50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【長野、北八ヶ岳】無謀過ぎた計画。中級者向けの『天狗岳』へチャレンジ登山。最後は初ヘッデン登場のデンジャラストレッキング《前編》2018年11月10日(土)

《登山難易度 8》

東天狗岳の尾根からこんにちは。


今回先週訪れて天狗の奥庭から眺めた、北八ヶ岳と南八ヶ岳の間に位置する天狗岳へのチャレンジ登山です。

地図で確認すると行程は10キロ程、コースタイムは6時間弱、最大標高差は766Mなので、私たちでも何とか回って来れる許容範囲だなと思っていました。

このところコースタイム通りに歩けていたので、自分たちの力を過信していた事を、後で激しく反省することとなります。

ネットで調べると、日帰りで回ってきている人もいれば、黒百合ヒュッテなどに一泊する人もいて、初心者は一泊することをオススメしますとあったのですが、「初心者」という表現に、「私たちはもはや初心者ではないよね?もう50以上の山に登っているんだからさ」などという浅はかな考えで、「ま、晴れ女隊なら何とか行けるんじゃん?」と思い計画しました。

前々回の袈裟丸山での義姉遭難一歩手前事件で、友人に「みほは素人ではないと自覚すべき」と言われたこともあり、初心者はそろそろ卒業でいいのかなと思ってしまったという背景もあります。

私の計画では7時20分に歩き出し、午後2時半には下山して、唐沢鉱泉で入浴する予定でした。

もしもコースタイム通りにいかなくて下山が1~2時間遅くなったら入浴しないで帰ればいいよね、などと思っていたのです。

そんな事をお気楽に考えていた自分を殴ってやりたい、、、。

結果過去最長の歩行時間となり(なぜか歩数はそこまでではない不思議)、他のハイカーが皆テントや山荘でぬくぬくしているのを横目で見ながら、最後は山の中で恐怖の日の入りを迎え、初のヘッデン登場、真っ暗な山道をピンクリボンを探しながら歩くという、身も心もズタボロの一日となりました。

そんなお気楽隊にはそぐわないデンジャラス登山の始まりです。


自宅を朝の4時20分に出発しました。

今日は先週行った白駒池よりだいぶ走ってぐるっと回り込まないとたどり着けない唐沢鉱泉が登山口で、かなり長い道のりなので、コンビニには寄らないで行こうと思っていました。

しかしこの日は朝からついてなかったのです。

メンバーが一時停止違反で捕まるというアクシデントが発生(涙)

真っ暗な田んぼの中の見通しの良い赤の点滅信号ですよ。

他の車は全くいなかったのですよ。

パトカーはライトを消して暗闇で見張っていたのですよ。

ずるくないですか!?(この怒りはお門違いなことは重々承知しております)

あんな所、あの時間に、暗闇で見張っていたら、もう入れ食い状態でしょうよ。

バックミラーに、サイレンは鳴らさず、「止まりなさい」などとの呼び掛けもせず、じとっとついてくるパトカーのクルクルライトが見え、あ、さっきの一時停止、、となったのでした。

そのため、結局コンビニに寄った以上の時間がかかり、唐沢鉱泉に到着したのが7時半過ぎでした。

トイレ(一つしかなく順番待ちで少し時間を取られました)と支度を済ませ、7時52分、歩き出しました。

〈ここで既に予定より32分遅れです。〉

左手(唐沢鉱泉の前の道)は帰りに下ってくるコースです。

今回は右手に行き、唐沢を渡って行くコースです。

第一展望台 → 第二展望台 → 西天狗 → 東天狗 → 黒百合ヒュッテ → 唐沢鉱泉 という半時計回りコースで歩いて来ようと思っています。

まずは唐沢にかかる橋を渡ります。

ここから次の分岐(枯尾の峰分岐)までコースタイム1時間です。

緩急織り混ぜながら、徐々に高度を上げていきます。

辺りは北八ヶ岳らしい苔の森です。

シラビソの白っぽい幹が美しく並んでいます。

次の分岐まで右に左に向きを変えながら、標高差280M登ります。

一週間前に北八ヶ岳を歩いてから右膝が少し腫れていて、歩いている内に少し痛みが出てきました。

急坂で、右膝に体重をかけて身体を持ち上げる時に痛みが走ります。

いつも持ち歩いているサポーターを装着することにしました。

昔も昔、高校時代にバレーボールで痛めた古傷が、疲れたりすると痛み始めるので厄介です。

まだ登りが始まったばかりなのに、ちゃんと歩き通せるか少し心配になりました。

再び歩き始めます。

辺りは霧に包まれ、ハイカーに会うこともなく、とても静かな朝です。

駐車場で私たちより少し遅く着いた若い女性たちは違うコースを行ったのでしょうか?

大きな岩が現れました。

きついサポーターをしていて右膝を大きく曲げられないので、うまく登ることができず、膝をついて不恰好になってしまいました。

あー、先が思いやられます。

このコースも岩が多いのかなぁと少し心配。

この後9時4分に枯尾の峰との分岐を通過しました。

1時間12分かかりました。

コースタイムよりプラス12分です。

〈この時点で、予定より44分遅れです。〉

ここから第一展望台まではコースタイム50分です。

分岐からは前回のにゅうでも苦労した根っこロードになります。

歩きずらい、、(涙)

張り出した根は雨に濡れて滑りやすく注意が必要です。

登山道以外の岩は全て様々な苔でびっしりとおおわれ、豊かな水を蓄えています。

苔の先に何かがついています。

何でしょうか?これは?

ナメコみたいに見えますね。

もちろんナメコではありません。

私の虫メガネで苔を観察する二人。

展望のないきつい登りが続くので、苔を眺めて気を紛らわします。

坂道は延々続くよ、どこまでも。

なかなかに大変な急登です。

この辺りで風が時々強く吹き付けるようになり、木立が揺れていました。

枝についた水滴がハガレーナのうなじにピチャンと落ちてきたらしく「冷たっ!」と悲鳴をあげていました。

おっ、なんだか明るくなってきたぞ、もしや、第一展望台?

10時4分、見晴らしの良い場所に出ました。

これが第一展望台かしら?と思いましたが、標識はありません。

霧に包まれ視界もゼロです。

しゃくなげなどの小道に入り再び抜けると、

6分程で第一展望台に着きました。

時刻は10時10分です。

分岐からコースタイム50分のところ、1時間6分かかったことになります。

〈この時点で、予定より1時間遅れです。〉

アルプス展望を期待していましたが、残念ながら何も見えません。

ちなみに私の帽子と紺色のウインドブレーカーは初登場のワークマンです。

少し前から車の中で、「どうやら最近のワークマンはオシャレになっているらしい。女性客が増えていて、登山者にも安くてオシャレなアウターが人気らしいよ」という話題が出ていたので、ターボと二人で試しに購入してみました。

初登場で、そしてこれが最後になると思います。

やはり安いものは安いものなりなんだと良く分かりました。

そしてどことなくダサい(あくまでも個人の感想です)。

注意)もしかしたら北関東にはまだオシャレなワークマンが上陸していないだけかもしれません。

少なくとも山では機能性と丈夫さが一番大事なので、そこは譲れないと思いました。

尾根道なのに、うっそうとした苔の森が続きます。

しかも少し下っていく、、(涙)

まだまだ続くよ、坂道は。

いい加減嫌になってきて、お腹がグルグル鳴っているので、森の中でモグモグタイムです。

右側が大きく崩落した道を通り、再び森へ。

そして、ようやく第二展望台に到着です。

時刻は10時56分。

なんと、第一展望台から46分もかかってしまいました。

ガスガスですし、予定より遅れていますから、先を急ぎます。

げげげげげ。

私の想像では第二展望台辺りから展望の良い尾根歩きなのかと思っていましたが、森の中、再びの下りかよ~(涙)

しかも粘土質で超滑るぅ~(涙)

そして、鞍部からは、またまた歩きにくい岩と根っこの急坂です。

何なんだ、このコースは、、(涙)

いつになったら森林限界迎えるの?と思いながら登っていくと、、

11時19分、ようやくひらけた場所に出ました!

これから岩場登りが始まります。

ストックをリュックにしまって岩場登りに備えましょう。

どこまで続いているのか、霧で全くわからない岩場を登って行きます。

ハガレーナは岩場が大好きなので、途中から先に行ってもらいました。

三点支持どころか、私たちは膝も使い、肘も使い、四点五点支持で、ほぼ這い上がるように登りました。

ターボはあごも使っていたらしいです(どうやったら顎を使うことになるのだろう?相変わらず不思議な人です)。

おお、少し霧が晴れ、山頂が見えてきました。

山頂が見えてからも長かった(涙)

過去最高に長い岩場登りでした。

なんと34分間、岩場を登っていました。

山頂直下はガレた岩場になりましたが、大きな岩をよじ登る時間の長かったこと!

いやぁ、参りました。

やっと人の声が聞こえるようになりました。

11時53分、やっとこさ、西天狗山頂(標高2646M)に到着です。

〈予定より1時間43分遅れです。〉

地図では第一展望台から西天狗までコースタイム1時間と記載されていますが、私たちは1時間43分もかかってしまいました。

高見石やにゅうなどのわずかな距離の岩場なら簡単に登れますが、西天狗の岩場は骨が折れました。

これが八ヶ岳ってやつですか!

いやはや甘く見ていました。

ああいう所も上級者はスタスタスイスイ登り下り出来るのでしょうね。

これでも八ヶ岳の中では入門編の山なんですってよ!

多分私たちは八ヶ岳本体(?)には一生登れんわと思ってしまいました。

なのでせめて天狗岳からそのお姿だけでも拝みたい!と思っておりましたが、あいにくのガスガス(涙)

今日の予報は午前中曇りで午後から晴れとなっていたので、ちょうどお昼の時間帯ですし、ここでお昼休憩しながら、雲が晴れるのを待つことにしました。

食後の紅茶といつものターボの大福を食べて、片付けているところで、ハガレーナが突然「晴れてきた!」と叫び、目にも止まらぬ速さで立ち上がり、疾風怒濤の如く岩を飛び越えて走って行きました。

いや、ほんと、そのくらいの勢いでした。

雲が凄い勢いで流れ、隣の峰が見えてきました。

あんなに近くにあったんだ!

根石岳と簑冠山(みかぶりやま)です。

根石岳への稜線。

そして、そして、東天狗も見えてきました~🎵

東天狗から根石岳への稜線がキレイだ~!

ほんのわずかの時間でしたかが、重いカーテンが開き、薄いレースカーテン越しに隣の峰を見ることができました。

大変な思いをして登ってきた私たちに、「八ヶ岳を嫌いになるなよ」と、神様がチラ見させてくれたみたい(笑)

あんなもの見せられちゃ、嫌いになるどころか、八ヶ岳への憧れが募るばかりですよ。

もしも展望の良い日にここに来れたら、とんでもない絶景が待っていたのだろうと思いました。

12時44分、霧の中、東天狗を目指し歩き始めます。

すると再び南方面から雲が動き始め、目の前に根石岳山荘が現れました。

これから向かう東天狗への稜線も初めて見渡せました。

雲の向こうにわずかに八ヶ岳が見えた気がしたのですが、あっという間に雲が隠してしまいました。

それにしてもあの稜線、美しいですね~🎵

写真を撮ってばかりいては先に進まないので、歩き始めます。

天狗の奥庭から見たとき、とても気持ち良さそうに見えた西天狗と東天狗を結ぶ稜線です。

今日はガスっていて、残念(涙)

尾根左側のハイマツが見事です。

腕のいい庭師でもここまで美しく剪定することはできないでしょう。

自然の造型美。

東天狗までの登りは細かい石のガレ場です。

振り返って尾根を見たところ。

東天狗山頂が見えてきました。

午後1時10分、東天狗山頂に到着です。

西天狗から26分でした。

最初の計画ではお昼休憩は黒百合ヒュッテでと思っていましたから、西天狗でお昼休憩した今となっては何時間遅れだか計算しづらいのですが、とにかく大幅遅着です。

ガスが晴れれば八ヶ岳が見渡せるのだろうと思い、少し待ってみる?と話し合いましたが、雲が濃くなっている気がしたので、先に進むことにしました。

〈後で食事の時間を含めて計算すると、この時点で計画より1時間27分遅れになっていたことが分かりました〉


これからは長い下りになります。

恐怖の下り体験は後編にすることとし、ここで前編としてアップしようと思います。

後編では展望がひらけます!


続きは後編にて、、。

【長野、北八ヶ岳】『御射鹿池』と『白駒池』を巡り、天狗岳を見に『天狗の奥庭』へ。『中山』と『にゅう』のピークを踏む。2018年11月4日(日)

《登山難易度 4》

北八ヶ岳、にゅうの山頂からこんにちは。


今回は二年前の秋に訪れて、山登りを再開するきっかけとなった北八ヶ岳の白駒池に行きます。

原田マハの小説「生きるぼくら」に登場する御射鹿池(みしゃがいけ)を見に行きたいと思い調べたら、白駒池からわずかであることが分かり(車で20分程)、じゃあ2つの池を一度に見れるね!ということになりました。

御射鹿池は東山魁夷の「緑響く」のモチーフになった人工の溜め池です。

二年前の秋、長野美術館に東山魁夷の絵を見に行った帰りに、モチーフになったこの池を見たいと思い車を走らせたのですが、長野市から移動してくるのには遠すぎたので、手前の白駒池に立ち寄り、ハイキングコースがあまたあることを知り、その翌週に丸山から高見石に登ったのが、ターボにとっての初ハイキングになりました。

御射鹿池は早朝が一番美しいらしいので、日の出を御射鹿池で迎えようと思います。


ターボに迎えに来てもらい、自宅を3時18分に出発。

毎度お馴染みコンビニ経由、3時45分本庄児玉インターから高速に乗り、佐久北インターを下りたのが4時40分でした。

ここから中央道に抜ける道が佐久穂町まで延びていて、今は無料区間となっています。

前回まで小海町~佐久穂町と下道を通っていましたが、早朝の真っ直ぐな高速を夜景(といっても街灯だけですが)を見ながら、スーイスイです。

なんと素晴らしいのだろう!

私たちの為に(?)いつの間にかこんなにいい道を作ってくれていたなんて!

工事の皆さん、ありがとう!

税金、万歳🙌

八千穂高原インター(ゲートはまだないです)を下りたのが4時57分。

佐久北インターからわずか17分で、こんなところまで来れちゃった!っていう感じです。

快調に飛ばしてきて、最後は道が途中で終わるので、出口まで下りの超急カーブになりますから、皆さんお気をつけください!

蓼科方面に抜けるのはいつのことでしょう。

待ち遠しいです。

そしたら、まだ見ぬ憧れの伊那谷が近くなる(^-^)

高速をおりてからは、クネクネのメルヘン街道です。

辺りは多分紅葉や白樺林が美しいのだと思いますが、まだ暗いのでな~んにも見えません。

途中グレーの雲海の向こうに青く染まる南アルプスらしきものが見えました。

今日の展望への期待が高まります。

対向車はほぼなく、出会えるのは鹿ばかりです。

初めは興奮して、車を停めては写真を撮っていましたが、何度も会えたので最後はもう鹿はいいや!となってしまいました(笑)

宮島や奈良の鹿並みに、ありがたさ(?)が薄れてしまったみたい。

それほど麦草峠を越えてからのメルヘン街道は鹿だらけです。

御射鹿池に着いたのは6時でした。

30台程停められる駐車場があります。

広い歩道が整備されていて、池の横まで歩いてすぐです。

こちらが御射鹿池です。

人工の溜め池なので、右側が堤防のようになっています。

東山魁夷の「緑響く」の一部です。

これは夏の風景ですが、同じ木が立っているのがわかります。

私たちのスマホ写真でも、アップにすると絵のように撮れました。

辺りには本格的なカメラマンがいっぱいです。

皆さん寒さを堪えて、日の出(この日は6時12分)を待っています。

池が切れたのでもう一枚。

今日のメンバーはハガレーナ、ターボ、私の晴れ女隊3人です。

日の出の時刻を過ぎても、池の東側には天狗岳や丸山などの高い山があるため、なかなか朝日が池に射し込みません。

あまり遅くなるとハイキングの出発が遅れるので、今日は行程が長いこともあり、諦めて次の白駒池に向かうことにしました。

私たちはちゃんとしたカメラを持っていないので、朝日が射し込んだら、どうせ緑色のスジが入った写真しか撮れやしないよと、他のカメラマンが待つ取って置きの時間を逃した自分たちに言い訳しながら、6時48分に出発し、麦草峠に車を走らせました。

別荘地帯で沢山の雌鹿の群れを見ました。

単独行動の雄鹿は一度だけ見ましたが、写真は撮れませんでした。

この辺の鹿は人に馴れていますね。

じっとこちらを見つめて、逃げようとしませんでした。

7時16分、白駒池駐車場に到着しました。

駐車場の管理人さんはまだ出勤前でしたが、車のナンバーを書いて500円を木箱に入れるシステムです。

トイレ(一回50円)を済ませ、支度を整えて、7時40分、出発です。

今日は行程が長く、私の計画だと駐車場帰着が4時近くになる予定なので、晴れ女隊だということもありますし、ガシガシ登るつもりです。

入り口の写真も撮らず通り過ぎたら、ハガレーナが写真撮らないの~?と呼び止めて、二人と入り口の標識を撮ってくれました。

「ようこそ、苔の森へ」

そう、ここは北八ヶ岳。

苔ワールドです。

まずはこれからのコースをターボに説明しています。

今日はまずは高見石から白駒池を眺め、その後中山 → 中山峠 → 黒百合ヒュッテ → 天狗の奥庭 → 黒百合ヒュッテ → 中山峠 → にゅう → 白駒池 → 駐車場、と回って来ようと思っています。

高見石までは標高差179Mで、所要は余裕を見て1時間の予定です。

観光客が多く訪れる歩きやすい木道です。

7時46分、駐車場から10分程で白駒池との分岐に着きました。

右に登っていきます。

この辺りで「ハガレーナ、写真は任せた!今日はあんまり写真は撮らないでガンガン登るから!」と伝え、まあまあのハイペースで登って行きました。

すると途中で珍しくハガレーナが遅れ始め、「ちょっと待って~」と。

どうやら風邪気味らしく、朝風邪薬を飲んだので、足が重く上がらないのだそうです。

いつもはタフで運動神経抜群のハガレーナでもそんなことがあるんだ!とビックリ。

それじゃあ袈裟丸山で2号はさぞや大変だったのだろうなと今頃気がつくアホなリーダーです。

少しペースを落として進みます。

大きな倒木も多く、北八ヶ岳にまた来たなーという感じ。

このルートは道がなだらかで、途中からは木道となり、とても歩きやすいです。

8時15分、丸山などとの分岐にやって来ました。

右に行くと二年前に登った丸山からの道、真っ直ぐは渋温泉へ。

私たちは左手に進みます。

8時23分、高見石小屋に到着です。

登山口から43分でした。

なかなかにいいペースです。

小屋の前の庭にホシガラスがいて、ピョンピョン跳ねていました。

小屋の横にリュックを置かせてもらい、スマホだけ持って高見石を登ります。

スマホを石の間に落とすと二度と取れないので、ファスナーの付いたポケットにしまって登ります。

岩のてっぺんから見た白駒池です。

池の回りの紅葉こそ終わってしまいましたが、いつ見てもあなたは美しい!

青空が湖面に映り、青い水面が輝いています。

最高~🎵

ターボのポーズが女神っぽい(笑)

ハガレーナ、イカシテる(笑)

高見石(2249M)からの360度ぐるり絶景はこちら。

左からターンして、、

こちらは丸山かな。

雨池、縞枯山方面。

肉眼だと雨池がよく見えました。

白駒池の先には八千穂高原。

尖った山頂はにゅうかな?

中山だと思われます。

高見石小屋の赤い屋根と、奥に見えるのは奥蓼科温泉方面です。

この絶景を見て、ターボは二年前、「こんなにもすごい景色があるんだ!私は今まで山登りを知らなくて人生半分損してた~(涙)」と叫んだのでした。

ではそろそろ下って、次の目的地に向かいましょう。

こういう岩場は「登りはよいよい、下りは怖い」です。

お尻でズルズルと不恰好に下ります。

岩場を下りると、トイレ(100円)をお借りし、8時55分歩き始めました。

高見石から中山まではコースタイムは1時間30分。

我々の足だと1時間45分と見ています。

ひたすら続く急坂で、ハガレーナも初めの登りよりは体が楽なようですが、いつもよりきつそうにしていました。

なので後で見返したら、3人とも写真を一枚も撮っていませんでした。

45分くらい登ったところで、下りてくるカップルとすれ違ったので、「中山まではまだまだですよね?」とカッコ付で(もうすぐと言っておくれ)という願いを込めて問いましたら、それを察したのか気の毒そうに「あー、まだちょっとありますねぇ。ずっと登りです」と教えてくれました。

女性の方が「ですよね(涙)」という私たちを見て、可哀想に思ったのか「でももう少し行ったら広くなってて見晴らしの良い所に出ますよ」と言ってくれました。

ん?

女性の話を聞いてから10分程行くと平らな所に出ましたが、ここのこと?

大した見晴らしはありませんから違うかな。

とは言えこの辺りから道は平らになりました。

苔のアップ。

これは雪?ですよね?

ここまで霜柱は沢山見ましたが、標高が上がってくると、氷の粒が増えてきました。

初雪が降ったのでしょうか。

標識が片っ方落っこちているので、一瞬ここが黒百合平?と勘違いしますが「←黒百合平」です(笑)

雪がわずかに残る森を抜けると、

最後の坂を登って、

突然目の前に広々とした岩場が現れます。

ここが女性が言っていた見晴らしの良い所か?

展望台の事を言っていたのね。

話を聞いた所からだいぶありましたね(笑)

10時11分、展望台到着です。

おっ、あれは蓼科山ですな。

ぐるり半周、右からターンして、

雲が出ていて、見えそうで見えない(涙)

雲がなければアルプスの山並みが見えたのではと思います。

黄葉したカラマツの森がわずかに見えるケルンの前で記念撮影。

汗がひいて少し寒いです。

10分程岩場で展望を楽しみ、10時20分に歩き出しました。

では中山に向かいましょう。

ここからわずかに平らな道を行くとすぐに着くだろうと思います。

あれ?

意外とすぐには着かないなぁ。

先がなんだか下りっぽくなってきたけど?と思い振り返って

「この後下っちゃうよ~(涙)中山山頂がな~い!」と二人に叫ぶと、「え?ここが山頂じゃないの?ここに山頂標識あるよ」とのこと。

え?そうなの?

私は右手に立っていた山頂標識に気がつかず通りすぎていたのでした。

私が気がつかず通り過ぎた中山山頂(2496M)標識前にて。

10時26分です。

展望台から6分でした。

高見石から1時間31分、展望台で10分程過ごしましたから、標準コースタイムより少し速く歩けました。

高見石から標高差247M登ってきました。

中山からは下りになります。

山頂から15分程、10時43分、にゅうとの分岐を通過します。

しばらく平らな道を行きます。

やがて左側の見晴らしが良い所を通ります。

こちらは稲子岳です。

しらびそ小屋方面です。

もやがかかり、小屋は見えませんでしたが、美しい森が広がっていました。

地図には記載がありませんが、中山峠手前に展望台がありました。

目の前に東天狗が見えます。

右側の平らな尾根の向こうが天狗の奥庭じゃないでしょうか?

中山峠が見えてきました。

10時59分、中山峠に到着です。

分岐から15分程でした。

ここから右手の木道を行くべきでしたが、私が間違えて真っ直ぐ進んでしまい、道が登りになってきたので、なんだかおかしいぞと思い、足を止めて私を追い越す若者グループに、天狗岳への道だと教えてもらいました。

やばい、やばい、行く予定のない天狗岳に向かっていました。

私たちの足では帰れなくなってしまう。

慌てて引き返し、11時5分に再び中山峠を通り、黒百合ヒュッテに向かいます。

5分程のロスタイムでした。

黒百合ヒュッテまでは平らな木道です。

緩やかに下ります。

11時11分、中山峠から5分程で黒百合ヒュッテに到着です。

今日のランチはこちらのヒュッテにて。

ストーブを囲んで、人気だというビーフシチューセットをいただきました。

1500円也。

50分程ゆっくりし、11時59分歩き始めました。

次に目指すのは天狗の奥庭です。

天狗の奥庭までは、黒百合ヒュッテの前から道があり、岩場を登っていきます。

これがなかなかに大変でした。

一つ一つの岩が大きい!

すれ違いも苦労する狭い岩場をよじ登ります。

振り返ると黒百合ヒュッテが見えました。

12時12分、天狗の奥庭の見晴台に着きました。

黒百合ヒュッテから13分で、標高差は45M程でした。

ぐるっと一周回って撮影。

左からターンです。

正面は東天狗と西天狗ですが、今はあいにく雲がかかっています。

天狗の奥庭の右側を通って天狗岳に向かうルートです。

中山、だと思います。

歩いてきた稜線ですね。

スリバチ池です。

色んな方のブログを拝見すると、ここに豊かな水を蓄えているときもあるようですが、、

今は少しだけ水溜まりのような所が見えるのみでした。

稜線が雲に隠れていますが、あの尾根歩きは楽しそうですね。

あちら側に八ヶ岳の赤岳など見えるのでしょうね。

いつか登ってみたいです。

風が吹いてきて少し寒くなってきたので、黒百合ヒュッテに戻ります。

私は下山になると、いきなり婆さんに変貌します。

ストックが杖にしか見えなくなるようです。

股関節など硬いのと、膝を庇って慎重に歩き過ぎるので、どうも動きが婆さんチックになるらしいです。

ターボが私を見て、爆笑していました。

あっという間におりてきました。

展望台から10分程でした。

黒百合ヒュッテの前に座って、コーヒータイムです。

いつものようにターボの大福をいただきました。

30分程のお茶休憩を終え、トイレに行ったりして、午後1時4分に歩き始めました。

午後1時10分、再び中山峠を通過します。

来た道を戻る形で、峠を左に登って行きます。

にゅうと中山の分岐を通過したのは午後1時23分でした。

分岐からは下りになったのですが、ここからが長かったです。

下っても下っても鞍部に着かない(涙)

そんなに下りたくないのに。

尾根っぽくなったと思ったら、この根っこロード。

歩きにくい~(涙)

後から時間を見てみると、鞍部まで26分でした。

そこまで長かったわけではなかったのですが、長い行程でくたびれていたのか、とにかく長く感じました。

午後1時49分、ようやく鞍部を通過します。

分岐から標高差120M下ってきました。

ここからも長かったです。

岩と根っこの張り出した尾根道を登ったり下ったり、、

2時6分、小さなピークのような所を通ったので、中山みたく地味だけどここがにゅうかしら?と思いました。

標識に気がつかなかったけど?と思いながら、そこから下りになったので「やっぱりさっきのピークがにゅうだったんじゃん?」などと話しながら歩いていると、前方に大きな大きな岩の重なりが現れました。

なるほど、これが「にゅう」ですか!

北八ヶ岳は全体的にシラビソやコメツガなどの針葉樹と苔の森ですが、そこから突き出しているピークは必ずと言っていいほどドでかい岩がゴロゴロとした岩場なんですね。

2時28分、リュックを岩場の下にデポして、登り始めました。

2時35分、にゅう山頂に到着です。

この眺めはすごい❗

雲が出てしまいましたが、360度の大パノラマです。

後でネットで調べると、視界が良ければ富士山まで見えるらしいです。

八ヶ岳の主脈から少し外れているので、天狗岳に阻まれる事なく、八ヶ岳の峰々も見渡せる展望スポットとして有名らしいです。

もう少し勉強してから来れば良かったです。

知っていれば初めにこちらに登って、朝早いうちに雲がない展望を楽しみたかったです。

一歩足を踏み外せば奈落の底に転落する、危険な岩場の一番高い所まで登りました。

カラマツの森が美しいです。

角度を変えて白駒池を見ることができました。

ではでは、早くしないと日が暮れてしまいます。

下山しましょう!

ここからひたすら長い下りです。

北八ヶ岳らしい苔の森ではあるのですが、登山道がとても歩きづらく斜めになった岩と浮き石とツルツル滑る根っこのオンパレードなのです。

下るのにどっちを通る?という所ばかりで、「どこを下ればいいの~?」「お好きなように~」「どっちも好きじゃない~!」などと叫びながら、下りました。

森には、私たちオバサンの「イタタタタ!」とか「足がはまった!」とか「滑った~!」とか「げ!最初に出す足間違えた!」「ぎゃ!」「うおっ!」「ぐげっ!」などという声が絶えず響き渡っていました(涙)

若者は何事もないかように我々を追い越して、静かにスマートに下っていくのに、私たちは「よっこらしょ!」「どっこいしょ」「それっ!」などと、大きな声を出さないと歩けないのです(涙)

言うまいと思うのですが、何で出ちゃうんでしょうね、悲しくなります。

自宅に帰りお風呂で見たら足や腕が打ち身、青アザだらけでしたよ。

この道は登りの方がいいのかしら?

とにかく歩きづらく長い下りでした。

だんだん日が暮れてくるし、次の分岐まで40分と地図に書いてあるのに、私たちは何分かかったんだ?と手帳を見ると、ん?38分?あれ?コースタイム通りだったのか。

なんだかとにかく長く感じたんだけどなぁ。

そんなもんだったんですね。

お、分岐が見えてきました。

3時18分、分岐に着きました。

「にゅう、中山」方面が「ニュー中山」となっているので、ホテルでもあるみたいです(笑)

白駒池方面に行きます。

白駒湿原を通り、

グラグラな木道を、「うわっ!揺れる、揺れる」とビビりますながら歩き、

濡れて滑りやすい木道を転ばないように慎重に下りました。

ぬかるんだ場所で靴の裏に土がついているので、余計に滑りやすかったです。

3時50分、白駒池の分岐に着きました。

にゅう山頂から標高差250M下ってきました。

さっきの分岐から32分かかっています。

最後の下りもなだらかでしたが、意外と長かった!

途中から雨も降ってきたので、辺りが暗くもなり、何となく気が重かったです。

白駒池の淵を歩いて白駒荘方面へ向かいます。

高見石からとにゅうから眺めた白駒池です。

夕方で暗くなって、寂しい雰囲気。

御射鹿池っぽく、ズームにして撮ってみたのですが、夕方で曇っているので、色が乏しくあまりきれいに撮れませんでした。

白駒荘が見えてきました。

地図には休業中とありましたが、暖かそうな電気がつき、美しく生まれ変わって営業中でした。

隣には以前はなかった別館(?)まで。

ここで食事も出来るようです。

白駒荘前からの眺めです。

夜にはこの湖面に星空が映るのでしょうか。

右からターンして、

時刻は4時を過ぎているので、駐車場に急ぎましょう。

何人かの観光客とすれ違いました。

こんなに暗くなりかけているのに、懐中電灯も持たずこれから池に向かうのか!?と心配になりましたが、駐車場について分かりました。

まだ駐車場は明るかったのです。

森に一歩入るとあんなに暗いのに、駐車場でこれだけ明るければ、ちょっと池まで行ってみよう、という気持ちになるんだろうなと思いました。

駐車場に帰り着いたのは午後4時16分でした。

8時間36分、北八ヶ岳の森の中にいました。

何とか日の入りまでに帰ってこれて良かったです。

売店や駐車場の管理人さんがちょうど引き上げるタイミングで、結局朝も夕もお店が開いている所を見ることはなく(涙)

トイレをお借りして(自動販売機がない!)、水筒の水を飲みながら帰宅の途につきました。

今回は御射鹿池と白駒池を見るのが一番の目的でしたから、それは達成できてとても良かったです。

晴れ女隊だったので、天狗岳が見える所まで足を伸ばしてみました。

天狗の奥庭の展望台から見えた天狗岳は途中から雲に隠れてしまいましたが、登山者も多く、魅力的な山であることがわかりましたので、この秋に唐沢温泉からの周回コースにチャレンジしてみようと思いました。

にゅうからの眺めは宿題です。

あの下りはもういいかなと思ってしまったので、次あるとすれば、逆回りコースにしようと思います。

お気楽隊としては、チャレンジ登山とお気楽ハイキングを緩急織り混ぜて、今後もみんなで楽しみたいです(^-^)


最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。


全行程 8時間36分

(うち歩行時間 6時間30分)

※参考(標準CTは 5時間25分)

歩数 22000歩

最大標高差 424M(2072M~2496M)

累積標高差 575M

歩行距離 13,6キロ

パーティー 3名(コマクサ探検隊)

【栃木、みどり市】『袈裟丸山』《後編》過去最長距離を歩き、まさかの道迷いの巻2018年10月28日(日)

《登山難易度 6》

前袈裟丸山山頂からこんにちは。


紅葉の袈裟丸山に出掛けた旅の後編です。

避難小屋を10時27分に出発、前袈裟丸山に向かいます。

右手に紅葉の斜面が時々見えるのですが、樹木の間なので、うまく写真を撮れないです(涙)

ダケカンバに囲まれた気持ちの晴れ晴れするような道ですが、笹の中の道が深いので、展望はありそうでないです。

少し下ります。

前方に袈裟丸山が見えてきました。

10時45分、鞍部を通過します。

避難小屋出発から18分です。

次女の歩みは速く、2号が遅れ気味なので、時々2号の到着を待ちながら進みます。

コメツガの登りになると、時々樹林の間に右側を見通せる所がありました。

肉眼だと紅葉がきれいに見えたのですが、写真ではうまく伝わらないですね。

こちらはタケさんが道に迷った奥袈裟丸山から法師岳方面ですね。

地図には「踏み跡程度の道でルートファインディングの技術が要求される」と書いてあります。

私たちが決して足を踏み入れることのない山域です。

弓の手コースから見た前袈裟丸山は山頂直下が緑色でしたので、コメツガばかりの森になり山頂が近い?と期待します。

急坂です。

右側(北)が見渡せる所がありました。

男体山の山頂は今日はずっと雲の中。

すぐお隣の尾根はタケさんのブログによると、小法師尾根と言うらしいです。

庚申山のギザギザ尾根がよくわかるようになってきました。

あの辺も私たちが歩くことは一生ないなぁ。

経験と体力を兼ね備えた上級者しか立つことのできない山塊ですね。

小法師尾根の紅葉をアップにしてみました。

益々急登になってきました。

この辺りで既に7キロ歩いているので、木やロープを頼らないと登れない急坂に苦労しました。

山頂手前で7キロ以上ということは、往復するわけですから、今日は過去最長距離になりそうだなぁと、考えながら登りました。

登山道左側(南)の展望が初めてひらけました。

歩いてきた尾根を見渡すことができました。

2号の到着を待ちます。

かなり遅れて2号がやってきました。

今回は15~20分位歩いて、2号の到着を5分程待ち、合流して歩き出すを繰り返しています。

特に最後の急坂はだいぶ堪えているようでした。

この辺りで下山してきた方に「山頂まであと15分位だから頑張って!」と言われていました。

林相が変わって来ました。

左側の展望がひらけ始めます。

この辺りから山頂直下まで左右(特に左手)の展望が良く、何度も立ち止まって写真を撮りました。

この写真に見えるのは、巨大な赤城山のどこまでも続く裾野です。

この稜線は景色が広がって気持ちが良いのですが、笹が張りだし道が狭いので、ゆっくり休む場所はありません。

すれ違いも笹の中に片足突っ込まないとできないので、注意が必要でした。

左側の展望です。

アップにしてみましたが、紅葉がうまく写真に撮れないですね。

肉眼だととてもキレイでした。

山頂が見えてきました。

11時43分、前袈裟丸山山頂(1878M)に到着です。

登山口から標高差678M、避難小屋からは標高差250M登ってきました。

登山口からだと4時間57分、避難小屋からだと1時間16分かかっています。

小丸山からだと避難小屋で17分休憩したので、それを除いても1時間30分かかってしまいました。

避難小屋で会ったあのソロハイカーさんの言葉を信じて登ってきましたが、ちょっと行程が長すぎましたかね。

2号は風邪気味なこともあって、もうヘロヘロです。

座ってペットボトルの蓋を開けることができませんでした。

私は意外にもあまり疲れておらず、このところ頻繁に山歩きをしている効果が出てきたんだなと思いました。

2号に言わせると、どうも私の歩くスピードが速くなっているみたいです。

「だんだんお気楽隊じゃなくなってるよ~!」と2号に言われました。

そうなのか!?

私たちお気楽隊は自己評価が低いので、いつも自分は素人で体力がない、だから決して無理はしない、と思っているのですが、そのレベルが少~しずつ上がっていて、たまにしか参加しないメンバーとの差が少し出てきてしまったのかなと感じました。

そんなことを考えながらランチしました。

山頂は意外にも展望がなく、目の前のコメツガの森を見ながらお昼休みです。

木立から少しだけ見えた景色はこちら。

こちらは八反張(通行止め)を経てか、郡界尾根登山口から向かうことのできる後袈裟丸山(1908M)です。

通行止めの看板がありました。

次女は苔の観察に夢中です。

この子はコケ女だったのか?

最後に記念撮影をして、12時35分、下山開始しました。

展望のよい笹尾根を下り、

コメツガの森に入ると急坂に。

登りでも眺めた北側の展望。

小法師岳が良く見えます。

正面は小丸山ですよね、多分。

ドンドン下り、

1時34分、再び避難小屋のある鞍部を通過します。

山頂から約1時間かかりました。

午前中に会ったあのハイカーは30分と言ってましたよね。

どんだけじゃ!

この避難小屋辺りで私のデバイスはまたもバッテリー切れとなり、データはここまでしか記録できませんでした。

緑のマークがスタートした登山口、赤いマークがバッテリー切れとなった避難小屋です。

まだまだ先は長いです。

小丸山への登りです。

1時55分、小丸山まで帰って来ました。

避難小屋から約20分でした。

2号を待ちながら、午後の展望を。

右からターンです。

2号と合流し、2時ちょうどに出発します。

落葉したアカヤシオの小道を数回登ったり下ったりします。

来年はもう少し早く来よう!

きっとここは真っ赤なトンネルになるはずです。

午後の光に照らされたカラマツ林。

賽の河原を通過し、3時5分、展望台まで戻ってききました。

小丸山から約1時間でした。

西日に照らされ更に秋らしく輝くススキの小道。

さっきまでいた前袈裟丸山を振り返ります。

カラマツ林からアカヤシオのトンネルを通り、

3時12分、ツツジ平を通過します。

再びの弓の手コース尾根。

やはりここが一番キレイだ。

正面に、歩いてきた前袈裟丸山と小丸山も見えて、達成感半端ないです。

日が傾いているので、ほとんどの写真に緑色の光のスジが入り、あまりキレイな写真がありませんでした。

振り返ると、2号がようやく尾根に出てきました。

2号との距離感はこのくらいです。

私のスマホはここでバッテリー切れとなり、ここからは2号がiPhone8で撮ってくれた写真です。

iPhoneの方が明るく撮れますね。

谷に向かう尾根に一つまるでスポットライトを当てたように金色に輝く木が立っていて、とても不思議な景色でした。

今日歩いた尾根をぐるっと見渡せます。

西日の当たった紅葉もキレイです。

岩場で一緒に展望を楽しみ、3時35分、下山開始です。

ここから登山口まで30分程の予定です。

下山は4時頃になるはず。

日の入りが近いので先を急ぎましょう。

下山開始して振り返ると、2号がついてきているかと思いきや、岩場にいた男性と何か話しています。

後で聞いたところによると、「結局ここからの展望が一番キレイなんですよね」「そうですよね。袈裟丸山まで大変な思いで歩いてきたのに、結局ここが一番キレイっていうのも何だかねぇ」などと会話していたらしいです。

私は心の中で「お姉さん、ただでさえ歩くの遅いんだから早く歩き出せばいいのに。くっちゃべってる場合じゃないよ、日の入りが近いんだからさ」と思いながら、先を行く次女を追いました。

この時一言「お姉さん、急ごう!」と声を掛けていれば何か違ったのだろうかと、後で思いました。

ここから30分の行程ですし、朝も歩いた道ですし、分岐もありませんから、後から5~10分遅れで歩いて来るだろうと思い、トイレに早く行きたい気持ちもあって、ドンドン下って行ったのです。

時々立ち止まって、次女にあそこの写真撮って、こっちの紅葉も撮ってと指示しながら下り、折場登山口の駐車場に着いたのは4時5分でした。

駐車場でリュックを下ろし、登山靴を脱ぎ、手袋や帽子を外し、薄着になって、東屋に座り2号の下山を待っていました。

次女にお姉さんが下って来たら、その様子を写真に撮ってあげてと頼み、2号の姿を待ちました。

今日一日、15~20分歩いては、離れてしまった2号を待つを繰り返しましたが、大体3~5分で合流できていたので、30分一気に下って来ましたから、まあ遅れても5~10分かなと思っていました。

しかし、5分たっても、10分たっても、2号の姿が現れません。

だんだんこれは何かおかしいと思い始め、13分たった時点で遅すぎる!と思い立ち上がりました。

そうは言っても少し登れば、ゆっくり下りてくるか、足でも痛めて座っている2号に会えると思い、迎えに行こうと空身で登山道を戻り始めました。

しかし、少し登っても全く2号が現れません。

これはおかしい。

何か変だ。

私は「お姉さ~ん!お姉さ~ん」と叫びながら、もはや駆け足で坂を登って行きました。

行けども行けども2号の姿はなく、私は狐につままれたようです。

なぜ分岐もない、こんな分かりやすい尾根道で、義姉の姿が消えるのか?

神隠しにでもあったとしか思えません。

私の中で、最後に振り返って見た2号の姿が目に浮かびます。

あの男性。

あの男性はなぜ義姉に話しかけたのだろう?

もしかして私たちが先に行ったのを見て、何か悪いことを企んで義姉に話しかけたのではないか?

もしかしてあの後、義姉を崖から突き落としたり、首を絞めたりしたのではないか?

そんなことを想像し始めたら、そうとしか思えなくなり、標高差150Mの坂道をマッハのスピード(自分なり)で駆け上がりました。

尾根道には私のはぁはぁいう息づかいだけが響いています。

とにかくあの岩場まで戻らなければ!

この時も2号が道迷いをしているとは微塵も考えませんでした。

だって、道に迷うような所は無いのですよ。

尾根から登山口まで分かりやすい一本道なのですから。

辺りは少しずつ暗くなり、熊の活動時間になってきました。

東側の笹の森から熊が出てくるのではという恐怖心もあり、何度も大声で「お姉さ~ん!」と叫びながら、あの展望の尾根まで急ぎました。

義姉を最後に見た岩場につきましたが、義姉の姿はありません。

崖の下に落ちているのではないか、辺りの笹の中に横たわっているのではないか、青いリュックが落ちていないかと、辺りを探しましたが、人っこ一人いない静かな尾根でススキが揺れているだけです。

振り返ると赤城山方面に日が沈み始めていました。

この時が一番怖かった。

時計を見ると、時刻は4時38分です。

2~3分探していましたから、朝は30分かけて登った坂道を17~18分で駆け上がったことになります。

後で火事場のバカ力とはすごいもんだと思いました。

が、今はそんなこと考える余裕もなく、早く下らなければ、私も二次遭難してしまうという焦りが現れました。

体は走ってきたので寒くありませんが、手がかじかんできて、それも不安な気持ちにさせます。

スマホも持たず、ライトもなく、これで日が暮れたら、分かりやすい尾根道と言えども、ちゃんと下れるか心配です。

最後に姿を見た岩場まで戻ったのに、義姉に会えなかったということは、もしかして登山口の階段が2つあったから、水場の向こう側にでももう一つ最後の階段があって、2号はそこから下りて、私と入れ違いになったのではないか?

今頃下山してきた2号に次女が「おねぇちゃん遅いから、お母さんが迎えに行ったんだよ」と話しているのではないか?

もしかしたら次女が「お姉さん、下りてきたよ」と私を迎えに登って来ているのではないか?

とはいえ、もしも登山口まで下った時、そこに2号の姿がなかったら!?

そしたらまずは夫(2号の弟)に連絡して、それから警察に連絡しなければ!

携帯は圏外だったから、圏内になる所まで車を移動しなければいけないし、そしたら更に暗くなるし、急がなければ!

果たして日が暮れてから捜索してくれるのだろうか?

朝2号はビバークは嫌だといっていたけど、彼女はビバーク用のシートなど持っていません。

早くしなければ!

そんなことを考えながら、急いで下りました。

いつもなら右膝を痛めないように慎重に下る下り道ですが、この時はそんなことを考える余裕はなく、運動靴で駆け下りました。

すると、下の方から「お~い!」という声が聞こえてきました。

あ、やっぱりお姉さんは下山してたんだ、次女が迎えに登って来てるんだな、と思いました。

すると今度は「みほちゃ~ん!」という義姉の叫び声が。

あれ?次女ではなく、お姉さんが戻ってきたんだ!と思い、「お姉さ~ん!」と叫ぶと、「みほちゃ~ん!」と返ってきます。

少し下ると尾根道の真ん中にポツンと2号の姿が。

「良かった~!」とホッとするのと同時に私の頭は疑問符だらけになります。

なぜなら尾根に立つ義姉は、なぜかリュックを背負っているのです。

あれ?

下山してから私を迎えに戻ってきたのではないの?

不思議に思い、「お姉さん、どこにいたの?」と聞くと、「今まで道に迷って遭難しかけてたんだよ~(涙)」と。


えええええええええええええええええ~!

ウッソ~ー!

なんで?!なんで!?どこにそんな道に迷うような所があるのよ!?

一本道じゃん!

と言うと、「いやいや、分かりにくい所があったんだよ。それで右の方に行っちゃって、途中でやけに道が荒れてるなと思ってGPSで調べたら全然違う方に下ってたから、とりあえず道に迷った初めの所に戻ろうと思って、今戻ってきたところなの。黒いホースがあったから、あ、ここ通った所だ!ってわかったんだ」と言っています。

、、、、信じられない。

いや、そんな道に迷うような所じゃないよ。

なぜそんなことになるのだろう。

私には全く理解ができないです。

後に車の中で義姉に色々様子を聞いたことから想像するに、多分2号は足元だけ見て下ったのだと思います。

確かに少しだけ木の右を通るか左を通るか迷う箇所がありましたが、顔をあげて前を見ればちゃんと道が続いているのが明らかに分かりますから、普通は迷いません。

足元だけ見て進んで、そのまま何となく下ってしまい、いつの間にか尾根から外れていたのです。

早め(かどうかわかりませんが)に気がついて、日が完全に暮れる前に尾根まで戻って来れたので、事なきを得ましたが、もしも暗くなっていたら、尾根を見つけることもできず、そのままビバークする羽目になったことでしょう。

道迷いに気がついてから、2号も私たちの名前を呼んでいたらしいのですが、尾根を駆け上がっていた私の耳に届くことはありませんでした。

私が呼んだ声も聞こえなかったそうです。

人の声というのは、こんなにも届かないものなのかと驚きました。

2号のソフトバンクだけは電波が立っていたようですが、次女のドコモは圏外で、私のスマホはそもそも電池切れですから、通信手段もありませんでした。

2号は「今後は絶対一番後ろは歩かない!」と言っていました。

私はとりあえず笛を買ってくれと頼みました。

笛の音ならきっと届いたと思います。

今回の2号の遭難一歩手前事件は、リーダーである私のミスです。

下り道の賽の河原で2号が追い付くのを待っていたとき、「さっき道に迷いそうになったよ。道が二手に分かれていて、どっちに行くのかわからなかったの。」と言っていたのですが、次女も私もそんな所あったか?と思ったのですから、2号が普通なら迷わない所も迷うかもしれないということに気がつくべきでした。

尾根の真ん中辺りで待っていれば良かったです。

あるいは、2号も私たちとそんなに離れなければ、私たちの姿を探しながら進むでしょうから、前を見ていたでしょう。

私たちが置いてきぼりにしたので、下山する最後の一人でもありましたし(あの岩場の男性には追い抜かれていた)、完全な一人歩きとなってしまいましたから、余計に下ばかり見て歩くことになったんだろうと、後で思いました。

なので、私が姿の見える範囲にいなければいけなかったのです。

まさか、まさか、あの道で道迷いをするなどと、私の想像を超えていました。

「いやはや素人の判断力のなさ、恐るべし」と言うと、2号は「そうだよ!毎週の様に山に行ってるみほちゃんとは違うんだから!」とえばっていて、置いていったのが悪いんだぞ!とカッコ付で言われたような気がしました。

他の方のブログを読んだり、友人の話を聞いたりしても、崖から転げ落ちたりするのは、何てことはない場所で、なぜこんな所で?と思うような場所で起こるのだと、知識としては持っていたのですが、、。

まさか、まさか。

今まで2号が参加するときは、大体ハガレーナが最後尾を歩いてくれていて、ゆっくり歩く2号のフォローをしてくれていたのです。

山では何が起きてもおかしくないのだと思い知りました。

今後は何が起きても対処できるように、メンバーが見える範囲で行動するようにしたいと思います。

そして、参加率の高い晴れ女隊と他のメンバーで体力の差がついてきていることを良く考えて、参加メンバーによってルートを検討しなくてはいけないとも痛感しました。

今回は歩行距離17キロにもなり、累積標高差は900Mを越え、歩数は24000歩、歩行時間は8時間近く(次女と私が最初に下山した時間まで)にもなりました。

2号は風邪気味だったのに、あまりに過酷だったので、最後は疲れすぎて判断力が低下したのもあるのかなとも思います。

私も17キロ歩いた後に標高差150Mを駆け足で往復するというあり得ないチャレンジ?をしたので、帰りの車の中ではお昼のときの2号と同じように、ペットボトルの蓋を開けることができず、月曜日の仕事はほぼ死んでいました(涙)

尾根道で2号に再会した時、道に迷っていた事実を知って言葉を失った私ですが、「私(心配で)、岩場まで走って登って来たんだよ~(涙)」と言うと、2号は「アドレナリン出てたからじゃ~ん?火事場のバカちからっていうやつ?」と少し笑っていて、「笑い事じゃねえよ!どんだけ大変だったと思ってるの!」と思いましたよ。

まぁ、2号も相当怖かったと思いますし、心細かったことでしょうから、一人にしてごめんよとも(後で)思いました。

2号を連れて下山したのが4時55分頃。

次女が心配しているかと思い、駐車場に一人心配そうに立っている次女を想像していましたが、駐車場に次女の姿がありません。

一瞬今度は次女が遭難か!?と思いましたが、薄暗くなった駐車場に一台だけとなった車の中を覗くと、鍵をかけて後ろの座席で爆睡していました。

何度か窓をコンコンしないと起きなかったです。

まぁ、待ちくたびれたんだろうということで。

帰路についたのは、日もすっかり暮れた5時5分でした。

いやはや、色々に大変な一日でした。

ターボやハガレーナに今まで沢山助けてもらっていたのだと痛感しました。

一人で素人(自分も充分素人なのですが)二人を連れて歩くのは荷が重かったです。

リーダー失格ですな(涙)

反省、、\(_ _)


、、、その後、このブログを読んだ友人に「みほは自分が素人じゃないことを自覚すべきだね」と言われました。

一般登山者の中では素人ですが、世の一般人(素人)とは違うんだと理解し、自覚しなくてはいけないようです。

う~ん、難しい~(涙)


折場登山口0650~(30分)~弓の手尾根0720~(29分)~ツツジ平0749~(16分)~展望台0805(10分)~(2分)~賽の河原0817~(10分)~避難小屋0827~(9分)~賽の河原0836~(30分)~小ピーク0906~(40分)~小丸山0946(10分)~(14分)~避難小屋1010(17分)~(18分)~鞍部1045~(58分)~前袈裟丸山山頂1143(52分)~(44分)~鞍部1319~(15分)~避難小屋1334~(21分)~小丸山1355(5分)~(36分)~小ピーク1436~(29分)~展望台1505~(7分)~ツツジ平1512~(23分)~弓の手尾根の岩場1535~(30分)~折場登山口1605

全行程 9時間15分

(うち歩行時間 7時間46分)

※参考(標準CT 6時間10分)

パーティー 3名(2号、次女、私)


最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。