50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【読書】神様のカルテ(夏川草介)

こんにちは。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

読者感想6冊目は、またまた引き続き夏川草介さんの代表作「神様のカルテ」です。

10年前に櫻井翔主演で映画化されていますね。

観たことはないのですが😅

夏川草介さんの小説を2冊続けて読み、この方の会話運びの楽しさに惹かれています。

それなら自身最大のヒット作を読んでみなければと思い、アマゾンでポチッとなしました。

【神様のカルテ】夏川草介著(小学館)


《表帯》

超大型SPドラマ化!

主演福士蒼汰  清野菜名

テレビ東京系列にて2021年1月クール放送


《裏表紙》

栗原一止は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な29歳の内科医である。職場は常に医師不足、40時間、連続勤務だって珍しくない。

     ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい、、、。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。2010年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化!


、、、、おおおお、読み終わった今だと、この裏表紙に全てが書かれていたんだと思いました😅

要約するとこういうお話でした。


📖📖📖📖📖📖📖📖📖📖

地域医療に携わる若き医師の奮闘と、大学病院と地域医療の役割の間で揺れ動く主人公の迷いを描いています。

というか、ほぼ揺れ動いてはいなくて、地域医療に携わり続けるという結論は初めから一止の中に決まっていて、その理由を探す日々を描いているといった方が正解な気がします。

ストーリーもですが、私はやはり会話のキャッチボールと、主人公の独り言に作者のユーモアを感じて、今回の付箋紙はそんな楽しい場面に貼り付けました😁

地方病院では夜間内科医が外科の患者を診ることもあるし、またその反対もしかりです。

しかし患者が専門外の名札を見ると不安を感じるため「救急医」という名札に付け替えるのだとか。


『もちろん名札がどんなに見事に変わっても、さげている人間は日中と同じ内科医である。慢性的医者不足のこの町では、外科でも内科でも耳鼻科でも皮膚科でも、ひとりの「救急医」が診察を行う。それで良いのかと問う声もあるだろう。むろん良いわけがない。しかし、これもまた地方病院の現状なのである。

世の中というものは、こうやって回っているのだ。

そして回り続けて、自分がどっちを向いているのかわからなくなっているのが、今の世間というものだ。こういう時、自分だけ回るのをやめると世人からは変人扱いされる。別に変人扱いされたところで私はなんら痛痒を感じないが、細君には迷惑をかけたくないので、とりあえず一緒に回ることにしている。きっと世の中のほとんどの人間がそうやってぐるぐるぐるぐるやっている。いろんな不満や不安をかかえながら、ぐるぐるぐるぐるやっている。』


コロナ禍の今の日本人は、このどっちを向いているのかもわからなくなっている、、という表現がピタリと当てはまりますよね。

集団メリーゴーランド状態ってことですか!?

そんな中でひとり立ち止まると、いきなり世間から奇異な目で見られ、回転から弾き飛ばされるのが今の世の中ということなのでしょう。

ちゃんと目標、目的、到達点を見定め、俯瞰できる人になりたいと思いました。

そんな簡単なことじゃないのはわかっていますし、私も回転から弾き飛ばされないように必死に木馬にしがみついてることしかできない人間であることも自覚しています。

それでも時々立ち止まって、自分の立ち位置、そして進むべき「正しい道」を見定める。

それが必要であることを知っている事が大切な気がします

山登りではいつもやっていることですしね。

主人公の名前「一止」は、そんな「正しい道」を探しながら生きる若き医師の物語でした。


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