【読書感想】『この世の春(宮部みゆき)』2026年1月10日(土)
こんにちは。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
1月第二週に読んだ本の感想を書きます。
読んだのはこの三冊でした。
宮部みゆきさんの『この世の春』上・中・下です。
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《この世の春・上》宮部みゆき著(新潮文庫)
◎帯、、、
新潮文庫累計部数(現役作家)第1位
藩主の強制隠居。
北関東の小藩で起きた政変は、ある「闇」を孕んでいた。
◎裏帯、、、
『模倣犯』『楽園』といった現代もので悪の追及を絡めてサイコキラーを登場させた著者が、その流れをさらに押し進めた傑作。(千街晶之)
強制隠居となった元藩主・重興と、婚家で心身ともに傷を負い離縁された多紀。
二人が互いを思いやり、心を通わせていく過程に心が震える。(高頭佐和子)
◎あらすじ、、、
ごめんくださいましーー。
宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。
対応した各務多紀は、女が連れていた赤子に驚愕する。
それは藩内で権勢をほしいままにする御用人頭・伊東成孝の嫡男であった。
なぜ、一介の上士に過ぎない父が頼られたのか。
藩中枢で何が起きているのか。
一夜の出来事はやがて、北関東の小国を揺るがす大事件へと発展していく。
作家生活三十周年記念作。
◎感想、、、
久しぶりの宮部みゆきです。
いやぁ、やっぱりうまい!!
そのうまさに度肝を抜かれました。
ストーリーは無駄がないし、謎を少しずつ紐解く展開は絶妙だし、文章は読みやすく、時代劇だからこその品と美しさがあります。
登場人物はそれぞれとても個性的であり魅力的で、言葉に思いやりがあって優しくて、読んでいてずっと温かい何かに包まれているような心地よさです。
この玄人感は他の作家とは段違いですね。
惚れ惚れするし、うなってしまうし、時々膝を打つほどの理路整然とした進行なので、安心して読み進められます。
帯にサイコキラーという文字があるのですが、どう展開していくのでしょう。
希代のストーリーテラーがこの後どんな展開を用意してくれているのか!?
期待を胸に中巻へ行きます!!
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《この世の春・中》宮部みゆき著(新潮文庫)
◎帯、、、
殺人鬼か。
隠された父殺し。
そして乱心。
本当の「彼」はどこにいる?
◎裏帯、、、
ざまをみろ、、「彼」の言葉の真意はーー?
蠢く策謀
行方不明の子ども達
父子の秘密
藩の危機
◎あらすじ、、、
主君・北見重興の押込。
下野二万石の小国は、藩主の強制隠居という激変に見舞われた。
居城から別邸・五香苑へと移った重興は、元家老の石野織部や主治医にも真実を語らず、座敷牢に籠り、時に少年のように、時に女郎のように振る舞って、周囲を困惑させた。
彼は名君主たる人物だったのか。
あるいは、非道な殺人者だったのか。
謎が深まる中、各務多紀との出会いが、重興の心に変化をもたらす。
◎感想、、、
謎が少しずつ紐解かれて行くように見えて、益々深まってもいきます。
重興の乱心の理由は分かってきたのですが、誰がその謎の解明を阻もうとしているのか?、、まだ見えてきません。
宮部みゆきはやっぱり面白いですね。
笑える場面やほっこりするシーンもありつつ、突然のサスペンスフルな展開に目が離せません。
しかも人物がみんな魅力的で、輪郭が際立ち、愛おしい。
寒吉、お鈴、織部、半十郎、、上げ始めたらキリがないほど、みなのファンになってしまいます。
意外なこともありつつ、あまりに酷いことにはならなそうという信頼感があり、落ち着いて読めるのですよね。
宮部みゆきの時代ものにはまりそうな予感がします。
読書は楽しい!!
では、下巻へ!
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《この世の春・下》宮部みゆき著(新潮文庫)
◎帯、、、
名君主か。
藩主・北見重興の心を照らす真実とは。
◎あらすじ、、、
ざまをみろ。
父を殺したとき、そして、刺客を討ち取ったとき、北見重興が発した言葉。
元藩主とは思えぬその言動に、どんな因果が秘められていたのか……。
名君と仰がれた今望侯の狂気。
根絶やしにされた出土村。
城下から相次いで失踪した子ども達。
すべての謎は、重興の覚醒とともに真実へと導かれる。
ミステリー、サスペンス、そして、歴史。
あらゆる技巧を凝らされた「物語の到達点」。
◎感想、、、
う~ん、さすがとしか言いようがない。
唸るほど、宮部みゆきはうまい!
伏線回収はきめ細かく、謎解きに至る過程も遠回りなようで無駄がなく、いちいち腑に落ちる説得力があります。
サイコキラーとはそういうことだだったのか!!
下巻で初めて真の悪が何だったのかが明らかになるのですが、それによりミスリードがいかに凄かったかがわかります。
いやはや、脱帽です。
この物語はストーリーが面白いことは勿論ですが、文章がとにかく心地よく、幸せなな時間を過ごせました。
武士たちの簡潔で自我を滅した言葉選びは美しく、使用人たちへの優しい物言いに心が温かくなります。
使用人たちのお館様たちを慕い奉公する姿に胸が熱くなり、素直で元気なお喋りに救われます。
特に下巻で登場した金一は最高でした。
本当に素敵な人たちだったなぁ。
ずっと読んでいたい、この人たちと共に過ごしたいと思いました。
多紀を巡る恋もようも良かったです。
恋に破れた男達をユーモラスに描いているのもいい(笑)
由衣に対する重興の理解と、切実な願いに涙しました。
この世の春は出土村に訪れるのでしょうね。
重興と家臣たちが慎ましくも心豊かに暮らす春の出土村の情景を想像させて終わるラストも良かったです。
後れ馳せながら、宮部みゆきの時代ものを読んでいこうと思います。
ドキドキする場面もあるけれど何故かずっと安心感があり、心踊る、幸せな読書体験でした。
評価は文句なしの⭐5。
素晴らしかったです。
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ほんとは直木賞候補作の5作品のうち、まだ2作品読んでなくて、早く読まなくてはいけないのに、ついつい先が気になって宮部みゆきさんの時代小説を読んでしまいました💦
1月14日(水)に直木賞が発表されるので、それに間に合うように頑張ります。
全て読んだら、『お気楽読書会』としての大賞受賞予想をしたいです。
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