉が。
見上げると所々に紅葉の始まった木がありました。
9時13分、石祠(860M)に到着です。
標高差260M登って来ました。
不死熊登山口から1時間10分もかかっています。
山の地図では根本山まで1時間50分と書いてあるのですが、登山口でゲットした1/15000の地図で見るとこの石祠は中尾根コースの約1/3位の位置だということが分かります。
ゲゲゲ~(涙)
まだまだじゃないの~(涙)
私たち、時間をかけすぎているようです。
この調子だと根本山まで一体どれだけかかるのでしょう?
ここにも熊よけの鐘がありますし、誰にも会わないこの山で、先が見えない不安と、熊の生息域に入りこんでいる不安とで、気持ちが萎えていきました。
しかも道は分かりにくく、ピンクリボンを探し探し行かなくてはなりません。
倒木の下をくぐるこんな道もあります。
岩場まで現れました。
思ってたのと違う~(涙)
中尾根コースという名称なので、快適な尾根歩きを勝手に想像していましたが。
まさかこんなに長く険しい道だったとは!
再び尾根に出ました。
展望はありません。
大きなキノコが落ちていたので、一緒にパチリ。
大きさが比べられましたね!
右手が針葉樹の植林帯、左手が広葉樹の森となっている、展望のない尾根道では、朝露に濡れて輝くクモの巣を観察するくらいしか楽しみがありません。
これは大きく見事なクモの巣。
真ん中にいたこの巣の主に、ターボがフッと息を吹き掛けたので、大慌てで上の方に逃げていく様が可愛く見えました。
ハガレーナの影響で、クモに愛着を覚え始めています。
先頭を行く私の顔にはしょっちゅうクモの巣が引っ掛かり、時には脇にある立派なクモの巣も私の帽子で壊してしまうことがあるので、「あ、ごめん、帽子が当たった」と言うと、ターボが「帽子わけない(申し訳ない)!」と。
なんでそういうことを瞬時に思い付くのだろう?
理解できません。
登山道脇には時々山栗の木があるようで、地面に沢山の栗の殻が落ちています。
明らかに何者かが殻からほじくりだして栗の実を食べたあとです。
一体誰!?
今にも栗を食べに誰か(熊か猿か)がやって来るのではないかと思い、今はやめてね~!という気持ちを込めて笛を吹き鳴らしました。
10時10分頃、1035Mのピークを通過しました。
石祠から標高差175M登って、再び下る形です。
標識はないのではっきりとはわかりませんでしたが、結果そこからなだらかに下ったので、あの辺りがピークだったのだろうと思います。
夢にまで見た?十字路が見えてきました~😃
10時45分、中尾十字路に到着です。
左に行くと行者山や根本山神社奥宮経由の根本沢コース、右手に行くと根本山を通らずに十二山へ行く巻き道です。
根本山までは残り0.3キロ。
10分程休憩し、梨で水分とエネルギーを補給してから、熊よけの鐘を元気なく鳴らし、真っ直ぐに登って行きました。
もういい加減嫌になって、おざなりな感じです。
ヘロヘロになりながら急な坂を15分程登ると前方に山頂標識が見えてきました。
11時10分、やっとのことで根本山山頂に到着しました。
標高は1199M。
本日の最高到達点です。
不死熊橋から3時間もかかってしまいました。
地図上の標準タイムは1時間50分ですから、なんと1.6倍も!
私たち、どんだけ体力ないのでしょう。
悲しくなりますし、自分の読みの甘さがショックでもあります。
展望のない山頂ですから、水分補給だけして、とっとと下ります。
熊鷹山まではまだまだ遠い。
先を急ぎましょう。
、、と思いながらふと辺りの木を見ると、おや、これはヤシオツツジではないですか。
ここはヤシオツツジのトンネルになっています。
なるほど、これは花のシーズンだと、さぞや美しいことでしょう。
5月辺りだとこの山も賑わうのでしょうね。
あまり下りたくないのですが、道はどんどん下りです。
もう登るの嫌だよぅと思いながら歩いています。
時折左側の木立の間に日光の山並みを見ることができ、嬉しくなりました。
あの雲がかかっているのは、男体山でしょうか?
ゲッ!
これはどう見ても熊のウンチでしょう。
標識の度に立派な熊よけの鐘が設置されているのですから、薄々気がついてはいましたが、やはりヤツは近くにいる!
恐ろしくて、町まで聞こえるのではないかと思う位、高らかに笛を吹き鳴らしながら歩きましたよ。
私の笛に鳥が反応してギーギー鳴いたのには笑えた。
前方に祠が見えてきました!
私が「祠が見えてきた!」と言うと、ターボが「誇らしいかい?」と聞いてきた。
いや、別に私が建てた訳じゃありませんから!💢
疲れているので、若干イラッとします。
11時44分、朽ち果てた鳥居のある十二山神社(の跡地と言った方が正しそう)に到着です。
根本山から約30分(標準タイムは20分)です。
境内にはなぜかトリカブトばかりが咲いていて、より不気味な雰囲気です。
ちょっと気持ちが悪いので、先を急ぎます。
この尾根は群馬県と栃木県の県境らしく、「山」と彫られた赤い石杭がずっと並んでいます。
緑に苔むしていて、赤い「山」が可愛く目立っていました。
きっとあのピークは十二山山頂だと思って登ってきたら、何の表示もない小ピークだったので、腹が立ってお腹もすいていたので、10分程休憩しておにぎりを食べました。
次のピークに標識と熊よけの鐘が設置されていました。
おっ、ここが十二山山頂なんじゃない?と思いましたが、、
再び石祠が現れ、
お、熊鷹山へ行く次の分岐じゃない?と思ったらなんとこっちが本当の十二山山頂(1143M)でした。
さっきのピークは何だったんじゃ!?
神社から28分もかかっています。
地図には15分と書いてあるのに。
もう訳がわかりません。
12時22分、十二山山頂から、今度こそ標準タイム通り、5分で分岐に到着です。
ここの標高は1197Mらしいです。
まだ目指す熊鷹山まで、1.6キロもある(涙)
地図には「歩きやすい」とか「美しいミズナラの尾根歩き」などと書いてあるのに、こんな岩場もあるじゃあないですか!
しかもピンクリボンがとても少なく控えめに目立たなくそっとあるので、道を間違えないように気持ちも張り詰めています。
「こんな山、絶対二度と来ない!」と心の中で悪態をつきながら歩きました。
一体どれだけ歩けばいいの!?と心配になり、何度も地図で確認しますが、地図を見る限り大して登り下りのないいかにも快適そうな尾根道に見えます。
体力のあるハガレーナはキノコの撮影に余念がありません。
このキノコ、毛が生えてる~🎵と嬉しそうです。
これはキレイで完璧な形!
確かにこの辺りは歩きやすい尾根道です。
しかし下りたくないのに、下っていく~(涙)
そして、いよいよです。
いよいよ最後の登りです!
山頂の見晴台が見えてきました~😃
12時51分、ついに、ついに、熊鷹山山頂に到着!
荷物を下ろし、一目散にまずは見晴台に登ります。
嬉しすぎて山頂標識の写真を撮り忘れた(笑)
先に見晴台に登った二人から歓声が聞こえてきました。
「すごい、すごい、これはすごい!!」とおおはしゃぎです。
待ちに待った360度の大展望はこちら!
いやぁ、これはすごい!
私のスマホ写真では伝わらないと思いますが、それはそれは見事な、360度何も遮るもののない、大展望でした!
分岐からも約30分かかり、駐車場からだと5時間もかけて手に入れたご褒美の大展望に、皆感動しまくりでした。
これは「二度と来ない!」と呟きながらも必死に歩いてきた甲斐があったと言うものです。
尾根から見えた日光の山並みに途中雲がかかっていたので、こんなに苦労して登っても山頂では雲に隠れて何も見えなかったなんて事があったら許さん!という気持ちでしたが、なんと私たちが山頂に立ったときにはすっかり雲が無くなっていたという奇跡。
やはり私たち3人は晴れ女だね~🎵と言いながら、何度も何度も写真を撮りました。
こちらは北方向。
男体山から霧降高原や女峰山。
こちらは日光白根山や尾瀬の方向。
こちらは皇海山や袈裟丸山方向。
左手は赤城山だと思います。
こちらは榛名山ではないかと。
写真にはうまく残せませんでしたが、遠く雲の上に山頂を覗かせている筑波山や那須岳も見えました。
人のいない山頂の展望台で、最高のランチタイムとなりました。
1時間程展望台の上でのんびりし、コーヒータイムに入ったところで、男性ハイカーが一人登って来られました。
慌ててとっちらかっていた山頂の食料やバーナーを片付け、どうぞどうぞと場所を譲りました。
男性はいやいや大丈夫ですとおっしゃいましたが、いやいやこの景色を見なくては勿体ないです。
私たちとしては、稲含山以来の大展望体験でした。
午後2時5分、下山開始です。
これまた急な坂ですね。
踏み跡が不明瞭なので、時々道を間違えながら、標準タイム25分のところ、36分かけて林道まで下りました。
午後2時41分、林道が見えてきました。
ここから右に林道を下っていきます。
大きく水の音が聞こえてきたと思ったら、人工の水路ができていて、水が涼やかな音をたてて流れていました。
この滑り台を滑って下れたらどんなに気持ちがいいかしらと思いました。
午後3時2分、十二山登山口に着きました。
林道に出てから20分程でした。
この広い道を進んでいくと、十二山への直登ルートになるようです。
山と高原地図には載っていませんでしたが、登山口にあった1/15000の地図にはルートがありました。
途中山から切り出した木材がバラバラに山積みされている所がありました。
湿気の多い沢沿いの道なので、木材の表面は美しい苔がびっしり覆っていました。
清々しい沢沿いの道です。
午後4時4分ようやく朝通った分岐まで戻って来ました。
十二山登山口から約1時間の林道歩きでした。
7分程で不死熊橋に戻ってきました。
登山届けのノートに下山時刻を記入します。
山頂でお会いし、林道途中で私たちを抜いて行ったあの男性ハイカーは書いてなかったみたいで、今日の記入は私たちだけでした。
残すは10分程の最後の林道歩きのみ。
ターボが「やれやれやっと帰って来た」と言っているので、この道は朝も滑りやすかったから最後まで気を付けないとと私が言うと、「私の話もスベらないように気を付けるよ」とのこと。
そうですね、そうしていただけるとありがたい(笑)
午後4時20分、駐車場に帰りつきました。
長かった~(涙)
朝のうちは、梅田の車道にあった蕎麦屋の看板を見て、午後2時頃には下山してきて、帰りに蕎麦屋に寄るのもありかな?などと思いながら来ましたが、とんでもはっぷんでしたね。
私の読みの甘さ、極まれり!って感じです。
8時間33分もかけてぐるッと廻ってきた形なので、ガイドブックの倍!
ガイドブックの4時間って一体何!?
いやはや恐ろしい私たちの歩みの遅さといったら何なんでしょうか。
明日は谷川岳に行かねばならぬというのに、私の足は明日の朝までに復活するのだろうか?
今日は参加していなくて、明日の谷川岳を楽しみにしている「ナース」からラインが来たので、「もしも明日私がバテたら、私の屍を越えてハガレーナと二人で山頂を目指してくれ!」と返事をしたら、元気よく「了解!」と返事がきた。
「・・・・」。
了解、、なんだ。
ということで、明日に不安を残しつつ、次はもっと楽してあの展望を手に入れられないか(あの長い長い登りは二度とごめんです、という気分でいます)、皆で相談しながら帰宅の途につきました。
駐車場0747~(15分)~不死熊登山口0802~(10分)~分岐0812~(13分)~中尾根登山口0826~(47分)~石祠0913~(57分)~ピーク1010~(35分)~中尾十字路1045(10分)~(15分)~根本山1110(5分)~(29分)~十二山神社1144(5分)~(11分)~ピーク1200(10分)~(5分)~分岐1215~(3分)~十二山山頂1218~(4分)~分岐1222~(29分)~熊鷹山山頂1251(1時間14分)~(36分)~林道1441~(21分)~十二山登山口1502~(1時間2分)~分岐1404~(7分)~不死熊登山口0411~(9分)~駐車場1620
全行程 8時間33分
(うち歩行時間 6時間49分)
※参考(標準CTは 4時間35分)
最大標高差 629M(570M~1199M)
歩数 22000歩
参考までに、ターボのウェアラブルデバイスのデータです。
パーティー 3名(コマクサ探検隊)
費用 ガソリン代 一人当たりの負担600円
行程図はのちほど。








































































































