【埼玉、神川町、児玉町】小説「鉄塔武蔵野線」を読み終わりました!2020年5月22日(金)
西上武幹線No.151の結界から、こんにちは!
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
昨日の夕方、待ちに待った小説「鉄塔武蔵野線」が我が家に届きました!
鉄塔ファンのバイブル的存在で、この一冊で「鉄塔文学」というジャンルを確立した名著と言われています。
(まぁ、つい一週間前に知ったのですけどね😅)
夏休みの終わり頃、小学5年生の見晴と、3年生のアキラが、2日かけて武蔵野線(鉄塔)を遡った笑いあり涙ありの冒険小説です。
第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、1997年には映画化もされているのだとか。
昨日の夕方から夜、そして今日の午後の時間で、少年たちと共に鉄塔をめぐる冒険の旅に出かけました。
ひとつひとつの鉄塔の表現が巧みで作者の愛が溢れていて素晴らしかったです。
鉄塔に電流が流れ込むのを防ぐための碍子(がいし)の棒状連結体(碍子連)が前後に開いている女性型鉄塔を見て、碍子連の先端どうしを結ぶ電線(ジャンパー線)の丸い膨らみから、睫毛の長い女性の大きな目を連想し、中背の高さから、可憐な少女がはにかんでいるようだと表現します。
碍子連が下に伸びた男性型鉄塔の中でも、V吊タイプの赤白鉄塔を見て、「仮面をつけたようなその容貌からは残忍な印象が漂い、悪意が隠されているように感じられてならない」と綴ります。
少年「見晴」はパイプ状の鋼管で組み立てられた鉄塔が嫌いなようです。
「鋼管の垢抜けしない形状は、鉄塔に具わるべき緊張感を奪い、鋭敏な構造美の成立を阻む」と感じています。
部材は等辺山型鋼であるべきと。
見晴は鉄塔の脚を支える基礎コンクリートの角柱によって囲まれた正方形の領域を「結界」と名付けました。
そして、その結界の中に立ち見上げた時に、すじかいの2方向に張り渡されている対角材と鉄塔の頂点とが正確に重なって見える位置を結界の中心と呼びました。
(冒頭の写真はその位置から撮影したものです)
鉄塔がどの角度から見た姿が最も美しいのかといつも観察していた見晴は、鉄塔を真横から見る角度を「蛹(さなぎ)点」と名付けます。
男性型鉄塔においては、真横から見た場合には柱材間に腕金と碍子連が完全に没して「蛹」のように不気味に見えるからです。
女性型鉄塔においては、同じ段の碍子連とジャンパー線が手前と奥とで重なって見える「蛹点」が最も心地好いと言います。
他にも見る方向によって表情が変わる「にこにこ角度」や「横目の角度」なども現れます。
変電所の近くにあるごちゃごちゃして変な形の鉄塔のことは「婆ちゃん鉄塔」と呼びました。
ごちゃごちゃして(多分シワみたいに見えて)婆ちゃんみたいだからです😅
他にも、腕金が逆さになったり斜めになったりてんでバラバラの奇異な鉄塔を「怪獣鉄塔」と呼んでみたり、
男女混合型を女性騎士型と呼んだりします。
男装した女性のように毅然として審美的だからです。
これには私も膝をうちました。
確かに、そう見える!
鉄塔を愛してやまない主人公の繊細な感性と発想の豊かさに感動し、読んでる私は顔がニヤケっぱなしでした。
面白い!
これから出会う鉄塔たちが、どんな表情をして、どんな立ち姿なのか、そして、それを最も美しいと感じる角度はどこなのか?
もちろんその鉄塔から放たれた送電線がどこに向かっているのかも含めて、今後自分の鉄塔と送電線を辿る旅の楽しみが何倍にも広がった気がします。
今日の午前中はターボと御嶽城趾に行って来ました。
(ブログはこの後まとめます)
岩山から見えた鉄塔です。
今日は曇り空で、視界が悪かったので、遠くの山は良く見えず、鉄塔の観察ばかりしていました。
見えているのは先日天神山城趾からの帰りに見た雨乞山と陣見山の間を抜けている送電線です。
ヤマップで送電線を辿ってみます。
わかりますかね?
陣見山から雄大に伸びやかに下ってきた送電線は、赤白の鉄塔を介して、群馬県境の川を渡り、藤岡方面へ続いています。
あの赤白鉄塔群がバトンを渡して行った送電線がどこに送られているのか(正確にはどこから送られて来たのか)は、先日確認済みですが、今日も一応チェックします。
行き着く先はやはり藤岡の変電所でした。
ヤマップの地図は優れものなのです。
今いる場所から画面をスクロールすれば、日本中どこまでも繋がった巨大な地図なので、送電線を慎重に辿っていく事ができるのです。
実際の送電線とは異なり、地図上の送電線は細く心もとなく、縮小すると(縮尺率を上げると)すぐに消えてしまうので、老眼にはなかなか厳しい作業なのですけどね😅
しょっちゅう、あれ?送電線が消えた!と思うと、道路や線路と重なって少し先から曲がって現れたりします。
今回探した送電線は比較的分かりやすく、すぐに藤岡の変電所に到達していました。
送電線の横にある点(:)は鉄塔を表していますが、正確な位置ではなく一定間隔に配置されているようです。
必ず鉄塔が立っているはずの送電線の曲がり角に点々表示がありませんのでね。
とはいえヤマップは、見晴たちが送電線の先に秘密の原子力発電所があると信じて、自転車に乗って泥々になりながら辿った最終目的地の答えを(画面の上でですが)知ることができる、夢のような(夢が無いようなとも言えますが😅)道具なのです。
岩山から鉄塔を眺めていて違和感を覚えました。山から下ってくる鉄塔の間には送電線が見えるのに、
そこから先、群馬に向け真っ直ぐ続く鉄塔の間に送電線が見えないのです。
どんなに目を凝らしても送電線が見つかりません。
何故だ!?
新しく出来たばかりでこれから電線を設置するのでしょうか?
ヤマップには既に送電線が載っているのに?
これは確かめなくてはいけません。
下山したあと、目の前にあるあの赤白鉄塔を見に行くことにしました。
目指す鉄塔が見えて来ました!
あれ?
送電線、ちゃんとある!
えええええ、なんで山の上からは全く見えなかったのだろう?
それもまた不思議です😅
霞んでいたのと光の加減なんですかね?
とにかく送電線はちゃんとありました😁
ところで上の写真、もしかして蛹点じゃないですか?
男性型鉄塔を真横から見た形で、送電線を支える鉄腕や縦に伸びる碍子連が鉄塔の骨組みと重なっています。
やった、やった、蛹点発見!😁
金鑽神社方面から児玉に向かう車道からは赤白男性型鉄塔の蛹点が見えます!
まぁ、この情報を聞いて一体どれだけの人が「おおぉ~⤴️」となるのかは甚だ疑問ですが💦
角度を変えているこの鉄塔も気になるけど、、
今日はこっちの鉄塔を見に行きます。
手が12本ある4回線の男性型鉄塔です。
見晴が邪悪なイメージを持った垂直型碍子連V吊りタイプです。
この角度からだと、私には意地悪な三角の目を3つ持ったムカデ状の怪物に見えます。
近づくにつれ角度が変わって来ます。
この角度から見ると、胴体内部の鋼材が不規則に重なり合って、プリズムのような爽やかさを感じます。
下から見上げた蛹点!
一本の矢のように空に向かって突き上げています。
横から見るとひしゃげた帽子の形の頭が真横下から見ると尖っていて、まるで発射寸前のロケットみたいですね。
青空だったらもっとカッコ良かったことでしょう。
赤白鉄塔の立つ丘に登って来ました。
目指す鉄塔の側までやって来ました。
ショベルカーがある砂利置き場と畑との間にそれはありました。
胴体内部の幾何学的模様が楽しい!✨
雑草の揺れる畑地の端に立っていて、結界は清潔なコンクリートで固められています。
足元は丸いコンクリート製の支柱で固定されていました。
より怪獣感が増しますね。
こんな足のロボットがいたような気がします。
結界の中に足を踏み入れます。
鉄塔の脚は見晴の嫌いな鋼管ですね。
大きな鉄塔はこれでないと支えられないのでしょう。
広い結界の中で、その中心を探している私です。
私の大きさと比べると、いかにこの鉄塔が巨大なものかが分かりますよね。
鉄塔内部に張り巡らされた対角線の鋼材と天辺が十字に重なる場所、ここが結界の中心です。
見晴たちはここにピラミッドのようなパワーが集まると信じ、この下の地面に記念のメダルを埋めていくのですが、私たちは下から眺めるだけ😅
正に万華鏡のような美しさです。
ここに立ち入れたのは幸運でした。
フェンスに囲まれたり、工場の敷地内だったりしたら、立ち入ることはできませんから。
太い鋼管の脚に「西上武幹線1」「児玉線2」の文字がありました。
この意味はなんでしょうか?
上の6本の腕(2回線)が上武幹線1で、下の短めの6本の腕(2回線)が児玉線2だと言うことですかね?
それにしても、長い足を下のコンクリート台に埋め込んだ鋼管に固定させているこのボルトの大きさを見てください!
この時は上ばかり眺めていて気がつきませんでしたが、多分直径10センチ以上ありそうですよね。
北西に位置する(藤岡変電所に近い方)脚にこの鉄塔の名前が掲げてありました。
その名は「上武幹線No.151」。
「No.151」!?
この送電線の出発地までまだ150の鉄塔があるということ!?
だとしたら、起点は藤岡変電所ではないかもしれませんね。
更に奥の発電所からやって来ているのではないでしょうか?
遥か遠くから空を旅して来ている送電線だということです。
この鉄塔の生まれは平成17年5月。
その高さたるや、133Mですって!
丘の上に立っていますし、すごい高度から次の平地に立っている鉄塔に向け一気に送電線を放っている、、いや、逆ですね。
平地からこの鉄塔に向け力強く引っ張りあげているということになります。
その重量たるやどれだけのものでしょう。
これだけしっかりした足場にしないと到底耐えられないということなのでしょうね。
鉄塔下から「No.152」を見たところです。
「No.152」で送電線は角度を変え、陣見山を越えて行くため次の鉄塔に向かっています。
この角度からら見ると、同じ長さに見える腕金が上下で微妙に異なっていることがわかります。
万が一送電線がたわんだり切れたりした時に下の送電線に触れるのを避けるためです。
ラインマンが登るためのステップもすごい数です。
碍子の数を数えてみました。
20個!
ということは、(20-2)×20=360kvということですかね?
この辺のところはまだ良くわかりません。
この角度から見ると鋼材が縦横無尽に入り組んで、まるでスパークしているようにも見えるし、分子の構造式のようにも見えますね。
鉄塔に入る所に桐の巨木があったので、コラボさせてみました😁
これは帰りに国道から撮影した別路線の鉄塔群です。
スッキリとしたスタイルの典型的な男性型鉄塔から伸びる送電線は、
この3連碍子のつけまつ毛でお化粧した女性型鉄塔が受け取っていました。
名前を見ようと思ったけど、走る車窓からでは限界あり(衰える動態視力(涙))、わかりませんでした。
行きすぎてからヤマップで確認すると、
出発地は群馬の新田市で、
行き着く先は小鹿野の変電所であることがわかりました。
この辺りは鉄塔天国です。
いっぱい探検要素がありますよ!
山に行けない日は鉄塔めぐり、、新しい趣味を見つけてしまった予感がします😁
いつも応援いただき、ありがとうございます。