【読書感想】『殺し屋の営業術(野宮有)』『ありか(瀬尾まいこ)』『イン・ザ・メガチャーチ(朝井リョウ)』『PRIZE-プライズ(村山由佳)』2026年2月12日(木)
こんにちは。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2月第2週に読んだ本の感想です。
いよいよ【本屋大賞月間】に突入しました。
どんどんノミネート作を読んでいきます!
ノミネート作発表までに読んでいた作品は、
『熟柿』、『失われた貌』、『暁星』の三作品です。
それぞれの読書メーターに載せた短め感想を以下に載せておきます。
読書メーターには5段階で⭐をつけたりしていますが、今回の【本屋大賞ノミネート作】では力作揃いでどれも面白そうだと思うので、他の作品と比較しながら10段階で自分なりの評価点を付けて、他の読書会メンバーの点数との平均を出し、最終的に『お気楽読書会』としての推し順位を確定させたいと思っています。
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『熟柿』は⭐8です。
『失われた貌』は、⭐7です。
『暁星』は、⭐9です。
以下に2月第2週に読んだ本の感想を書きます。
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《殺し屋の営業術》野宮有著(講談社)
◎帯、、、
第71回江戸川乱歩賞
異例の超ハイレベル最終候補作の中で、ぶっぎり第1位!!
乱歩賞作品の中でも異彩を放つ一作だろう(有栖川有栖)
この物語に惚れ込みました(貫井徳郎)
読み手の心を掴む力に満ちていた(東野圭吾)
主人公の内面の変化にワクワクしました(湊かなえ)
新人賞のレベルを超えた優れたエンターテイメント作品(横関大)
◎裏帯、、、
銃は不要。
武器は、話術(トーク)、度胸(ブラフ)、論理(ロジック)。
営業成績第一位、契約成立のためには手段を選ばない、凄腕営業マン・鳥井。
深夜のアポイント先で、刺殺体を発見する。
凶行に及んだのは、金で殺人を請け負う「殺し屋」だった。
鳥井は口封じとして消されそうになるが、「ここで私を殺したら、あなたは必ず後悔します」と語り出す。
そう、これは商談なのだ。
「あなたは幸運です。私を雇いませんか?この命に代えて、あなたを救って差し上げます」
◎感想、、、
面白かった~!!
これぞページをめくる手が止まらないってやつでした。
トップセールスマンが営業先で殺し屋による殺人事件に遭遇し、「見ちゃったね」という理由で殺されそうになる危機的状況で、「俺を殺し屋の営業に雇いませんか」と持ちかける話。
助命という報酬のために、二週間で2億、諸々あって最後には3億のノルマを課せられます。
二転三転する展開に、もう、目が離せません。
騙し騙され裏切られ、、、
真っ当な世界の営業マンだった鳥井が、徐々に目覚め、悪魔になっていく過程が痛快です。
途中、作戦失敗し、停滞する場面は、中弛みかな、、などと思っていましたが、なんの、なんの、、彼の脳細胞は働き続け、とんでもない仕掛けを着々と準備していたのでした。
最後のセリフには鳥肌が立ちました。
なるほど、それで3億か!!!
本屋大賞ノミネートされ、今年は傑作揃いだと思います。
全作品読みたいと心底思えるし、本は揃えたし、回し読みの高速回転で、脳内バターが溶け出しそうです(笑)
ちなみに、この作品は、今のところ最高評価の『暁星』と並ぶ⭐9!
受賞予想が楽し過ぎる😍
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《ありか》瀬尾まいこ著(水鈴社)
◎あらすじ、、、
◎感想、、、
瀬尾まいこさんの作品は、本屋大賞を受賞した「そして、バトンは渡された」を読んだことがあるのですが、私はちょっと苦手なお話だったのです。
いい人ばかりが現れて主人公を助け、思いやりのバトンを渡していくというお話で、そんなことある!?と思ってしまう私がいて、入り込めませんでした。
そのため今回も、とても評価が高い作品の価値を理解できなかったらどうしようという不安な気持ちを抱えながら読み始めました。
本屋大賞にノミネートされましたから、読まねばなりません💦
前半は娘を所有物のように扱い支配している毒親に主人公の美空が盲従し、周囲に心を閉ざしネガティブな思考を巡らせる姿が危う過ぎて、読むのが辛かったです。
美空がひかりや颯斗との時間を過ごしながら「この幸せが続くといいな」的な発言をする度に、ひかりが死んでしまうのではないか、颯斗が自殺するんじゃないかなど、どんな不幸が訪れるのかと不安な気持ちになりました。
しかしそこは、やはり瀬尾まいこさんの物語。
(毒親は除き)周りの人たちがとにかく良い人たちなのですよね。
後半では、義弟や周囲の人に愛され支えられ、少しずつ自信を取り戻し強くなっていく主人公が描かれます。
ひかりとの日々のやり取りこそが幸せなのだし、周りに頼っていいし、ありがとうと言えばいい、私もあなたが大切だと伝えればいい。
そう気付き成長していく物語でした。
美空の母の周りにもこんな人達がいたら違ったのでしょうか。
そう思うと、やはりここまで恵まれた環境のシングルマザーはいないだろうという、「そして、バトンは渡された」と同じ感想を持ってしまう私がいます。
離婚した嫁を(孫に会いたいからとはいえ)歓待する理想の姑である義母や、水曜日毎にやって来てあれこれ世話を焼いてくれる義弟の存在は、理想的過ぎて、夢物語に思えました。
もちろんだからこそ、ほっこりする暖かいお話として、人気なのだとは思うのですが。
この物語を読むと、現在子育て中の人は、今が最もかけがえのない時間なのだと気付き、今すぐに子どもを抱き締めたくなることでしょう。
素直にひかりちゃんが可愛かったですしね。
評価は、⭐7。
涙する場面もあったし、子育ての尊さも伝わったし、美空の悩みにも共感したけれど、どうしても絵空事に思えてしまう私は意地が悪いんだろうなぁと、ちょっと自己嫌悪になり、やっぱりダメだったかと残念な気持ちになりました(涙)
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《イン・ザ・メガチャーチ》朝井リョウ著(日本経済新聞出版)
◎帯、、、
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」
沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する。
事実と解釈、連帯と暴走、成長と信仰、幸福と中毒、人生と孤独ーー呑むか、呑まれるか。
◎あらすじ、、、
◎感想、、、
「桐島部活やめるってよ」が好きでなくて、ずっと敬遠してきた朝井リョウさんの『作家生活15周年記念作品』だそうです。
あんなにもお若いのにもう15年も小説を書き続けているのですね。
本屋大賞にノミネートされたと聞き、というか、本屋大賞大本命との呼び声高く、いつかは読まなくてはいけないのだろうと思っていました。
あこちゃんが購入してくれたので、久々に読んでみたら、、巧くなっていた~!
これなら読めます。
読み応えあります。
信仰のない国で(神がいないこの国で、、とは書きたくない(笑)日本は神の国だと思っているので、、でも確かに信仰はない)、
推し活という熱狂(ファンダム経済)を生み出す運営側と、その仕掛けにまんまと引っ掛かる『我を忘れた』信徒たち。
我を忘れて何かに夢中になった方が楽に生きられる、、
ずっと我に返ったままで生きるにはこの世は殺伐としすぎている、と作者は語ります。
倫太郎推しという人生の、生活のフラッグを失った『リンファミ』が、倫太郎なき後の膨大な時間の中で、突然『左右上下どこにも宿り木のない空間で、ただただ目の前に広がる壮大な海原をぼおっと眺めているよう』になり、どちらに行けば良いのかわからなくなる描写はすごい説得力でした。
仲間と没入していた時間はあんなにも幸せで毎日時間が足りないくらいだったのに、、、。
そんな『推し』に支えられている日本人がどれだけいることでしょう。
ですがそれが度を越し、信徒になった時に起きる崩壊と虚無が恐ろしかったです。
もしかしたら、自分が今仲間と共にやっている読書熱狂も同じではないかと、ちょっと我に返りました(笑)
今本屋大賞ノミネート作を全部読んで自分たちの『推し』を決めようと熱中しているのですから。
最近は、『自分を余らせたくない』と思い、自分の空いている時間を全て読書に使いきるために、Audibleまで始めました。
まぁ、多分私のは健全な消費活動の範疇だと思いますが、、多分ね🤣
この本を現に推し活に熱狂している人はどう読むのでしょうか?
運営側が最も恐れ、避けなければいけないと思っているのは『熱量の高い一万人が我に返り、健全な消費活動に落ち着くこと』なのですから。
廃棄前提のCD購入、一時のトレンド入りを狙ったタグイベ、、そんなことで経済を回す音楽業界って、虚構としか思えないですね。
僅かな情報や一枚の写真だけで拡大解釈する集団に、情報を投下することでどうなるかと人体実験のような感覚で俯瞰する大人たち。
これが日本経済新聞の夕刊に連載されていたというのですから、驚きです。
ホントは仕掛ける側だけが読みたかったんじゃないでしょうか?
大人たちの壮大なネタバレ、、、大丈夫なのかな?
いや、痛快、痛快。
評価は反則だけど、⭐9.5。
『暁星』と『殺し屋の営業術』よりも高い評価を付けたいと思いました。
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《PRIZEプライズ》村山由佳著(文藝春秋)
◎帯、、、
「直木賞って、いったい何なんですか!?」
直木賞の内幕、賞に懸けるある作家の情熱、編集者の欲望………
秘密の裏側、お見せします
◎裏帯、、、
「うまくなりたいの。どんなことをしても、もつまと小説がうまくなりたい。こんなところでぐずぐずしてるのはまっぴら。だから、全部教えて。何が足りてないか、どこがまずいのか、遠慮なんかしないで言って。あなた編集者でしょ?それがあなたの仕事でしょ?」本文より
◎あらすじ、、、
◎感想、、、
凄まじい小説でした。
作家・天羽カインの暴力的なまでの情熱と狂気的なまでの渇望が溢れ、圧倒されました。
いやぁ、、面白かった!!
本ができるまでの出版業界の裏側や、作家と編集者の葛藤、直木賞選考の過程など、リアルにしっかりと描かれていて読み応え充分です。
初めは居丈高な物言いに不快感MAXだった天羽カインでしたが、編集者・千紘と心を通わせるようになってからは、作家としての苦しさと切実さがひしひしと伝わってきて、彼女を魅力的とさえ思えました。
私も千紘と一緒に彼女に恋していたかも知れません。
何度もノミネートされながら、落とされ、選評で酷いことを言われ、それでもどうしても直木賞を取りたい作家と編集者の戦いが描かれます。
しかし最後どう落とすのかと思っていたら、なんと、なんと、そう来たか~!!
そうなっちゃったか~(涙)
(ネタバレになるので書けないけれど)
今後は本屋に行って積まれた本の表紙を見て、その誇らしそうな表情を撫でながらも、その裏側に潜む作家たちの激情を感じながら手に取りたいと思いました。
評価は⭐10!
本屋大賞取るといいなと思います。
『イン・ザ・メガチャーチ』とがっぷり四つで、いい勝負になりそうですね。
それにしても直木賞選考委員は大変そうだ💦
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以上、今週読んだ本の感想でした。
本屋大賞ノミネート作のうち、7作読みました。
残りは3作。
来週中には全て読んで自分なりの点数をつけ、他のメンバーが読了するのを待って、平均点ランキングを付けたいと思います。
いつもブログを応援していただき、ありがとうございます。