こんにちは。
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11月下旬に読んだり、Audibleで聴いたりした本を紹介します。
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《オリエント急行の殺人》アガサ・クリスティー著(早川書房)
◎あらすじ、、、
◎感想、、、
Audibleで聴きました。
何十年ぶりの再読でしたし、映画も観たことがあったので、いわゆる『ネタバレ』である犯人や結末を知っていました。
もしも初読だったなら、さぞかし驚愕したことでしょう。
犯人を知っていると、序盤からそれ以外ないだろうと思えるほど、ヒントが満載でした。
私はAudibleで聴いたので、女性ナレーターが一番キモになる何人かの女性を、とても巧みに演じ分けられていて、朗読ならではの楽しみもありました。
いやぁ、やっぱり名作と言われるだけのことはありますね。
見事すぎますよ。
昔よりずっと読み易くなった気がします。
何度も新訳が登場し、どんどん翻訳家の方たちの技術が向上しているのかも知れません。
終わり方もとてもスマートで、こんなの読んだら一気にポアロのファンになってしまうだろうと思いました。
結末には賛否両論あるだろうことは想像しますが、私はとても心地よいエンディングでした。
多国籍ならではの個性や偏見が満ちていましたが、最後は国籍など関係ない、人としてのある想いで繋がっていました。
やはり傑作だと思います。
評価は、、⭐4.5。
アクロイド殺しと甲乙つけがたいです。
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《スタイルズ荘の怪事件》アガサ・クリスティー著(早川書房)
◎うらすじ、、、
旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングスは、到着早々事件に巻き込まれた。
屋敷の女主人が毒殺されたのだ。
難事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングスの親友で、ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。
不朽の名探偵の出発点となった著者の記念すべきデビュー作が新訳で登場!
◎感想、、、
こちらも高校時代に読んで以来45年ぶりの再読になります。
クリスティの処女作にして、ポアロ初登場の本格ミステリです。
ひとつ前に『オリエント急行の殺人』を聴いて、多国籍な登場人物で個性が際立ち分かりやすかったのに比べ、本作はお金持ちの家族内のお話なので、名前をファーストネームで呼んでくれれば分かりやすいのに、時々Mrs.○○やMR.○○と呼ぶので、誰が誰なのか、若干混乱しました。
それにより注意力散漫になった感は否めません(涙)
霜月蒼さんの『アガサ・クリスティー完全攻略[決定版]』によると、この作品が発表された当時は、長編ミステリといえば、「冒険物語」や「怪奇物語」と言えるもので、「ミステリという物語」は存在しなかったのだそうです。
『スタイルズ荘の怪事件』は、推理を紡いでゆくプロセス自体をストーリーとした小説であり、これにより「本格ミステリという物語」を確立したと、書いてありました。
よって、本作は、クリスティの処女作であり、ポアロ初登場であり、本格ミステリの誕生作だと言うことです。
なんか、すごくないですか!?
それが脈々と受け継がれ、100年たった今に至っているのですから。
全く古さを感じませんし、むしろ科学捜査のほぼない時代の、証言や小さな手がかりから、謎を紐解いていくワクワクがあります。
それにしても、ヘイスティングスのポンコツぶりと、誰にでも惚れてしまう色ボケぶりに笑ってしまいました。
彼ってこんなヤツなんでしたっけ??
ポアロも謎が解けて嬉しくなり庭を駆け回る様子とか、こんなキャラなんだっけ!?と驚きました。
ラストの二人の会話がとてもほのぼのして、その数行で、ポアロとヘイスティングスを好きになりました。
評価は、⭐4.0。
登場人物を覚えるのに時間がかかって、集中できなかったからかも知れませんが、『アクロイド殺し』と『オリエント急行の殺人』よりは若干低めです。
それでもやはり名作であることに変わりはありません。
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《ゼロ時間へ》アガサ・クリスティー著(早川書房)
◎うらすじ、、、
残忍な殺人は平穏な海辺の館で起こった。
殺されたのは金持ちの老婦人。
金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかったーー
人の命を奪う魔の瞬間“ゼロ時間”に向けて、着々と進められてゆく綿密で用意周到な計画とは?
ミステリの常識を覆したと評価の高い画期的な野心作を新訳で贈る。
◎感想、、、
クリスティの隠れた名作です。
殺人が起きて謎解きの中で登場人物の背景が調べられるという通常の手法を逆から辿るミステリ。
殺人事件発生という「ゼロ時間」へ向けて、全てが集約していく構成になっています。
事件が起こる前にお互い関係のない様々な人々に色んな出来事が起こり、それが丁寧に描かれます。
最初は誰が重要人物で、誰が殺されるのかもよくわかりません(あらすじには書いてありますが)。
誰が殺され、何がどう繋がるのか、考えながら「ゼロ時間」へ向かう過程は独特の緊張感と推理の楽しさがありました。
解決編は少し駆け足で、クライマックスを迎えるというより、むしろトーンダウンした感はありましたが、前半の出来事が、事件とは直接関係ない人の話まで伏線回収されたのは見事でした。
Audibleで聴きながら、本も手にしてという方法だったので、男性ナレーターによるオードリーの話し方が気持ち悪くて、男たちが誰も彼も夢中になるオードリーの魅力が伝わりにくかったのが残念でした。
本だけで読み進めたら、もっとオードリーを理解できたかもと思います。
今回はAudibleで失敗したケースです(涙)
犯人はこの人かも!?というのが、不在の時間などから想像(推理とは言えない🤣)していたのは当たりましたが、その理由や方法は全く分かりませんでした┐(´д`)┌
『アガサ・クリスティー完全攻略』によると、中期クリスティ・ミステリの完成形であり、仕掛けはより前衛的である、、とあります。
また、これまでのクリスティ作品の要素が「全部入り」になっている、、とも。
なるほど、その通りだなと思いました。
評価は、⭐4.0。
最後の解決に至る謎解きが、想像を遥かに越えていて、ちょっと私の頭が追い付けないまま終わってしまった感があり、納得!!とはならなかったので、4.5が付けられませんでした。
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《五匹の子豚》アガサ・クリスティー著(早川書房)
◎うらすじ、、、
16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。
でも母は無実だったのですーー
娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。
当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは?
過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る!
◎感想、、、
クリスティ月間、継続中(笑)
クリスティ熱が再燃している11月。
何を読もうかとYouTubeでオススメ・クリスティを探していたら、多くのYouTuberが上位に名前をあげていたので、本棚を探したら二冊もありました。
読書メーターを見ると、、
こんな感想を書いていました。
あ、2022年の1月に読んでたんだ!
でもどんな内容だったか、忘れてしまっています。
ということで、読み始めると、あ、なんか、これ覚えてる、、確か、、○○が犯人で、、などと何となく思い出したのですが、細かい所と肝心なところを忘れ去っていて、フツーにイチから楽しめました。
自分の衰えた脳細胞に感謝!!!
どんでん返し小説を「自分の記憶を消してもう一度読みたい!」などと言っているYouTuberを良く目にしますが、大丈夫、、歳を取れば、それが可能です(笑)
再読してどうだったか??
これはやっぱりスゴかった!!
クリスティの全作品を読んだ訳ではないですが、最近続けて評価の高い作品を読んでいるので、断言できます!
これは、クリスティの最高傑作です。
傑作と言われる「アクロイド殺し」よりも、代表作とされる「オリエント急行の殺人」よりも優れていて、完璧で、納得で、読み終わった途端、「これは傑作だ」と呟いてしまうほどでした。
15年前の殺人事件の関係者たちから話を聞き、深層心理から真実を推理していくミステリです。
同じ出来事を、同じように見ていたはずの人々が、全く異なる視点で語り、犯人とされたキャサリンや関係者の印象が180度違ってくる中で、何が真実なのかをポアロと共に推理する楽しさがあります。
もちろん、私はな~んにも分からなかったですが🤣
ポアロの人間観察眼がとにかく凄いし、キャロラインの最期に救いを与える言葉がとても優しい。
また、この作品では、真犯人がとても印象的で、物悲しい余韻を残すラストがいいです。
文句無しの⭐5。
もう一度言います。
これはクリスティの最高傑作です。
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以上、4冊のアガサ・クリスティー作品を読みました。
アガサ・クリスティーは生涯に100冊もの作品を刊行していて、どれから読めばいいのか迷うところですが、最近私の手元にこんな本がやって来ました!
その名も、、
《アガサ・クリスティー完全攻略》霜月蒼著(早川書房)
なんと、クリスティの全作品を読んで、それぞれの解説と、評価が載っています。
私が好きな「トミーとタペンス」シリーズの評価が低めなのが気に入りませんが(笑)
今のところ、概ね私が読んだ評価と同じなので、この本を参考にして、次に読む作品を選んでいきたいと思います。
しばらくクリスティ祭り、継続しそうです。
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