50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【長野、諏訪】霧にまかれた『霧ヶ峰』 2016年10月29日(土)

今回は紅葉真っ盛りの霧ヶ峰に出掛けました。


《登山難易度5》

(私たちが歩いたルートと同じヤマップデータです。私たちの歩行時間はもっとかかっています😅)


明け方降った雨の名残で雲が低いものの、車で通ったビーナスラインからの眺めは素晴らしく、ハイキングへの期待が高まりました。


車山肩の駐車場からまずは車山(1925M)を目指します。

広くガレた道です。

登り始めは緑と黄色のストライプ模様のカラマツ林が美しく見えていたのですが、途中から霧が巻き始め、車山山頂に着く頃には真っ白な世界になっていました(涙)

晴れていれば360度の大展望で、アルプスの山並みが間近に見えるはずでした。

山頂には気象観測レーダーの白いドームがあり、その奥には車山神社があります。

四本の御柱に守られ、霧の中、より神々しくみえました。


いつか霧が晴れることを期待して急な階段を下って行きます。

本来なら霧ヶ峰全体が見渡せる最高のビュースポットのはずですが、霧で遠くまで見ることができません。

車山乗越を越え、緩やかに下っていくと、歩きやすい草原の木道となります。

つつじの群落が、今は赤い葉をつけていて、初夏にはさぞきれいなのだろうと思いました。

霧で足元の茶色い道と近くの草紅葉しか見えない中、真っ直ぐに丘の道を登り蝶々深山に到着です。

石がゴロゴロとした広く平坦な山頂からは、晴れていれば歩いてきた木道が美しいのだそうです。

今日は霧また霧の世界で、冷たい風が吹いてきたので、少し下ってお昼休憩することにしました。


物見石に向かう途中、わずかに霧が晴れた瞬間があり、今自分たちがどんな所にいるのか、少しだけ確認できました。

霧がなければさぞ広々と気持ちの良い草原なのでしょう。

次に向かった物見石は、マントヒヒのような不思議な形をしています。

しつこいようですが、晴れていればここからは眼下に八島湿原を見渡せるのだそうです。

もちろん何も見えません。

もう笑うしかありません。

八島湿原への下りは初めのうち歩きづらい急坂でしたが、やがてミズナラの樹林帯へ入って行きます。

落ち葉を踏みしめながらのつづら折れの急坂です。

サラサラと小川のせせらぎが聞こえてくると、そこは湿原の入口です。

湿原を周遊する木道となります。

八島湿原はハートの形をしているのだそうです。

木道近くの池とうが少し見えただけで、全体像が全くわかりませんでした。

途中から霧が雨に変わり、何だかとても疲れてしまったので、ヒュッテ御射山でコーヒータイムにしました。

ヒュッテ御射山を出ると、側には諏訪神社が建っています。

木立の中にひっそりとたち、古い御柱が独特の雰囲気をかもしだし、厳かな佇まいです。


その後林道を下ると沢渡に出ます。

再び急な登りにとりつくと、車山肩への最後の登りになります。

ヒュッテ御射山でゆっくりしすぎたようです。

少しづつ日が暮れ始め、霧の色が乳白色から灰色に変わり、日が落ちたことを知ります。

この頃には日没との競争で写真はほぼ撮れませんでした。

不安を抱えながらも、なんとか暗くなる前に車山肩駐車場に帰りつくことができました。


今度はピーカンの晴れの日に再び訪れたいと思います。


車山肩0940ー(39分)ー車山山頂1019(14分休憩)ー(23分)ー鞍部1056(9分)ー(34分)ー蝶々深山1139ー(25分)ー草原の道1204(24分休憩)ー(11分)ー物見石1239ー(47分)ー鎌が池キャンプ場跡地ー八島湿原周遊(1時間4分)ーみさやまヒュッテ1430(45分休憩)ー(20分)ー沢渡1535ー(56分)ー車山肩


全行程 6時間51分

(うち歩行時間 5時間28分)

標高差 309M(1639M~1925M)

パーティー 3名(山に行くかい)


行程図

【長野、北八ヶ岳】『縞枯山~茶臼山』 2016年10月10日(月)

《登山難易度2》

前回、白駒池を訪れた際に、麦草峠付近から見た山容に惹かれて、縞枯山にやって来ました。

アルペンムードのピラタスロープウェイを使って2283メートルの山頂駅まで一気にのぼります。

ゴンドラの窓からは縞枯現象やダケカンバの黄色い帯が広がり、早くもため息が出ます。

山頂駅につくと、坪庭周遊コースへ向かう観光客を横目に雨池峠へ向かいます。

左側は溶岩とハイマツの庭が広範囲にあり、歩きやすい遊歩道が整備されています。


坪庭を離れると、森と笹の中の木道となり、すぐに縞枯山荘が見えてきます。

振り返ると横岳の穏やかな山容、前方には縞枯山の端正な姿が見えます。


雨池峠は谷筋の四ツ辻で、見晴らしはなく、雨池を見ることはできませんでした。


ここからは峠を右に折れ、縞枯山までの急登にとりつきます。

付近は八ヶ岳特有のシラビソやコメツガと苔の美しい森です。

岩のある直登ですが、ストックの力を借りながらのぼりました。

45分程で山頂に到着。

2403メートルの縞枯山は細長い山頂で、樹木に囲まれ展望はありませんが、明るく平らな気持ちのよいプロムナードです。


尾根道を進むと、ほどなく展望台への分岐に着きます。

左に折れて進むと、高見石と同じような大きな岩の重なりが現れます。

人の背丈ほどもある岩の重なりを両手を使って這うように登りました。

これまた360度の大パノラマ。

前回から続く絶景です。

目の前には茶臼山、下の方に麦草ヒュッテの赤い屋根も見えます。

後方には横岳と雨池山、その奥に浅間山ものぞめます。

雲の流れが速く、シャッターチャンスを逃してしまいましたが、とりあえず記念撮影だけはしておきました。


一旦下って次に目指すは茶臼山です。

石の多い急な坂です。


五辻の分岐から再び登りになります。

枯れた木が道に倒れかかり、巨人がなぎ倒して通りすぎたような不思議な景観です。


茶臼山への登りはほんの少しです。

振り返ると先程までいた縞枯山の展望台が見えます。

汗をかく前に山頂に到着しました。

山頂は見通しの悪いT字路で、すぐに右に折れて見晴らし台に向かいます。


赤茶けた南面が大きくひらけ、天気が良ければ南アルプスや南八ヶ岳の展望が得られるはずでした。

到着はお昼頃でしたが、雲がどんどんわいてきて、視界はゼロ。

一瞬雲間からビーナスラインとロープウェイ乗り場が見えましたが、猛烈な風が吹き上げてきて、おにぎりを持つ手がかじかんできます。

体がどんどん冷えて来たので、眺めは断念し早々に下山することにしました。


一歩森の中に入ると、あれほどゴーゴーいっていた風はピタリとやみ、嘘のようです。


五辻分岐を左に折れ、急坂をしばらく下ると、ようやく五辻に出ました。


縞枯山南面を巻くように緩やかな木道を進み、ロープウェイ乗り場を目指します。

本来ならこの道からも南アルプスが見える展望コースなのですが、雲で何も見えませんでした。

木道はだらだら登りで、疲れた足にじわじわきます。

ゴンドラのグワングワンという音が聞こえてくると、霧の中に山頂駅が見えてきました。


山は午前中が勝負ですね。

今度はもっと早く家を出て、リベンジしたいです!


ロープウェイ山頂駅0940ー(17分)ー縞枯山荘0957ー(6分)ー雨池峠1003ー(45分)ー縞枯山山頂ー(32分)ー展望台1120(9分休憩)ー(19分)ー五辻の分岐ー(19分)ー茶臼山山頂1207ー(6分)ー茶臼山見晴台(24分休憩)ー(18分)ー五辻の分岐1255ー(30分)ー五辻1325ー(17分)ー森林浴展望台(13分休憩)ー(22分)ー山頂駅1417


全行程 4時間37分

(うち歩行時間 3時間41分)

標高差 120M (2283M~2403M)

パーティー 2名(ターボと)

行程図


車の所要時間 本庄児玉インターから2時間28分

交通費 高速代1340円+1180円

ガソリン代2100円

ロープウェイ往復一人1900円

【長野、北八ヶ岳】『高見石~白駒池』 2016年9月30日

久しぶりの山歩きに出掛けました。

今日山登り初体験の友人(ターボ)と一緒です。


《登山難易度1》


白駒池駐車場からスタートします。

駐車場は平日にもかかわらず9割方埋まっていて、中にはホテルからの送迎バスもいます。

いよいよ紅葉シーズン到来です。


白駒池入口の大きな道標から森の中に入って行きます。広い木道を進むと、そこはもう苔とコメツガの神秘的な世界です。

白駒池に向かう多くの人と分かれ、右に折れて木道を下ると、「白駒の奥庭」です。

周囲をシラビソに囲まれた岩と低木の箱庭で、とても静かで美しい。


再び森へ入ります。

「黒曜の森」です。

フウリンゴケなどを足元に見ながら美しい森をを抜けると、突然視界がひらけ、右に明るくなだらか頂が2つ見えてきます。

茶臼山と縞枯山です。

雲の流れが速く、真っ青な空とわき出る白い雲、そして熊笹や樹木の緑が目に眩しいくらいです。

茶臼山と縞枯山の山容はなんとも清々しく、縞枯れ模様が楽しい景観です。


麦草峠からの分岐に出会います。

ここからは、丸山への急な登りが始まります。

ゴロゴロとした岩で歩きにくいので、「よいしょ、よいしょ」と苦労して登っていると、後ろから来た縦走用の大きなリュックを背負った若い女性が軽やかに追い越して行きました。

「丸山の森」は苔とシラビソの森の中に、ニョキニョキと若芽が細長く伸びていて、不思議な雰囲気です。

若芽の先に妖精がいるのでは?と思うほどです。


久しぶりの山登りだったので、ハイペースで登り始めてしまったこともあり、早々にバテてしまいましたが、何とか時間をかけて丸山山頂へたどり着きました。


丸山山頂は展望はありません。

樹木に囲まれた静かな山頂でした。


ここからはずっと下りのはず!

足取り軽く高見石に向かいます。

高見石と聞いて、数メートルの大きな岩を想像していたら、なんとなんと、小屋の横にそれを見た時にはびっくりしました。

すごい数の大きな石が積み重なり、大きな山を形成しています。

なるほどこの巨大さなら、確かに見晴らしがいいはずです。

期待に胸を膨らませて、赤いペンキを頼りに岩をよじ登ります。


高見石からの眺めは、それはもう言葉に表せない程の絶景でした。

まさに360度の大パノラマ。

高みから見下ろす白駒池の美しさは息を飲みます。

この時は雲が少し出ていたので湖面は暗い色でしたが、午前中なら青空を写しブルーに輝いていたことでしょう。

ああ、写真では伝わりません。

あの美しさは、苦労して登った人たちだけが味わえる神様のご褒美だと思いました。


初めての山歩きだった友人も大感激。

「すごい、すごい」しか言葉が出てきませんでした(笑)

この日の体験が山登りにはまるきっかけとなりました。


その後は白駒池までの急な下りでした。


疲れた足は悲鳴をあげ、ヨロヨロしながらなんとか湖畔に到着。

池の周りを中休止を入れながら、ご機嫌にハイキングしました。

湖畔の紅葉は青苔荘前のボート乗り場辺りが最も鮮やかでした。

黒い湖面に少しさざ波がたち始めると、赤やオレンジ、黄色の葉っぱが音をたてて揺れていました。



このルートは白駒池を近くからと遠く高台からと、両方楽しめることが最大の魅力だと思います。


池周遊コースの「もののけの森」は、木の根のまわりに生えた苔が、地面を覆い隠し、根の下には黒い空洞があり、どこまで深いのか、少し怖い気がしました。

もののけの森とは言い得て妙です。

苔とシラビソ、コメツガ、そして白駒池を巡る絶景の山歩き。

大満足の秋の一日でした。


白駒池入口1127ー(37分)ー麦草ヒュッテ分岐1204ー(1時間33分)ー丸山山頂1337ー(15分)ー高見石(29分休憩)ー(35分)ー白駒荘1456ー(45分)ー青苔荘1541ー(14分)ー白駒池入口


全行程 4時間28分

(うち歩行時間 3時間59分)

標高差 249M(2080M~2329M)

パーティー 2名(ターボと)


行程図


車の所要時間 花園インターから2時間19分


交通費 高速代2200円×2

ガソリン代2100円

駐車場代500円