50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【読書】始まりの木(夏川草介)

こんにちは!。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

読書感想4冊目は、シリーズ330万部突破のベストセラー「神様のカルテ」の著者「夏川草介」の作品です。

神様のカルテは読んだことがなく、私にとっては初めての作家さんでした。

本屋に寄った時に新刊として平積みされていて、帯の台詞に惹かれて購入しました。


【始まりの木】夏川草介著(小学館)


《表帯》

神様を探す二人の旅が始まる。

ーーー少しはがり不思議な話を書きました。木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です。ーーー夏川草介


《裏帯》

自然に大いなるものを感じ、命の在り様を思う。諦観の底に光を見ている夏川さんらしい美しい物語です。ーーー上橋菜穂子さん

『藤崎、旅の準備をしたまえ』

生きるとこ、学ぶことの意味を問う、新世紀の[遠野物語]。

『これからは、民俗学の出番です』


第一話『寄り道』青森県弘前市、嶽温泉、岩木山

第二話『七色』京都府京都市(岩倉、鞍馬)、叡山電車

第三話『始まりの木』長野県松本市、伊那谷

第四話『同行二人』高知県宿毛市

第五話『灯火』東京都文京区



私の気になるキーワードが満載の帯でした!

神様を探す旅、木と森、美しい物語、上橋菜穂子さん、民俗学、そして伊那谷、、。

私の琴線に触れる人と土地と言葉たち。

これは面白そうだ!と思ったわけです。


📖📖📖📖📖📖📖📖📖📖


この作品も素晴らしかったです。

毎度同じようなチンケな表現しか出来ず情けないのですが、、。

毒舌の古屋准教授に言わせたら『平凡な意見だが異論はない』となるでしょう😅

私がどれだけ感動し、共感し、学びを得たかは、この付箋紙の数を見ていただければ分かるかと、、。


ピンクは民俗学とは何ぞやが分かりやすく語られた部分、、

黄色は豊かな自然を巧みに表現していた箇所、、

水色は主人公『千佳』の無能さを自分に重ね合わせた場面です。

古屋准教授のゼミの大学院生である千佳は平凡な頭脳の持ち主で、古屋准教授に「からっぽの頭をいくらひねっても意味はない。水道を止められた家で、風呂に入ろうとするようなものだ。蛇口をひねること自体に間違いがある」と言われます。

おおお、正に私と同じじゃないか!と激しく共感😅

頭脳明晰で知識に溢れ洞察力豊かな人間になりたいと思いつつ、私は自分の中の空っぽさに呆れる人生を送っているのですから。

生まれながらに持った限界のようなものに悲観的になる瞬間も多々あります。

でもね、その空っぽも悪いことばかりではないのですよ。

千佳は感じることができるヒトだからです。

そして、それは私との共通点でもあります。

千佳は言葉の豊かな響きを感じ、人々の願いを感じ、師の孤独を感じ、巨木の不可思議な迫力を感じることができる人なのです。

一番印象的だったのは、伊那谷の農家の巨木を師と共に訪ねた時の出来事。

「ここから、私の民俗学は始まったのだ」という師の言葉により、千佳の感性が最大限に開いていき、目の前の大木がさらに一回り大きくなって見えた、、と描かれています。

これと似た体験を私もつい先日しました。

浅間山からの下山途中、朝から午後まで見事に見え続けていた富士山を見て、「ホントに今日は素晴らしいね!富士山がずっと見えてる!しかも朝より今の方が大きく見える!富士山、確実に近づいてない!?」と言うと、男衆に「それは、ない!」と切って捨てられました😅

あれは私の感性が絶景の連続に最大限に開いて、そう見えたに違いない!、、と思っております。

ちょっと違うかな(笑)

でもいいのです。

私はそう感じた。

それだけでよいのです。

他にもありますよ!

東秩父の君八山に登って当日は名前が彫られてなかった氏神様に、スマホ紛失事件の後でお礼参りに行った際、ちゃんと「道祖神」というお名前を見つけたこととか!

https://okiraku.muragon.com/entry/382.html

⏫その時の記事はこちらです。

あるんですよ不思議なことって。

日本人は無宗教だとか、神を信じるか信じないかとか、よく言われるけど、神は信じるものではなく、感じるものという台詞は、目から鱗でした。

神とは自然を慈しんだり、人への尊敬の念を抱いたりする心の在り様そのものなのだと、この本は語ります。

そうなのよ、私もそう思ってたのよ!

うまく表現できてこなかったけど😅


『巨木を敬い、巨岩を祀り、巨山を拝して、自らを世界の一部に過ぎないと考えてきた日本人の感覚は、完全に消え去ったわけではない。今もそこかしこに確かに息づいて、人の心を支えている。だからこそ、、、だからこそ、この国は美しいと思うのだよ


、、、震えますよね、この言葉の響き。

亡びゆく日本人の感性に再び神を感じる心の豊かさを取り戻しましょう!

さあ、これからは民俗学の出番ですよ。

二人の旅はまだまだ始まったばかりです!

「藤崎、旅の準備をしたまえ」

私も大自然に圧倒され、沢山の神を感じ、素敵な人々と出会うため、これからも旅を続けます😊


最後に、作品内に出てくる伊那谷の大柊をネットで検索していたら、夏川草介さんと上橋菜穂子さんの対談がヒットしたので載せておきます。⏬

https://shosetsu-maru.com/special/storybox/uehashi_natsukawa/2


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