50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【読書感想】『春にして君を離れ(アガサ・クリスティー)』『家族(葉真中顕)』『死との約束(アガサ・クリスティー)』『白鷺立つ(住田祐)』『カフェーの帰り道(嶋津輝)』『牧師館の殺人(アガサ・クリスティー)』2025年12月20日(土)

やまみほ

こんにちは。


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。


12月の第3週に読んだ本を紹介します。



12月20日(土)までに読んだのは、上の6冊でした。

今週はのど風邪をひいてしまい、会社を何日か休んだので、読書がはかどりました🤣

しかも、週末、お天気がイマイチなのと病み上がりなのとで山を諦めたこともあり、まぁ、読書が進む、進む、、。

年賀状も書きたいのだけど、とりあえず直木賞候補作を読まねばという強迫観念で頑張りました(笑)

アガサ・クリスティー祭りも引き続きやっております!


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《春にして君を離れ》アガサ・クリスティー著(早川書房)


◎あらすじ、、、

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築きあげたことに満ち足りていた。

が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる……

女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。


◎感想、、、

30年ぶりの再読です。

まずは、殺しなどの犯罪が全くないのに、ここまでミステリーに仕立てるクリスティの筆力に敬意を表したいです。


解説に「怖い」と感じる人と「哀しい」と感じる人がいるだろうとあったのですが、私はこの小説をとても怖いと感じます。

ジョーンと同じく、三人の子を育てた母として、がむしゃらに働いてもらっている夫の妻として、自分がどれだけ彼らを理解しているのか考えることなど、恐ろし過ぎてできはしない(涙)

今まで子供たちをどれだけ傷つけてきたか、思い出したくないし、子供たちが本当は私をどう思っているかなど、知りたくないのが正直な気持ちです。

だから日々、自分と向き合わなくていいように、寂しく思わないように、登山に、読書に、ブログに、YouTubeにと、仕事以外の時間を全て埋め尽くすようにしています。


しかし、ジョーンは、スマホもテレビも本も裁縫道具もない砂漠の真ん中のレストハウスに一人取り残され、ひたすらに自分と向き合うだけの数日間を過ごしたのでした。

今まで自分は良き母であり妻であり、家族に愛されていると信じて疑わなかったジョーンが、自分と向き合うしかない時間を過ごし、徐々に家族からどう思われていたのか、彼らにとって自分はどんな存在だったのか、はたまた夫は本当に自分を愛してくれているのか、という疑問を抱くようになります。


あぁ、ジョーン、、神から与えられた、人生に何度とないチャンスだったというのに。


善意という大義名分で家族を支配し、自分が見たいものだけを見て真実から目をそらしごまかす。

やってしまいますよね、、やってしまいますよ。


ジョーンは、仕事を持たず、家事はメイドに任せて、日々地域のボランティア活動と部屋や自分を美しく整えることのみに精力を傾ける女性でした。

働き創造する女・クリスティから、当時の何も生み出さないすましたイギリス女性たちに、痛烈な一撃をくらわしたってことですよね。

怖い、怖い、私はクリスティが怖いよ((( ;゚Д゚)))

この作品からはクリスティの悪意しか感じないもの💦💦


自分と向き合うって恐ろしいことですよね。

自分と向き合うことしかできない状況(牢獄とか、山での遭難とか、寝たきりとか)にならないようにしなくては💦

あ、寝たきりに関しては、Audibleが救ってくれるか!!


作品の評価は、⭐4.5。

傑作だと思いますが、殺人事件などとは異なり、自分に置き換えて考えられちゃう話で、痛みがリアル過ぎて、、もう一度読みたいかと言われたら、、🤣

でも、70年たった今も全く古びてないです。

今も昔も変わらぬ人間の内なる物語。

未読の方はぜひ読んでみてください。


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《家族》葉真中顕著(文藝春秋)


◎帯、、、

読み終わるまで眠れない、、今年度ベストの衝撃作


「現実の世界では、すんなり完全犯罪を達成できてしまうこともあるんだって学んだんです」


日本史上、稀にみる大量変死事件をモチーフにした、戦慄のクライムエンターテイメント


◎裏帯、、、

「警察は、ご家族のトラブルには、おいそれと口を出せんのですよ」


幼いときから周囲を支配するのに長けていたその女は、自らのまわりに疑似家族を作り出し、「民事不介入」を盾に大胆な犯行を繰り返していたーー。


◎感想、、、

直木賞候補作に選ばれたと聞き、積み本だった本作を候補作一作目として手に取りました。

帯を見るとかなり重そうな内容の話だろうなとは想像しましたが、何とか救いのあるラストであって欲しいと思い読み始めました。


葉真中顕さんの作品は、『鼓動』をAudibleで聴いたことがあります。

その感想は以前このブログに書きましたが、『鼓動』も終盤まで暗く重苦しくおぞましい内容で、犯人である主人公に全く共感できない不快さが募りました。

が、最後の最後に主人公のとんでもない孤独と痛みが私の中に津波のように押し寄せてきて、全く共感できないと思っていた主人公をとても愛おしく思える作品だったのです。

なので、『家族』もそうあって欲しいと思っていました。

葉真中さんならきっと救いを用意してくれているはず、、そう信じて読み進めたのですが、、、


この作品に関しては、最初から最後まで「家族」という名の隠れ蓑の中で行われる「躾」という名の暴力と、瑠璃子による力の支配と洗脳で貫かれていて、おぞましさしかありませんでした。

まぁ、実際にあった事件を取材してのフィクションなので、そうなってしまうのだろうと思います。

現実には救いがないのが世の常というものですから。


その女に目をつけられ、巻き込まれてしまった家族が、なぜ揃いも揃ってあんなに容易く取り込まれてしまうのかと思いますが、その方法は巧みで容赦なく、、それに家族の中の一人でも取り込まれたら、人質を取られたようなもので、もう逃れられないのだろうと思いました。

いやぁ、怖かった、とにかく怖かったです。


警察の民事不介入ってどうなのよ!?

この事件以来警察も対応を見直さなくてはいけなくなったらしいので、今はもうちっとマシなのかもしれませんが。

警察のあまりの不甲斐なさに呆れてしまいました。


人の心の隙間に入り込み、まやかしの愛を与え搾取する女。

バカばかりの閉じた世界で殺したり死んだりして、誰にも気付かれない。

恐怖が倫理を越える。


恐ろしいお話でした。

「海鳥のうんち」と「見知らぬ女」がこの物語の唯一の救いですね。


他の作品を読んでないからわからないけど、、これは直木賞は無理じゃないかなぁ。

賞ごとに「事件発覚から(まで)○○年○○日」と表現していたけれど、時系列が前後するので、あまり効果的ではなかった気がします。

事件発覚までの「いつバレる!?」いや、「いつ解放されるの!?」というドキドキ感が乏しかったです。


作品の評価は⭐4。

自分はこんなものに取り込まれない!と思いつつも、それと同じだけ、こんな邪悪な蛇ににらまれたら私もビビって全てを差し出すかも!?という感覚を認めざるを得ません。

そんな自分の弱さを直視できない恐ろしさがありました。

こういう奴らに家族の誰も出会わないことを祈ることしかできないです。


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《死との約束》アガサ・クリスティー著(早川書房)


◎あらすじ、、、

「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ……」エルサレムを訪れていたポアロが耳にした男女の囁きは闇を漂い、やがて死海の方へ消えていった。

どうしてこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?

ポアロの思いが現実となったように殺人は起こった。

謎に包まれた死海を舞台に、ポアロの並外れた慧眼が真実を暴く。


◎感想、、、

「彼女を殺してしまわなきゃいけない」という兄妹の内緒話をポアロが立ち聞きする場面からスタートし、半分近く(150頁)まで殺人は起こりません。

それまでにボイントン夫人という専制君主ババアへの憎しみと、抑圧された家族への同情心を読者に植え付け、その家族を助け出したいと願う人々に強く共感しながら、話は進みます。


殺人が起きてからは、、

どうなるの?ポアロはあの事件みたく見逃してくれないの?とヤキモキさせられます。

実際物語の中にも過去のポアロが扱ったあの有名な事件が例として登場します。

クリスティの読者の心を揺さぶる術に驚かされますよ。

よくわかってらっしゃるわ。


一つ前に「家族」という作品で疑似家族を形成し、女王のような女が、支配し搾取するおぞましい話を読んだばかりなので、支配される恐ろしさがよりリアルに感じ、胸が苦しかったです。


サラの肩越しに何か見つめ、夫人の「私は決して忘れませんよ」という台詞、、ちょっと「鏡は横にひび割れて」と同じような謎が最後まで残り、これは何かある、彼女が見つめた人は誰だったのか?とは思っていましたが、なるほど、あの過去に繋がるのか!

全く想像してなかったです。


ポアロの観察力が炸裂します。

結局現場を見ることもなく、みんなからの聞き取りだけで解決しちゃいました。


評価は⭐4。

霜月蒼さんの「アガサ・クリスティー完全攻略」によると、


『エッジウェア卿の死』で開発された「クリスティ流ミステリ」と、『ナイルに死す』で開発された「物語」。その双方の本質だけをとりだして組み合わせたのが、シンプルな傑作『死との約束』なのではないかと思うのだ。

ここにクリスティ流のミステリが完成した。


、、、とのことです。

なるほど、とても意義深い作品なのか。


だったらもっと評価を上げた方が良いのかなとも思うけど、、犯人が美しくない(見た目のことではない)ので、⭐4で。

クリスティ作品だと、やはり犯人の魅力が私の評価を分けるみたいです。


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《白鷺立つ》住田祐著(文藝春秋)


◎帯、、、

第32回松本清張賞受賞作

ーー異形の本格歴史小説ーー


命を賭して荒行に挑む僧たちの、煩悩にまみれた胸奥ーー

この稀有なドラマに魅せられた(森絵都)


憎しみ合いながら、それぞれが生きる意味を問う物語。

ラストには心を打たれた(小川哲)


玉照院の師弟はやんごとなき秘密を抱えていた

天明飢饉の傷痕いまだ癒えぬ比叡山延暦寺に、失敗すれば死といわれる千日回峰行を成し遂げようとする二人の仏僧がいた。

歴史に名を残すための闘いは、やがて業火となり叡山を飲み込んでいくーー


「恃照さまは、何ゆえ生きておられるので」

      ✖️

「野に朽ちるは戒閻、お主じゃ」


◎北嶺千日回峰行とは、、、

平安時代に相應和尚が神仏に捧げた祈りを起源とし、以来比叡山延暦寺にて千年の歴史を刻む仏道修行である。

これを満ずれば大阿闍梨という高僧の称号が与えられ、後進の僧侶を導く立場となる。


◎感想、、、

直木賞候補になったので頑張って読んでみました。

住田祐さんのデビュー作で「松本清張賞」を受賞した作品です。

戦国時代の、しかも馴染みのないお寺内部の話とあって、「序」はふりなががあっても読み辛いほどの漢字の羅列で、意味もわからず苦行でした💦

例えば、、

『平安期前期にこの明王堂を開基した相應和尚以降およそ千年の歴史を持つ同行の、記録上二十人目の当行満阿闍梨、さらに堂入り後に同行を満行し大行満大阿闍梨としてその名を刻まんとするにあたり、恃照はその長く険しい回峰を都合五年間かけて、繰り返してきた。』

、、、みたいな感じで。

なっ、何言ってるの?これ、日本語だよね?っていう位最初は頭がこんがらがりました🤣

しかし、「妙案」以降はどんどん面白くなっていきました。

登場人物がそれぞれ魅力的で読み進める原動力になりました。

太之助(戒閻)登場からは、辛辣な会話が楽しすぎました。

このまま戒閻が悪役のまま終わるはずない!と思って読むことができたので、どう世界がひっくり返るのか楽しみで、どんどん頁をめくることとなりました。


叡山最大の苦行「千日回峰行」に挑む師弟の愛憎の物語です。


誰かのために命を賭して挑む九日間の断食断水不眠不臥。

想像を絶する精神力と忍耐、、こんな修行を課され、それを成し遂げる人がいるとは、仏道がいかに険しく人知を越えたものであるのか、、人々の信仰を集める理由が少しだけわかった気がしました。


最後は百田尚樹の『シャドウ』にも似た友(師)との絆を感じ涙しました。

命を賭けて、友(師)の再生を願ったのですね。


同じ叡山の中でも、金と欲にまみれた世界と、己と向き合い修行に励む世界が同居しているのにも驚きました。

冒頭から難しそうというハードルがありますが、もしかして直木賞、受賞するかもしれません。

無駄な要素が微塵もない、完璧なストーリー展開でした。


評価は⭐4.5。

何しろ難しい漢字が多すぎて、読み辛いことは否めません(読んでるうちに慣れてきますが)。


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《カフェーの帰り道》嶋津輝著(東京創元社)


◎帯、、、

『襷がけの二人』で直木賞候補となった著者、待望の最新作!


強くたおやかに生きる女性たちが、みんな、みんな、愛おしい ーーー原田ひ香


東京・上野のカフェーで女給として働いた、“百年前のわたしたちの物語”


◎裏帯、、、

流行りに乗りきれない、長閑な「カフェー西行」。

穏やかな店主が淹れるコーヒーの香りがただよう店で、女給たちは朗らかに働き、何気ない日々を大切に生きた。


時代を映す鏡であった仕事「女給」を通し、大正から昭和を生きた市井の女性の人生を描き出す。

直木賞候補作家、2年ぶりの最新作。


◎あらすじ、、、

東京・上野の片隅にある、あまり流行っていない「カフェー西行」。

食堂や喫茶も兼ねた近隣住民の憩いの場には、客をもてなす個性豊かな女給がいた。

竹下夢二風の化粧で注目を集めるタイ子、小説修業が上手くいかず焦るセイ、嘘つきだが面倒見のいい美登里を、大胆な嘘で驚かせる年上の新米・園子。

彼女たちは「西行」で朗らかに働き、それぞれの道を見つけて去って行ったが……。

大正から昭和にかけ、女給として働いた“百年前のわたしたちの物語”。


◎感想、、、

直木賞候補作だったので、友達のあこちゃんから借りて読みました。

まず初めに、題名も表紙も物語の雰囲気をこれ以上ないほど表していて素敵ですし、文章も軽快で、ユーモアに富んでいて、心地よかったです。


上野の洒落てないカフェーで働く女性達を描く五篇の連作短編集でした。

見た目も性格も生立ちも異なる女性達の誰をも愛おしく思い、どうか幸せを掴んで欲しいと願ってしまいます。


特に大柄で剛毛、作家志望のセイの話が好きでした。

カスハラはびこる現代、セイのように、客に向かって「馬鹿やろう!ふざけんな!」と怒鳴り付けてやれたらどんなに気が清々することでしょう。

SNSで拡散されることもなく、まだまだその辺が長閑で粋だった時代のお話です。

向井との別れのシーンも切なくてとても良かったです。

出兵が決まりお店に挨拶にきた向井が「今日までありがとうな。毎度、ごちそうさんでした」と颯爽と店を後にしたのに、セイが走って追いかけると、「なんだよ、せっかく格好つけて出てきたのに」と威勢よく言う向井の目が赤く充血している、、、

国によって無理やり引き裂かれる若者たちのそんな別れが、日本中にあったのでしょうね。


戦前戦中戦後を生きていく若い女性たちはとても逞しく、誇らしい私たちの先輩です。

大切な人を戦争で失いながらも、必死に留守を守り、働いて働いて、家族のためにご飯を作り、家庭に笑顔を届け続けた女性たちがいたからこそ、日本の戦後の経済成長があったのだろうと改めて思いました。


「百年前のわたしたちの物語」というキャッチコピーも秀逸だと思います。

現代に生きる私たちへ勇気をくれる、ほのぼのとしていながらも力強い物語でした。


評価は⭐5。

直木賞、受賞するかもしれません。


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《牧師館の殺人》アガサ・クリスティー著(早川書房)


◎あらすじ、、、

嫌われ者の老退役大佐が殺された。

しかも現場が村の牧師館の書斎だったから、ふだんは静かなセント・メアリ・ミード村は大騒ぎ。

やがて若い画家が自首し、誰もが事件は解決と思った………

だが、鋭い観察力と深い洞察力を持った老婦人、ミス・マープルだけは別だった!

ミス・マープルの長編初登場作品を最新訳で贈る


◎感想、、、

ミス・マープル長編初登場のお話です。

(「火曜クラブ」という短編には既に登場しているらしい)

霜月蒼さんの「アガサ・クリスティー完全攻略」によると、評価は⭐3で、「ニュートラルで無色の」とあるように、これは可もなく不可もなくの作品だと思いました。

このところクリスティの傑作を続けて読んでいるので、それと比べるとかなり退屈で物足りなかったです。

この作品を読む価値はミス・マープルが初めて登場する長編作品だという、その一点だと思います。


もちろん多くの謎は全て伏線回収されていてミステリとしてちゃん成立していますし、私は誰が犯人なのか、そこに至る推理など何一つわからず惨敗だった訳ですが。

(まさか牧師が犯人?いやいや、それじゃあアレと同じになっちゃうなどと考えたり🤣)


ミス・マープルは、この作品から12年の時を経て、「書斎の死体」で再登場し、そこから世界一有名な女性探偵となっていったらしいです。

吉野仁さんの解説によると、クリスティの自伝に「ミス・マープルは『アクロイド殺し』の中のシェパード医師の姉キャロラインを原型として生まれたのかもしれない」とあるそうです。

キャロライン!!

私の大好きな登場人物です。

それはアガサ・クリスティーも同じだったようで、、

「この作品(アクロイド殺し)の中で彼女(キャロライン)はわたしの大好きな人物でーーー気むずかしい老嬢、好奇心いっぱいで、何でも知っているし、何でも聞いているーー家庭内の完璧な探偵である」、、、なんですって。

やっぱりね。

表現にクリスティの愛を感じましたもの。


ただそんなミス・マープルの初登場作品は、まだまだ方向が定まっていなかったのか、、他の作品に比べるとパッとしないですね。

評価は⭐3。

まずは初登場を読めたのは良かったです!


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12月第3週に読んだのは、以上の6作品でした。


アガサ・クリスティー祭り継続中なのと、直木賞候補作が発表になったので、その作品を順番に読んでいます。

直木賞候補作の5冊の中で、とりあえず3冊読み終わりました。

今のところ、「カフェーの帰り道」と「白鷺立つ」が有力かな。

他の2作のうち、「女王様の電話番」はあこちゃんから、「神都の証人」はターボから、それぞれ読み終わったら貸してもらう予定です。


来週には、5作品読み終えて、私なりの予想ができたらいいなと思います。


いつもブログを応援していただき、ありがとうございます。

【書店めぐり】「BUNKITSU TOKYO」に行ってきました!2025年12月14日(土)

やまみほ


NEWoMAN(ニュウマン高輪)前から、こんにちは。(右からハガレーナ、ウォーリー、あこちゃん、ターボ)


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。


今日は、『雨の日の読書会』メンバーで初めての外出です。


大きな書店に行きたいと思っていたら、2ヶ月前にターボがこんな記事を見つけました。


おおぉ、楽しそうじゃあないの。

しかも、他の記事を読むと「エリア最大級」の文字!!


溢れるほどの本が並ぶ書店を追い求めている私としては、垂涎ものの魅力的な宣伝文句が並んでいます。

これは読書会メンバーで行ったら楽しそうだ!

ということで、早速出欠確認をしたのが、10月13日のこと。

そう、2ヶ月も前から楽しみにしていた企画だったのです!


高輪ゲートウェイ駅に到着したのは、10時45分。

駅を出るといきなりこんなにドデカイ二つのビルが出迎えてくれました。

本屋は左の南館8階にあるらしい。

みんなでワクワクしながら、ビル内に入ると、中は人・人・人でごった返しています。

え、え、え、この人たちみんな本屋に行くの!?

11時になり、開店したのか、一斉に大きな人の波が動き始め、エスカレーターに吸い込まれていきます。

私たちも人波にのまれて、そのまま8階に向かいそうになりましたが、ハガレーナが「もう11時だから先にランチを済ませた方が良くない?絶対混むと思うよ」と提案。

そ、そうね、この人数がレストランに押し掛けたら、とんでもないことになりそうだ💦


最近のオシャレな商業施設は、案内図がとんと見当たらない(涙)

探し当てた案内図を見ても、右だか左だか、入り口がどっちだかよくわからない💦

山の道の方がよほどわかりやすいわ!!!

植栽に遮られたり、出口だと思ったらただのガラス窓だったりを乗り越え(実際にそこを乗り越えた訳ではないです。クリアしたという意味)、ようやくお蕎麦屋さんにたどり着きました。


テラス席に案内され、外套を脱げない今日のメンバー。

室内に席はあったっぽいので、田舎者は外にうっちゃっとけ!ってことか!?と疑ってしまいました。

しかもしばらくお茶も水も運ばれて来なかったので、もしかして水も有料なのかな?いや、あそこにあるからセルフサービスなんじゃない?そんなバカな!次に店員が来たら「お茶はいただけないのですか?って上品ぽく聞いてみるよ」などと言っていたら、ようやく店員が温かいお茶を運んでくれました。

どうやらただ単に忙しかったから遅れちゃっただけみたい(笑)

田舎者のひがみでしたね😝


前菜と、それぞれが頼んだ「鴨南蛮」「鶏と玉子とじ」「長ナスと豚肉」のおそば、デザートのアイスもなかです。

とても美味しかった!

まぁお値段も良かったですよ、埼玉北部の2倍。

ウォーリーが「高くても美味しかったからいいね!」と言ったので「まあ、半分は地代だと思うけど」と言うと、「そういうこと言わないで!」と怒られました🤣

でもみんなで花の東京のランチは、それだけの価値があります。

めっちゃ特別感!!

食事を終えてお店を出ると、廊下には空席待ちの長蛇の列が!

おおぉ、ハガレーナ、正解!!!

先に食事を済ませて良かったです。

これで、ゆっくり本屋を楽しめる。


エレベーターで8階に行きました。

「BUNKITSU TOkYO 」に着くまでの間にハガレーナとウォーリーは行方不明(笑)

早速小物たちのフロアーに寄り道していたようです。

入り口に着き、2時間後の再会を約束し、2人はオシャレな雑貨エリアに、ターボ・あこちゃん・私の3人は書店内に入りました。


左右に広がる書店空間に最初はワクワク!!


トイレのこんな表示まで「おっしゃれ~!!」などと写真を撮ったりして、もう期待が膨らみまくりでした。


入り口入って話題書の棚を見たまでは良かった。

そこから三人の目指す「直木賞候補作コーナー」を探し始めてから違和感に気付きます。


ところで、そう!「直木賞候補作品」が発表になりましたね!

選ばれたのは、以下の5作品。


葉真中顕さんの『家族』

住田祐さんの『白鷲立つ』

嶋津輝さんの『カフェーの帰り道』

大門剛明さんの『神都の証人』

渡辺優さんの『女王様の電話番』


前回の直木賞候補作は全作品読み終えていますが、発表に間に合わなかった作品もあったので、今回こそは全作品を読んで、自分たちで予想してから、発表の日を迎えたいと思っています。

私は『家族』は既に持っているので、追加で『白鷲立つ』を購入します。

あこちゃんは『カフェーの帰り道』と『女王様の電話番』を、ターボが『神都の証人』を購入予定です。

今回の上京で、その全てを揃えて、順次読み進め、お互いに貸し借りして、残り1ヶ月を過ごしたい!!

そんな風に思って、大型書店との前評判の「BUNKITSU TOKYO 」にやって来たのでした。


だが、だが、しか~し!!!

入り口の話題書でいくらか文芸書を見ただけで、辺りは絵本やコミックがずらりと並び、あとは図鑑とか雑貨とか、エンタメに片寄った商品ばかりが並び、全く文芸書コーナーが現れない!

挙げ句の果てに眼鏡屋まで登場し、ここは書店なのか!?と疑い始めたその時、目の前にま~るい文芸書コーナーが姿を現しました。

え!?ここ??

外周の直径が5~6mくらいなぁ。

ドーナツ型のこじんまりとした小さな空間。

本の数たるや、日頃「探す本が見つからない!」とブーブー文句を垂れている我らがTSUTAYA本庄早稲田店よりも少ないと来たもんだ!

大型書店の中の文芸書の扱い、酷すぎない!?

クリスティは!?

真っ赤なクリスティランドがどんなことになってるか!?

それを見たらその書店の蔵書数がわかるというものよ!と赤い棚に走ると、あったのは十冊ほど、、ガビーーーン。

ダ~メだ、こりゃ。


しかも、「直木賞候補作品コーナー」すらありゃしない。

すぐ側にレジカウンターがあったので、女性スタッフに聞くと、「え?直木賞ですか?」という反応。

「あー、直木賞の候補作の中であるのは~、、」とスマホで検索し、「『家族』と『カフェーの帰り道』がありますね。他は在庫がないんです」という返事でした。

なるほど、『家族』と『カフェーの帰り道』は話題作だったから元々在庫があったけど、他の三作品はそんなに在庫がなくてあっという間に売れてしまったということなのでしょう。

そして、今慌てて注文してるけど、まだ届かない、、そんな狭間の時期に訪れてしまったということ。

それは仕方ない、、仕方ないのですが、、

だとしても!ですよ。

直木賞・芥川賞の候補作が発表になったのですから、そのコーナーを作って、書影だけでも掲げて、近日入荷!!などとうたっても良くないですか?

本屋なのに、本に対する愛を感じられない!

本屋として生きていくんだっていう気概が微塵も感じられない!!!

どうなってるんだ!?「BUNKITSU TOKYO 」!!

わざわざ往復3000円の旅費をかけて、はるばる埼玉の片田舎から大勢でやって来たというのに、なんたること!!💢💢💢


期待してきただけに、カウンターの前でテンションだだ下がりの三人です。

私は憤懣やる方ない。

だめだ、他の大型書店に行こう!!

ハガレーナとウォーリーはここを楽しんでるみたいだから、ゆっくり楽しんでもらって、後で合流しよう。

万が一次の書店も売り切れだと困るので、あこちゃんは「カフェーの帰り道」だけ購入し、私たち三人は、確実に大型である(ビル丸ごと書店)、池袋のジュンク堂書店に向かうことにしました。


昔映画で見た、ヨーロッパの始発駅のような鉄骨剥き出しの屋根が印象的な高輪ゲートウェイ駅。

ここから山手線で30分、池袋を目指します。


池袋駅から徒歩5分ほど、、やって来ました、「ジュンク堂書店」!!!

これ、これ、これ~!

オシャレじゃなくたっていいのよ、本さえあれば(笑)


ビル丸ごと書店!

私の理想郷(笑)

目指すは文芸書コーナー。

いざ、いかん!三階へ!


で、どうだったか??

ここには小さく「直木賞・芥川賞コーナー」があることはありました。

が、、

あったのは、直木賞に関しては「BUNKITSU TOKYO 」と同じく「家族」と「カフェーの帰り道」のみ。

おおぉ、日本中の本屋が他の三作品を探して、工場では輪転機が猛烈に稼働して(?)増刷中らしい。

天下のジュンク堂書店にないのなら、諦めます。

こりゃあ、片田舎の私どもの手元に来るのは2週間後ですかね?

それまでに手に入れた二冊だけでも読み終わりましょう。


ターボはこの二冊を購入。

なかなかにイヤミスっぽいのを選びました。

どんな感想を聞けるか楽しみです(笑)


あこちゃんは、「赤毛のアンシリーズ」で、発行されていることを知らなかった「アンの思い出の日々」を見つけて、体温が爆上がりしておりました。

訳者は村岡花子さんのお孫さんらしいです。

それから「羊と鋼の森」を書いた宮下奈都さんの「よろこびの歌」、そして、大好きな神永学さんの新らしいシリーズ。

とてもあこちゃんらしい選書です。


私はアガサ・クリスティー作品5点(持っているのもあるけど、古いのは字が小さくて読みづらいので新装版で)と、海外ミステリー三作品、そして、日本の作家は高野和明さんの新作と、このミス4位に選ばれていた「百年の時効」です。


帰宅後、大学時代の友達に、「BUNKITSU TOKYO 」の話をすると、「ニュウマンはオシャレだし、雑貨や文具が沢山あって、絵本も充実しているから好き」と、高評価でした。


一言で言えば、文芸書が少なかった、、それだけに過ぎません。

それを求めていなければ、ビル全体がオシャレで、フロアーはお祭りみたいで、キラキラしている素敵な空間なのだと思います。

お買い物好きなハガレーナとウォーリーは楽しんだみたいです。

要はターボとあこちゃんと私の目的に合わなかったというだけ、、、

いっぱい悪口書いてごめんなさい🤣


さぁ、直木賞候補作、頑張って全作品、読んで、受賞予想しましょう。


みんなとわちゃわちゃ感想を言い合えるのが楽しみです!


、、、翌日、、、


仕事の合間に立ちよった「TSUTAYA本庄早稲田店」に、なんと、残りの三冊「女王様の電話番」「神都の証人」「白鷲立つ」がありました!!

直木賞・芥川賞コーナーはなかったのですが、フツーに棚に他の候補になってない作品に紛れて、そっと並んでいましたよ(笑)

この界隈の人たち、「直木賞候補作、買いに行こう!!」ってならないってことなのか!?🤣

まぁ、何はともあれ、全作品揃ったので、みんなでワッセワッセと読みたいと思います(笑)


いつもブログを応援していただき、ありがとうございます。

【読書感想】クリスティ祭り継続中。『ポケットにライ麦を』『パディントン発4時50分』『ナイルに死す』2025年12月14日(土)

やまみほ

こんにちは。


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。


12月第2週に読んだ本を紹介します。


読了したのは、この三冊でした。

まだまだクリスティ祭り継続中🤣

いや、実は直木賞候補作が発表されたので、それを読み始めたいのですが、ちょいと事情があって、それは来週の課題となります。

(その理由は次のブログにて)



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《ポケットにライ麦を》アガサ・クリスティー著(早川書房)


◎あらすじ、、、

会社社長が何者かに毒殺された。

遺体のポケットにはなぜかライ麦が。

それは、恐るべき連続見立て殺人の端緒だった。

さらに社長宅のメイドが洗濯ばさみで鼻をつままれた絞殺死体で発見される。

彼女を知るミス・マープルは義憤に駆られ、犯人探しに乗り出す!

新訳で贈る、マザー・グースに材を取った中期の傑作。


◎感想、、、

怒れるミス・マープルの登場だ!!

ミス・マープルのこんな姿を初めて見た気がします。

殺人事件に巻き込まれた友人知人に頼まれて捜査に乗り出すことが多いミス・マープルが、呼ばれもしないのに自ら水松荘(イチイロッジ)に乗り込んできます。

どうやら、殺されたメイドは、ミス・マープルがかつて一緒に暮らし教育した、恵まれない娘だったらしいのです。

その娘が殺され、しかも鼻を洗濯ばさみでつままれて発見された!

なんてことだ!

そんな残酷で侮辱的な仕打ちをされるとは!

憤怒に駆られたミス・マープルは、やってきたのです、犯人に復讐するために。


「悪魔の手鞠歌」を彷彿とさせるマザーグースの歌を使った見立て殺人が行われます(こちらの方が発表は早いらしい)。

最初に殺された社長のポケットにはライ麦があり、次に殺された娘の死体の鼻には洗濯バサミ、三人目の被害者は蜂蜜を塗ったパン、そして、黒ツグミの死体。

全ては、冷酷無情の犯人が周到に準備した、捜査を撹乱するための策略だったのです。


それにしても、遺体の鼻に洗濯ばさみって、、そんなことやるから、ミス・マープルを敵に回しちゃった訳ですよ。

いつもは慈悲深い彼女ですが、怒らせたたら、まぁ必ず絞首台に送られますよね。


最後のミス・マープルの涙が印象的でした。

泣いてる姿も初めて見たかもしれません。

あの写真で、グラディスの悲しい人生への共感と、犯人への憎しみという、強烈な余韻を残すこととなります。

この作品も傑作ですね。


評価は⭐5に限りなく近い⭐4.5。

いや、やはり⭐5でいいか。

最後の絵が目に浮かんできて、今じわじわとこの物語の凄さを実感しているところです。


今のところ、ミス・マープルシリーズの中ではNo.1です。

『アガサ・クリスティー完全攻略』の中で、霜月蒼さんが「ミス・マープルがカッコいい」と書いていて、確かに!と思いました。


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《パディントン発4時50分》アガサ・クリスティー著(早川書房)


◎あらすじ、、、

ロンドン発の列車の座席でふと目をさましたミセス・マギリカディは窓から見えた風景に、あっと驚いた。

並んで走る別の列車の中で、いままさに背中を見せた男が女を締め殺すところだったのだ………

鉄道当局も、警察も本気にしなかったが、好奇心旺盛なミス・マープルだけは別だった!

シリーズ代表作、新訳で登場


◎感想、、、

やはりこの作品も面白い。

クリスティはホントに色んなことを思い付くなぁと感心しました。


ある老婦人が列車の窓越しに殺人を目撃するという衝撃的なシーンからスタートし、怪しい奴だらけのクラッケンソープ家へミス・マープルが手下を送り込んでの潜入捜査というワクワクの展開!!

スーパー家政婦ルーシーが活躍するのですが、そのあまりの有能ぶり(特に料理の腕前)に、男どもがみんなルーシーに惚れてしまって、まさか家主のいけすかないジジィまでもが求婚かい!と笑ってしまいました。

まぁ、その気持ちはわからなくはないのだけれど。


最後はまるで刑事コロンボのような罠を仕掛けるミス・マープル(勿論こっちの方が先だと思うけど)。

大胆不敵で、正義のためなら平気で嘘をつくミス・マープルの肝の座り方がカッコいいです。


犯人も被害者もわからないという、二つのフーダニットが中弛みすることなく楽しめました。


この作品は、最後の解説も興味深かったです。

書評家「前島純子さん」の解説の抜粋、、、

『《クリスティー文庫》という形で、これからクリスティーを読もうとする人は幸せだと思う。いわば、クリスティーランドというテーマパークができたようなものではないか』

、、、確かに!

本屋で棚ひとつ分を赤く染めるように並ぶこのシリーズは、正に『クリスティーランド』だわ!

真っ赤な背表紙のハヤカワ文庫は、ナンバーと探偵の名前がひと目でわかるようになってもいて、揃えやすいし、次はどれを体験しようかとパビリオンに走る時の気持ちで選ぶことができます。

さらに、解説は続きます。

『活字の世界では遅れてきたファンというものが存在せず、新旧の読者がほぼ平等に作品を論じたり楽しむことができるのがいい。生の舞台のように、「かつてのマリア・カラスを聴いた時は」だの、「先代の団十郎は別格でしたよ」だのと、こちらが手も足も出ない話でふんぞり返られ、悔しい思いをしなくて済むのだから。クリスティー未体験の方も、どうぞ気軽に、女王がつむいだミステリランドに足を踏み入れてほしい。』

、、、ほんとにそうだ。

誰とでも何度でも楽しめる、語り合える、それが読書の素晴らしさですよね!!


さぁ、物語の話に戻すと、、、

最後にひとつ謎が残りましたよ。

果たしてルーシーはどちらを選ぶのでしょうね?


いや、どちらも選らばない方に私は一票です!(笑)


あ、評価を忘れるところでした。

⭐は4.5。

トリックとか驚くものはなかったですが、終始楽しめる作品でした。

これぞ、エンターテイメント(霜月蒼さんの言)!


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《ナイルに死す》アガサ・クリスティー著(早川書房)


◎あらすじ、、、

美貌の資産家リネットと若き夫サイモンのハネムーンはナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で暗転した。

突然轟く一発の銃声。

サイモンのかつての婚約者が銃を片手に二人をつけまわしていたのだ。

嫉妬に狂っての凶行か?

………だが事件は意外な展開を見せる。

船に乗り合わせたポアロが暴き出す意外きわまる真相とは?


◎感想、、、

高校時代に初読、10年前に再読、そして今回3回目の読了です。

犯人とトリックは何となく覚えていたのですが、それでも十分楽しめました。

むしろ、再読だからこその楽しみがあります。

おぉ、これは伏線だ、おっと、この会話が後の鍵になるな、、などと神のような目線で俯瞰できて面白いです。


事件が起こるまでの200頁にも渡る物語を飽きさせることなく読ませ、この先どんな事件が起こるのかと、ジェットコースターの頂点に向けゆっくり昇っていくような、静かな興奮を読者にもたらせます。

そして、事件が起きてからの、畳みかけるような謎、謎、謎!!!


今クリスティを続けて読んでいてわかることは、この作品が頭抜けて傑作であるということです。


犯人も魅力的だし、意外性もいいし、動機も納得でき違和感ゼロです。

被害者も皆ある程度殺されても仕方ないと思えるので(小説ならという意味)、気の毒に思う痛みが少なくていい。

事件を複雑にする重層構造の犯罪も巧妙で、謎の深まりがあって、謎解きが楽しいです。

憎めない犯罪者達に対するポアロの包容力も素敵でしたし、エンディングも見事だと思いました。


全てがパーフェクトな傑作で、今のところ私の中ではNo.1です。

「五匹の子豚」を鮮やかに超えてみせました。

これを読んだら、「ポケットにライ麦を」は⭐4.5かなと思っちゃう、いや、この作品を⭐⑤にすればいいのか(笑)

これは、困った!

⭐5では足りなくなってきたぞ🤣🤣🤣


余韻を楽しみたいので、映画を今日観てみようと思います。


クリスティ祭り、まだまだ続きますが、「直木賞祭り」を同時開催予定です。


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