50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【埼玉、神川町】2020年5月《特別休暇45日目》

金鑽御嶽城趾、巨大な切岸の前から、こんにちは。


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。


先日ハガレーナと訪れた御嶽城趾をターボと再訪することにしました。

岩山からゴルフ場の下に林道が見えたので、その林道から岩山を見上げてみたいと思いましたし、まだ歩いていないルートを歩いて新たな発見があるといいなと思ったからです。

御嶽城趾は範囲は小さいものの、またまだ面白いものがありそうな予感がするのです。

昨日は一日雨が降っていたので、濡れた草の中に入ることを想定して、久しぶりにゲーター着用で出かけました。

さぁ、どんな冒険が待っているかな?

怪我にだけは気をつけて行ってきます!


☘️5月22日(金)

~ 御嶽城趾再訪で、沢山の遺構を発見するの巻 ~

今日も金鑽神社の清々しい境内からスタートです。

瑞々しい緑に赤い欄干が映えます。

拝殿の前で、礼を尽くします。

「今日もお世話になります。怪我をしないように見守ってください。よろしくお願いします🙇⤵️」

お山が御神体の金鑽神社。

社殿はなく山に向かって扉があるのみです。

拝殿はガラス張りで、外の光を存分に集め、御神体の緑に包まれています。

ここは本当に気持ちがいいです。

鏡岩や岩山に行くには右の階段ですが、今日は真っ直ぐ進んで、蓮池から林道を登ってみようと思います。

古い砂防ダムです。

ここもとても良い雰囲気です。

初めて来たターボが「こんなところがあったんだね~。素敵だね~」と嬉しそうでした。

法楽寺跡までやってきました。

1280年から明治初年まで栄えた!?

すごい歴史ですね。

なぜそのあとなくなってしまったのでしょう?

その方が気になる。

調べたところ、1872年(明治5年)の太政官布告(修験道廃止令)により廃寺となったようです。

蓮池側の木道を通って林道に戻ります。

林道(車が走るのでしょうか??)を登って行きます。

私たちはこの林道が直接ゴルフ場に向かっているのだと思っていましたが、すぐに峠になるようでした。

峠からは神川町の奥の方が微かに見えていました。

ゴルフ場は左手の山のようです。

岩山を確認できないまま道は下りになり、ゴルフ場へ向かう車道に合流する辺りで右に入る道がありました。

草ボーボーですが、広めの平らな道です。

分岐が出てきました。

左手に行くとわたるせ登山口で、真っ直ぐ行くと秋葉神社があるようです。

真っ直ぐ進んでから山に入るルートを歩きたいと思っていました。

そうすれば先日ハガレーナと歩いた尾根(スズメバチに警告された場所)に至るのだと思うのです。

しかし、前の道を見てみるととても草が深かったので、マムシを警戒して、今日は右手に登ってみることにしました。

ピンクテープが設置された歩きやすい道でした。

夫婦の桐が現れました。

幹がとても太いです。

こんな桐を見たのは初めてです。

樹齢200~300年はたっていそうですよね。

シダ植物の上に桐の花が落ちていました。

祠があったらとりあえず手をあわせておく私たちです。

コロナ禍になって、山登りに批判的な意見がある中で、絶対に怪我をすることは許されないので、とにかく「怪我をしませんように、お守りください!」

これだけを毎回念じています。

峠のような、横堀のような場所に来ました。

庚申塚の石碑がもたせかけてあります。

真っ直ぐ行くのが通常ルートなのだと思いますが、私たちは左手に行ってみようと思います。

古いお墓を過ぎると、まるで土塁のような場所が現れました。

やはりさっきのは横堀だったのではという気がしてきます。

そして少し行くとまるで竪堀のような場所になりました。

通常ルートは右手に真っ直ぐだと思いますが、ちょっと堀に降りてみたいと思います。

右手の岩壁と、

左手の岩壁。

そしてその間が窪んでいるのです。

これは人の手で削られた堀なのではないか?と思ってしまいます。

しかし、ここは余湖さんの縄張り図には記されていません。

城趾にかぶれて、自然の岩場も城趾のように見えてしまっているだけなのでしょうか?

気になるので、通常ルートではなく、左手の岩場を登ってみることにしました。

登った先は尾根でした。

振り返ると、

これはどうみても堀なんじゃないの~?

左手にクランク状の横堀からの竪堀が、右手に竪堀が見える気がするのです。

藪になってきましたが、先に進んでみます。

藪で見えにくいですが、地面は曲輪のように平らなのです。

そして目の前に切岸が現れます。

これ、絶対城趾だって!

藪をかき分け、切岸の右手から登ります。

登った先は右も、

左も藪、また藪でした。

特に左手は洋服や帽子に絡まりつくイバラの藪で、中に入ると身動きが取れなくなります。

仕方なく右手から登ります。

雨上がりでとても滑りやすいので、慎重の上にも慎重に。

すると登った所に祠がありました。

ここに人が来ていたということですよね。

かつては道があったのでしょう。

場所はこの辺りです。

ヤマップにはもちろん道は載っていませんし、余湖さんの縄張り図でもここは空白です。

西に伸びる二本の尾根と南東に伸びる尾根の間の南側尾根に乗っているようです。

平らな場所(曲輪に見える)と岩の崖(切岸に見える)を繰り返しています。

左手から回り込んで行きます。

またまた岩の壁。

こんなに垂直なのです。

これ、切ってあるんじゃないんですかね?

ここも左手から回り込みます。

二人の役割分担としては、私が遠くから地形を眺めて、どっちに行くか提案し、ターボがその方向へルートを探して登るというスタイルです。

ターボにこの斜面がいいんじゃないかと私が提案し、ターボが根っこを持ったり枝を掴んだりしながら登ります。

そして後から登る私にそこの枝を持つといいとか、そこは滑るよなどとアドバイスしてくれるという役割分担になっています。

言うなれば、私は参謀でターボは切り込み隊長的な?

足元の見えない草藪だけは、ターボが蛇を苦手とするので、私が参謀兼切り込み隊長となります😁

登った先は本物の(?)尾根でした。

下を覗いてみると、崖の反対側にロープがあり、こちらが正規のルートだったことがわかりました。

先ほどの竪堀(?)を左に来ないで右手から登ればもっと楽にここに来れたのかもしれません。

ちゃんとしたルートに乗って一安心。

するとすぐに分岐が現れました。

私たちは左へ行きます。

するとすぐに先日ハガレーナと歩いた竹で補修された道になりました。

うんうん、思い通りに歩けています。

すぐに分岐になりました。

右に行くと山頂なので、左へ曲がり「秋葉神社へ」という方向へ。

先日ハガレーナと歩いたルートを逆に辿る作戦なのです。

つまり、山頂から南西に伸びる尾根(4郭)に乗ったということです。

すぐに堀切4が現れます。

そして、細長い5郭を緩やかに下り、

堀切5への急斜面を慎重に下ります。

高低差7m以上のこの城最大の堀切です。

堀切5の対岸の土塁に立ったターボが、ロープを頼りに慎重に下るわたしを撮影しました。

いかに急坂かがお分かりいただけるかと。

でもここは意外と滑りません。

土塁から郭6を見たところです。

今日はこの先には行かず、西の尾根と南西の尾根(今いる場所)の間にある三日月型の曲輪を経由して、西の尾根に乗りたいと思います。

三日月型の曲輪の上の段を歩きます。

ここは草藪なので、

私が切り込み隊長です。

その後は蔦の森を体を屈めて歩きます。

藪っぽい森を抜けると、左手には曲輪が見えてきました。

進行方向には巨大な岩があります。

右手を見ると、これまた巨大な切岸です。

あの上が3郭で、自然の岩を利用した城壁になっているのです。

前回ハガレーナと来たときには3郭からここまで下ってきて、そのまま三日月型の曲輪に向かったのでした。

今日は前方に見えているあの巨岩の下側に回って、下からあの岩を眺めてみたいと思います。

落ち葉が濡れて滑りやすいので、ゆっくりと足場を確保しながら斜めに下って行きました。

間もなく岩場の下に出ます。

岩の下に行くと、あれ?あれは何だろう?

大きな洞窟のようなものが見えてきましたよ!

先を行く私が「何か穴が空いてる!」と叫び、先を急ぎたい気持ちを抑えつつ、滑らないように進みました。

なんだ?なんだ?あれは!?

要塞なような岸壁に、まるで入口のような穴が穿たれています。

大きさを比べるためにターボに岩の側に近づいてもらいました。

ターボが穴の前に立っています。

この大きさの違い!

どれだけこの城壁のような切岸がドでかいものかがお分かりいただけるかと。

私も穴の側に向かいます。

壁の側に寄って左手を見たところです。

この角度!この滑らかな切断面!

すごいです。

穴の前に立ち、上を見上げたところです。

そして、正面から見た洞窟と石碑。

いや、石碑ではなく、上から落下した岩盤なのだと思うのですが、まるでこの石碑を安置するために作られた洞窟のように思えて仕方ないのです。

岩にはりつき、岩盤が穴のどの部分から落下したのか、観察しているところです。

いやぁ、すごいものを発見してしまいました。

誰かのブログに登場してたのかな?この不思議な穴の存在。

この発見が嬉しくて、遠くからも何枚も写真を撮りました。

私たちは藪とイバラと岩の道を無理やり辿ってここに来ましたが、普通に山頂から北の尾根に下り、そこから西に慎重に下ればこの場所に来ることができます。

これは是非御岳山に登ったら見て欲しい知られざる絶景スポットでした。

巨岩の左手から3郭に戻りたいと思います。

登った先は曲輪&切岸でした。

ここでもターボがどっちにする?と言うので、「左から行ってみよう」と提案します。

左手に回り込むと、岸壁が丸く弧を描いていました。

北側に回り込んだ形です。

すると少しなだらか(とはいえ結構急勾配です)になり、その上にまた切岸です。

斜面をジグザグに登ってたどり着いた場所は横堀でした。

土塁を回り込むと、

こちらにも横堀が。

ここは二重切堀なのではないでしょうか?

二重切堀(と私が思っているだけかも知れませんが)の上の堀を歩いて、登れる場所を探します。

岩の間にわずかに登れそうな斜面が。

左をみても、

右を見ても、立派な切岸のように見えます。

ターボが登りきりました。

私も後に続きます。

張り出したわずかな根っこを持ったり、左の木に膝をついたりして、何とか登りました。

そして、また登ります。

再びの切岸です。

もう、コンクリートの塀だと言ってもいいくらい、真っ直ぐに切り取られています。

左手から回り込み、最後の斜面を斜めに登りました。

3郭に乗り、山頂に向かいます。

堀切3です。

最後の急坂を登り、山頂(1郭)にやってきました。

本郭から各尾根に郭や堀がもうけられていると書いてありますよね。

やはり、私たちが乗った南の尾根も曲輪や竪堀、そして切岸だったのではないかと思いました。

まだ歩いたことのない方へ下ってみます。

しかし、ほんのわずかで次の分岐に。

さっきはこの分岐を秋葉神社方面へ下った(南西の尾根)ので、今度はわたるせ方面へ(来た道を逆に辿る)。

女坂を通ります。

すっぱりと切り取られた岩の側を通ります。

私はどうしてもここが気になります。

ここはかつての虎口だったのではないでしょうか?

城趾めぐりを始めてまだ1ヶ月もたたないド素人の考えですが。

振り返るとL字型に岩が切断されているように見えるのですが、どうなんでしょうね?

南東の尾根に乗りました。

左を見ると山頂直下の堀切2です。

私たちは右に行きます。

細長い郭7を歩き、

堀切1に下ります。

堀切1の土塁の横にターボが立っています。

更に下ると、石仏が現れました。

そこからすぐに東郭に到着です。

真っ直ぐ奥に進み、岩場を登ります。

苔むした岩はとても滑りやすいです。

先日はハイカーがいたので撮影できなかった岩山の全景です。

ターボが祠(金鑽神社の奥宮らしいです)にまたまた怪我をしませんように、とお願いしていました。

久しぶりのターボが岩場に登ります。

護摩壇に立ったターボ。

今日は霞んでいるので、展望はこの程度です。

私は今日は登らずに下の岩場から眺めを楽しみました。

南側にあるゴルフ場の下に見えるあの林道。

あそこに立てばこの岩場が見えるはずなのです。

「やっぱり見える場所があるはずだよ。あの道に下ってみようよ。」と提案しました。

こちらは鏡岩方面へ下る階段ですが、今日はこちらには下らず、

わたるせ方面へ階段を下ります。

こちらの道にもチップが敷かれとても歩きやすいです。

なんと気持ちの良い道でしょうか。

あえて変な道を選ばなければ、とても快適に登れる山なのです😁

分岐が現れました。

ヤマップで確認すると、真っ直ぐ行くと法楽寺跡地(蓮池の所)に出るようです。

私たちはあの林道を下ってみたいので、右の道にはいりました。

シャガに雨粒がついてとてもきれいでした。

わずかに登ると、

峠のような場所に出ました。

あれ?ここは朝歩いた場所だよね?

確か右手に庚申塚があったはずなのに、ない!?と思ったら、

朝登ってきた場所に反対側からやってきたのでした。

庚申塚以外の全てが同じ(左手に道があって、その先に石碑が倒れているところまで同じ!)なので、何だか騙されているような変な気分になりました。

夫婦の桐の横を通ります。

こんなにきれいな竹林があったのですね。

登りでは気がつきませんでした。

広い草ボーボー道を辿り、

ゴルフ場へ向かう車道の左にある林道を登ります。

峠を越えるといつ岩山が見えてくるかと気にしながら歩きました。

両側に丁寧に石が並べられている道です。

あっ!見えました!岩山!

えええええ、あんなに低いところにあったのかーーっ!

上から見る大展望からは想像できない小ささというか、低さというか、、😅

もっと雄大な景色を想像していたので、そのこじんまりさに笑ってしまいました。

しかも!

驚いたことに、蓮池のわずか数メートル奥から、既に岩山が見えていたのでした。

わざわざ林道を向こうまで歩いてみなくても良かったんだとここで知ったのでした😅

緑いっぱいの道を下り、

金鑽神社まで戻って来ました。

金鑽神社は、全てが清らかで研ぎ澄まされたような透明感と潤いのある神社です。

神社の透明感とは対称的に、御嶽山城趾は藪と岩と落ち葉の急坂と格闘するデンジャラスワンダーランドでした。

縄張り図に載っていない場所の方が面白かったです。

転ばないように、道に迷わないように、ルート選びを間違わないようにと、絶えず緊張した状態でしたが、そんなスリリングな体験の先に、謎めいた隠れた絶景ポイントが待っていてくれました。

イバラさえなければ、もっと別のルートも歩けたかもしれません。

御嶽山城趾、面白いです!


いつも応援いただき、ありがとうございます。

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