50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【長野、北八ヶ岳】無謀過ぎた計画。中級者向けの『天狗岳』へチャレンジ登山。最後は初ヘッデン登場のデンジャラストレッキング《前編》2018年11月10日(土)

《登山難易度 8》

東天狗岳の尾根からこんにちは。


今回先週訪れて天狗の奥庭から眺めた、北八ヶ岳と南八ヶ岳の間に位置する天狗岳へのチャレンジ登山です。

地図で確認すると行程は10キロ程、コースタイムは6時間弱、最大標高差は766Mなので、私たちでも何とか回って来れる許容範囲だなと思っていました。

このところコースタイム通りに歩けていたので、自分たちの力を過信していた事を、後で激しく反省することとなります。

ネットで調べると、日帰りで回ってきている人もいれば、黒百合ヒュッテなどに一泊する人もいて、初心者は一泊することをオススメしますとあったのですが、「初心者」という表現に、「私たちはもはや初心者ではないよね?もう50以上の山に登っているんだからさ」などという浅はかな考えで、「ま、晴れ女隊なら何とか行けるんじゃん?」と思い計画しました。

前々回の袈裟丸山での義姉遭難一歩手前事件で、友人に「みほは素人ではないと自覚すべき」と言われたこともあり、初心者はそろそろ卒業でいいのかなと思ってしまったという背景もあります。

私の計画では7時20分に歩き出し、午後2時半には下山して、唐沢鉱泉で入浴する予定でした。

もしもコースタイム通りにいかなくて下山が1~2時間遅くなったら入浴しないで帰ればいいよね、などと思っていたのです。

そんな事をお気楽に考えていた自分を殴ってやりたい、、、。

結果過去最長の歩行時間となり(なぜか歩数はそこまでではない不思議)、他のハイカーが皆テントや山荘でぬくぬくしているのを横目で見ながら、最後は山の中で恐怖の日の入りを迎え、初のヘッデン登場、真っ暗な山道をピンクリボンを探しながら歩くという、身も心もズタボロの一日となりました。

そんなお気楽隊にはそぐわないデンジャラス登山の始まりです。


自宅を朝の4時20分に出発しました。

今日は先週行った白駒池よりだいぶ走ってぐるっと回り込まないとたどり着けない唐沢鉱泉が登山口で、かなり長い道のりなので、コンビニには寄らないで行こうと思っていました。

しかしこの日は朝からついてなかったのです。

メンバーが一時停止違反で捕まるというアクシデントが発生(涙)

真っ暗な田んぼの中の見通しの良い赤の点滅信号ですよ。

他の車は全くいなかったのですよ。

パトカーはライトを消して暗闇で見張っていたのですよ。

ずるくないですか!?(この怒りはお門違いなことは重々承知しております)

あんな所、あの時間に、暗闇で見張っていたら、もう入れ食い状態でしょうよ。

バックミラーに、サイレンは鳴らさず、「止まりなさい」などとの呼び掛けもせず、じとっとついてくるパトカーのクルクルライトが見え、あ、さっきの一時停止、、となったのでした。

そのため、結局コンビニに寄った以上の時間がかかり、唐沢鉱泉に到着したのが7時半過ぎでした。

トイレ(一つしかなく順番待ちで少し時間を取られました)と支度を済ませ、7時52分、歩き出しました。

〈ここで既に予定より32分遅れです。〉

左手(唐沢鉱泉の前の道)は帰りに下ってくるコースです。

今回は右手に行き、唐沢を渡って行くコースです。

第一展望台 → 第二展望台 → 西天狗 → 東天狗 → 黒百合ヒュッテ → 唐沢鉱泉 という半時計回りコースで歩いて来ようと思っています。

まずは唐沢にかかる橋を渡ります。

ここから次の分岐(枯尾の峰分岐)までコースタイム1時間です。

緩急織り混ぜながら、徐々に高度を上げていきます。

辺りは北八ヶ岳らしい苔の森です。

シラビソの白っぽい幹が美しく並んでいます。

次の分岐まで右に左に向きを変えながら、標高差280M登ります。

一週間前に北八ヶ岳を歩いてから右膝が少し腫れていて、歩いている内に少し痛みが出てきました。

急坂で、右膝に体重をかけて身体を持ち上げる時に痛みが走ります。

いつも持ち歩いているサポーターを装着することにしました。

昔も昔、高校時代にバレーボールで痛めた古傷が、疲れたりすると痛み始めるので厄介です。

まだ登りが始まったばかりなのに、ちゃんと歩き通せるか少し心配になりました。

再び歩き始めます。

辺りは霧に包まれ、ハイカーに会うこともなく、とても静かな朝です。

駐車場で私たちより少し遅く着いた若い女性たちは違うコースを行ったのでしょうか?

大きな岩が現れました。

きついサポーターをしていて右膝を大きく曲げられないので、うまく登ることができず、膝をついて不恰好になってしまいました。

あー、先が思いやられます。

このコースも岩が多いのかなぁと少し心配。

この後9時4分に枯尾の峰との分岐を通過しました。

1時間12分かかりました。

コースタイムよりプラス12分です。

〈この時点で、予定より44分遅れです。〉

ここから第一展望台まではコースタイム50分です。

分岐からは前回のにゅうでも苦労した根っこロードになります。

歩きずらい、、(涙)

張り出した根は雨に濡れて滑りやすく注意が必要です。

登山道以外の岩は全て様々な苔でびっしりとおおわれ、豊かな水を蓄えています。

苔の先に何かがついています。

何でしょうか?これは?

ナメコみたいに見えますね。

もちろんナメコではありません。

私の虫メガネで苔を観察する二人。

展望のないきつい登りが続くので、苔を眺めて気を紛らわします。

坂道は延々続くよ、どこまでも。

なかなかに大変な急登です。

この辺りで風が時々強く吹き付けるようになり、木立が揺れていました。

枝についた水滴がハガレーナのうなじにピチャンと落ちてきたらしく「冷たっ!」と悲鳴をあげていました。

おっ、なんだか明るくなってきたぞ、もしや、第一展望台?

10時4分、見晴らしの良い場所に出ました。

これが第一展望台かしら?と思いましたが、標識はありません。

霧に包まれ視界もゼロです。

しゃくなげなどの小道に入り再び抜けると、

6分程で第一展望台に着きました。

時刻は10時10分です。

分岐からコースタイム50分のところ、1時間6分かかったことになります。

〈この時点で、予定より1時間遅れです。〉

アルプス展望を期待していましたが、残念ながら何も見えません。

ちなみに私の帽子と紺色のウインドブレーカーは初登場のワークマンです。

少し前から車の中で、「どうやら最近のワークマンはオシャレになっているらしい。女性客が増えていて、登山者にも安くてオシャレなアウターが人気らしいよ」という話題が出ていたので、ターボと二人で試しに購入してみました。

初登場で、そしてこれが最後になると思います。

やはり安いものは安いものなりなんだと良く分かりました。

そしてどことなくダサい(あくまでも個人の感想です)。

注意)もしかしたら北関東にはまだオシャレなワークマンが上陸していないだけかもしれません。

少なくとも山では機能性と丈夫さが一番大事なので、そこは譲れないと思いました。

尾根道なのに、うっそうとした苔の森が続きます。

しかも少し下っていく、、(涙)

まだまだ続くよ、坂道は。

いい加減嫌になってきて、お腹がグルグル鳴っているので、森の中でモグモグタイムです。

右側が大きく崩落した道を通り、再び森へ。

そして、ようやく第二展望台に到着です。

時刻は10時56分。

なんと、第一展望台から46分もかかってしまいました。

ガスガスですし、予定より遅れていますから、先を急ぎます。

げげげげげ。

私の想像では第二展望台辺りから展望の良い尾根歩きなのかと思っていましたが、森の中、再びの下りかよ~(涙)

しかも粘土質で超滑るぅ~(涙)

そして、鞍部からは、またまた歩きにくい岩と根っこの急坂です。

何なんだ、このコースは、、(涙)

いつになったら森林限界迎えるの?と思いながら登っていくと、、

11時19分、ようやくひらけた場所に出ました!

これから岩場登りが始まります。

ストックをリュックにしまって岩場登りに備えましょう。

どこまで続いているのか、霧で全くわからない岩場を登って行きます。

ハガレーナは岩場が大好きなので、途中から先に行ってもらいました。

三点支持どころか、私たちは膝も使い、肘も使い、四点五点支持で、ほぼ這い上がるように登りました。

ターボはあごも使っていたらしいです(どうやったら顎を使うことになるのだろう?相変わらず不思議な人です)。

おお、少し霧が晴れ、山頂が見えてきました。

山頂が見えてからも長かった(涙)

過去最高に長い岩場登りでした。

なんと34分間、岩場を登っていました。

山頂直下はガレた岩場になりましたが、大きな岩をよじ登る時間の長かったこと!

いやぁ、参りました。

やっと人の声が聞こえるようになりました。

11時53分、やっとこさ、西天狗山頂(標高2646M)に到着です。

〈予定より1時間43分遅れです。〉

地図では第一展望台から西天狗までコースタイム1時間と記載されていますが、私たちは1時間43分もかかってしまいました。

高見石やにゅうなどのわずかな距離の岩場なら簡単に登れますが、西天狗の岩場は骨が折れました。

これが八ヶ岳ってやつですか!

いやはや甘く見ていました。

ああいう所も上級者はスタスタスイスイ登り下り出来るのでしょうね。

これでも八ヶ岳の中では入門編の山なんですってよ!

多分私たちは八ヶ岳本体(?)には一生登れんわと思ってしまいました。

なのでせめて天狗岳からそのお姿だけでも拝みたい!と思っておりましたが、あいにくのガスガス(涙)

今日の予報は午前中曇りで午後から晴れとなっていたので、ちょうどお昼の時間帯ですし、ここでお昼休憩しながら、雲が晴れるのを待つことにしました。

食後の紅茶といつものターボの大福を食べて、片付けているところで、ハガレーナが突然「晴れてきた!」と叫び、目にも止まらぬ速さで立ち上がり、疾風怒濤の如く岩を飛び越えて走って行きました。

いや、ほんと、そのくらいの勢いでした。

雲が凄い勢いで流れ、隣の峰が見えてきました。

あんなに近くにあったんだ!

根石岳と簑冠山(みかぶりやま)です。

根石岳への稜線。

そして、そして、東天狗も見えてきました~🎵

東天狗から根石岳への稜線がキレイだ~!

ほんのわずかの時間でしたかが、重いカーテンが開き、薄いレースカーテン越しに隣の峰を見ることができました。

大変な思いをして登ってきた私たちに、「八ヶ岳を嫌いになるなよ」と、神様がチラ見させてくれたみたい(笑)

あんなもの見せられちゃ、嫌いになるどころか、八ヶ岳への憧れが募るばかりですよ。

もしも展望の良い日にここに来れたら、とんでもない絶景が待っていたのだろうと思いました。

12時44分、霧の中、東天狗を目指し歩き始めます。

すると再び南方面から雲が動き始め、目の前に根石岳山荘が現れました。

これから向かう東天狗への稜線も初めて見渡せました。

雲の向こうにわずかに八ヶ岳が見えた気がしたのですが、あっという間に雲が隠してしまいました。

それにしてもあの稜線、美しいですね~🎵

写真を撮ってばかりいては先に進まないので、歩き始めます。

天狗の奥庭から見たとき、とても気持ち良さそうに見えた西天狗と東天狗を結ぶ稜線です。

今日はガスっていて、残念(涙)

尾根左側のハイマツが見事です。

腕のいい庭師でもここまで美しく剪定することはできないでしょう。

自然の造型美。

東天狗までの登りは細かい石のガレ場です。

振り返って尾根を見たところ。

東天狗山頂が見えてきました。

午後1時10分、東天狗山頂に到着です。

西天狗から26分でした。

最初の計画ではお昼休憩は黒百合ヒュッテでと思っていましたから、西天狗でお昼休憩した今となっては何時間遅れだか計算しづらいのですが、とにかく大幅遅着です。

ガスが晴れれば八ヶ岳が見渡せるのだろうと思い、少し待ってみる?と話し合いましたが、雲が濃くなっている気がしたので、先に進むことにしました。

〈後で食事の時間を含めて計算すると、この時点で計画より1時間27分遅れになっていたことが分かりました〉


これからは長い下りになります。

恐怖の下り体験は後編にすることとし、ここで前編としてアップしようと思います。

後編では展望がひらけます!


続きは後編にて、、。

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