50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【長野、小諸】『黒斑山~蛇骨岳(浅間山外輪山)』 2017年10月8日(日)

《登山難易度3.5》

昨日の雨もあがり、快晴となった三連休の中日、浅間山に出掛けました。

浅間山は黒斑山、仏岩、前掛山、小浅間山の総称ですが、今回は黒斑山を目指します。


朝7時の車坂峠からは佐久平を覆いつくす巨大な雲海が広がり、八ヶ岳や富士山も遠くに見えます。

視界はクリアーで期待がふくらみます。

高峰高原ビジターセンターの駐車場はすでにほぼ満車で、想像以上の人出に驚きました。

紅葉シーズンが始まったこともありますが、日頃から人気の山なのだと思います。

黄葉したカラマツ林の表コースを行きます。

樹間から雲海を望めます。

車坂山を越え、鞍部から登り返し振り返るとこの夏登った水の塔山と東篭ノ登山の赤ゾレがはっきり見えます。

足元の草木は赤や黄色に色づいています。

朝日に向かって歩いているので光が眩しく、サングラスをかけたり外したりが忙しかったです。

地面には赤い石が転がっています。

溶岩が空気に触れて酸化したものです。


樹林の中を行く途中、ガレた広場に出ます。

振り返ると180度ぐるりと視界がひらけていて、大変景色の良いビュースポットです。

八ヶ岳、富士山、中央アルプス、美ヶ原、穂高連峰、槍ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、白馬岳などの北アルプスの峰々、手前には水の塔山、東篭ノ登山などを見渡せます。


広場を後にすると、急な木製の階段となります。

土が流れてしまっているので、木段が露出している所が多く、大きくまたがねばなりません。

やがて木々の間から浅間山の頭が見える曲がり角を2つ越えます。

狭く平らな所に火山避難用シェルターが置かれていました。

今日は火山レベル2です。

前掛山へは入山禁止の警戒レベルです。


そこから一登りで突然視界がひらけ、目の前に巨大な浅間山が現れます。

槍ヶ鞘に到着です。


左手にトーミの頭へ登る急坂が見えます。

西側はシラビソやコメツガの森で、尾根を境に東側は断崖絶壁になっています。

正面に見える浅間山、やっと見れました。

浅間山を見ようと二度も浅間隠山に登ったのに、いつも雲に隠れていた憧れの山が、どっしりとした姿で目の前にあります。

裾野は緑濃く、少しづつ黄色いカラマツとなり、上方は森がとだえ、砂れきの茶色い地肌がむき出しになっています。

岩が転がった跡か、雨水が流れるのか、幾筋も縦に溝があり、より迫力を増しています。


トーミの頭への登山道脇には面白い形の奇岩がありました。

裾野から浅間山荘方面へのびる蛇掘川の谷すじから雲が忍び寄ってくるのが見えました。

雲に邪魔されるのが怖くて先を急ぎます。


トーミの頭への道は、岩石がゴロゴロとした直登です。

浮き石が多く、捻挫しないように気をつけて登ります。

振り返ると槍ヶ鞘からの道がよく分かります。


トーミの頭は小高い岩山で、湯の平側へ突き出した断崖絶壁です。

360度の大パノラマ!

高度を増した眺めはアルプスの稜線をよりリアルに見ることができ感動的です。

また黒斑山、蛇骨岳、仙人岳、鋸岳、Jバンドと大きく弧を描いた外輪山の崖が見晴らせます。

黒斑山の山頂部が大崩壊を起こしてできた崖だそうです。

眼下に湯の平を挟んで、正面に堂々たる姿の浅間山がそそりたっています。

目線を下に転じれば、草すべりという急な下り坂をおりていくハイカーの姿が見えます。

浅間山と外輪山の間に広がる湯の平は、黄葉した草地の中に点々と灌木があり、緑、黄緑、黄色と、所々にまざるナナカマドの赤が鮮やかで、見ているだけで楽しい気分になります。

これだけの大パノラマは昨年秋からの山行で、過去最高ランクです!

どんなに見ていても見飽きることはない気がしましたが、雲が忍び寄って出てくる気配を感じたので先に進みます。


尾根道を黒斑山へ。

東側が断崖絶壁の尾根なので足を滑らさないように気を付けます。


森へ入ったり出たりを繰り返しながら少しづつ高度を上げ、本日の最高標高2404Mの黒斑山山頂に到着です。

西側は樹木におおわれ展望はありませんが、東側はトーミの頭とは少し角度を変え、更に浅間山に近くなっている気がします。

雲が出てきたので、西側の展望を求めて蛇骨岳へ急ぎます。

再びの尾根道では、低木の紅葉とカラマツの黄色、コメツガの緑のコントラストがとても美しいです。

ずっとこのまま歩いていたいと思わせる快適で素敵な稜線です。

蛇骨岳の先のJバンドまでの断層を観察しながらご機嫌に歩きます。

尾根直下の横縞の黒い部分は溶岩です。


蛇骨岳は岩石の多い小広い山頂で、東側の眺めが良い岩場でお昼休憩にしました。

途中から少しづつ流れていた雲がいよいよ迫って来て、山頂に着いた時には北西側はすっかり雲におおわれ何も見えませんでした。

北西側も見たかったなぁ。


下を覗くと、絵の具をポンポンと置いたような、絵本の世界が広がっていて、下に下りてみたくなります。


帰路は黒斑山、トーミの頭を経由して、鞍部から分岐を中コースに進みます。

このコースは展望はありませんが、やはりカラマツの黄葉が美しかったです。

ビジターセンターのレストランで軽めの食事をして沢山の今日のあれこれを語り合いました。


車坂峠登山口0726ー(17分)ー車坂山0734ー(9分)ー鞍部0752ー(23分)ー見晴らし広場0815(12分休憩)ー(37分)ー避難用シェルター0904ー(6分)ー槍ヶ鞘0910ー(23分)ートーミの頭0933(11分休憩)ー(20分)ー黒斑山山頂1004(5分休憩)ー(45分)ー蛇骨岳山頂1056(40分休憩)ー黒斑山山頂1210ー(24分)ートーミの頭1234ー(7分)ー分岐1241ー(1時間2分)ー車坂峠ビジターセンター1343


全行程 6時間17分

(うち歩行時間 5時間7分)

標高差 431M(1973M~2404M)

歩数 19000歩

歩行距離 13、3㎞

パーティー 2名(ターボと)

行程図

【山梨、甲州】 『大菩薩峠』(日の出) 2017年9月26日(火)

《登山難易度3》

この夏初めて訪れた大菩薩峠に、今度は日の出を見に出掛けました。

前回雲に頂きを隠していた富士山や南アルプスを見たいと思います。

今回から初参加の友人(当番長と命名)も一緒です。


真夜中の雁坂峠を越え、全く車とすれ違わない道中、鹿のお出迎えを受けました。


真っ暗な上日川峠を夜中の3時半に出発しました。

(真っ暗なので、しばらく写真はありません)

今回は前回とは逆コースをたどります。


懐中電灯の灯りを頼りに暗闇を歩きます。


福ちゃん荘から見上げると木立の間に満点の星空です。

小さな星から青雲まで見えます。

辺りは漆黒の闇です。


大菩薩峠まではなだらかな道ですが、懐中電灯の灯りは足元周辺しか照らしません。

熊鈴を鳴らし、ラジオをかけ、賑やかにおしゃべりしながら進みます。


私の恐怖心が生んだ幻聴だったのか、「ウーッ」という獣のうなり声のようなものが三回聞こえた気がして、あまりの恐怖にゆっくりと後ろを振り返ると、隣にいた友人が私の顔を見て悲鳴をあげました。

辺りが見えない(獣からは私たちが見えている)という状況の怖さを初めて体験しました。

友達は別の意味で恐怖だったようですが(涙)

わざと大きな声で笑い合ったりしながら進むと、少しづつ薄ぼんやりと明るくなってきました。

前方に介山荘が見えてきた時には、心底ほっとしました。


大菩薩峠に着きました。

目覚め前の甲府の夜景も見えました。


丹沢方面を見ると、空がオレンジ色に染まり始め、明星がきらめいていました。


近くの岩場まで登り、日の出を待ちます。


日の出前の富士山です。

少しずつ日が昇りはじめました。

溶鉱炉から溶け出す鉄のような赤い太陽です。

朝日に照らされた富士山です。

富士山がオレンジ色に染まるのかと期待しましたが、そうはならなかったです。

朝日に染まるのには角度が良くないのでしょうか??


ただ暗闇から無事明るい尾根にたどり着いた安堵もあり、全てが感動的な眺めでした。


そこから5分程登ると、親不知の頭に着きます。

ここからは奥秩父、丹沢方面は見えません。

眼下に広がる甲府盆地と南アルプス、そして富士山を眺めながらの朝食です。

親不知の頭から見た介山荘と大菩薩峠です。


朝日を背中に浴びながらの大展望の朝食は最高!

コーヒーやスープでお腹を温め、飽きることなく天上の朝を楽しみました。

少しずつ動き出す甲府盆地の展望を楽しみ、一時間ほど遊んで再び歩き出します。

少し紅葉が始まっています。

夏に歩いた唐松尾根が美しい。


展望スポットの2000M地点や岩場で沢山写真を撮りました。


少しづつ朝日が当たり始めた町並みが美しく見えます。

天上の尾根にいるのは私たち3人だけというのがとても不思議で贅沢な気分です。

雷岩に着くと、雲がかかり始めた南アルプスを眺めながら一休みしました。

時刻はまだ8時です。

ここでようやく今日最初のハイカーに出会いました。


ここからはカラマツ尾根を下ります。

ダケカンバの紅葉が始まっています。

前回登った時よりもカラマツ尾根の道程が長い気がしました。歩いても歩いても着かない感じです。

前回こんなに長い道のりを登ったかなぁ??

この頃には多くのハイカーとすれ違うようになりました。

福ちゃん荘で一休みです。

再び森に入ります。

上日川峠に帰り着くと、車やバス、ハイカーでごった返していました。

駐車場に着いたのは10時半。

帰りにほったらかしの湯で汗を流して、のんびり過ごしました。

他の登山者が全くいない真夜中の山道歩きは大分怖かったですが、世間が動き出す前に沢山遊んで、とても得した気分で、ブドウを買ってご機嫌に帰宅しました。


上日川峠0343ー(24分)ー福ちゃん荘0407ー(53分)ー大菩薩峠0500ー(20分)ー岩場0520(日の出22分)ー(5分)ー親不知の頭0547(朝食1時間22分)ー(5分)ー賽ノ河原0714ー(21分)ー2000M標識0732(9分休憩)ー(20分)ー雷岩0803(34分休憩)ー(1時間10分)ー福ちゃん荘0947(14分休憩)ー(30分)ー上日川峠1031


全行程 6時間48分

(うち歩行時間 4時間8分)

標識差 454M (1585M~2039M)

歩数 18000歩

歩行距離 11、0㎞

パーティー 3名(コマクサ探険隊)

【群馬、旧倉渕村】霧雨煙る『浅間隠山』 2017年8月12日(土)

《登山難易度3》

雨に祟られた今年の夏休み。


子供たちと休みが合うのはこの日だけでした。

曇りから雨の予報でしたが、朝少し空が明るかったので、子供たちと夫の姉と一緒に山に出掛けました。


子供たちが小さかった頃、夫と一緒に訪れた浅間隠山です。

その時は霧に巻かれて視界ゼロでした(夫は自称雨男です)が、夫は参加せず、筋金入りの晴れ女を自称する娘がいますが、さて、今回はどうでしょうか?

浅間山が目の前に見える展望の山です。

二度上峠登山口から沢沿いのカラマツ林に入っていきます。

朝まで降っていた雨の名残で、いつもは枯れ沢の道は小川になっています。

アザミの葉には太い刺があり、足にあたると服の上からでも痛いので、気を付けました。

10分程で尾根道に出るので左へ進みます。

笹が繁るブナやカエデ、ミズナラの雑木林はとても歩きやすいです。


途中から霧が出てきました。

とても幻想的な雰囲気です。


北軽井沢分岐からは九十九折れの急な登りで息が上がります。


森の中なので濡れることはありませんが、梢をたたくサーサーという音がしてきました。

霧の中というより、雲の中にいたのだと思います。


背丈を超える笹は道にそってきれいに刈り込まれています。

道の真ん中は、雨や踏み跡で深く削られていて、滑りやすいので幾分歩きにくいです。

標高差200Mを一気に登ります。


わらび平分岐からは平らな道となり、山頂への稜線に出ます。

尾根道からは晴れていれば右に榛名山、左に浅間山が大迫力で見られるはずです。

この日は残念ながら視界ゼロ。

白い世界が広がっているだけです。

そのため尾根の花たちが一層鮮やかに見えます。

紫色はマツムシソウ、オレンジ色はオニユリ、ピンクはシモツケソウ、尻尾のようなグガイソウも見られました。

最後の急登わずかで山頂に到着です。

方位盤を見ると、視界が良ければ360度の大パノラマが得られるのだと分かります。

チョー晴れ女の娘の力で(?)雨は止み、頭の上に青空がのぞきましたが、山を隠す低い雲は動くことはなく、辺りは白い世界のままでした。

トンボを指にとまらせたりしてしばらく遊び、少しでも浅間山を拝めればと粘りましたが、無理そうだったので、諦めて下山開始。


尾根から森へ入ると再び霧雨に包まれて滑りやすくなった急坂を下って行きました。

結局今回も浅間山を見られなかったか~(涙)


展望こそありませんでしたがその分花の美しさに癒され、家族との大切な思い出がまたひとつ増えました。

これはソバナです。

雨に濡れて透けていました。


二度上峠登山口1113ー(12分)ー尾根道1125ー(22分)ー北軽井沢分岐1147ー(45分)ーワラビ平分岐1232ー(18分)ー浅間山山頂1250(55分休憩)ー主稜線鞍部1425ー(19分)ー北軽井沢分岐1444ー(13分)ー尾根道1457ー(17分)ー登山口1514


全行程 4時間1分

(うち歩行時間 3時間6分)

標高差 422M(1335M~1757M)

パーティー 5名(子供達と義姉と)

行程図