【読書感想】『水車小屋のネネ』津村記久子著(毎日新聞出版)
こんにちは。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
毎月の読書感想を1ヶ月分まとめて投稿して来ましたが、Audibleを始めたことにより、1ヶ月間に読む札数が格段に増加し、まとめて投稿するとブログが凄い長さになってしまうことが数ヶ月続いていたので、一冊読むごとに投稿することにしようと思います。
11月に入って最初に読んだのは、津村記久子さんの『水車小屋のネネ』でした。
表紙に惹かれて購入したものの、かなりの厚さがあり、ページ数は485頁にもなる長編なので、後回しにしておりました(笑)
しかし、Audibleにあるのを見つけたので、お、移動中はAudibleで聞いて、帰宅して本で読めば行けるかも!?と思って聴き始めたのでした。
ひとつ前に今村翔吾さんの『イクサガミ』を読み終わって、人を殺しまくり死にまくる物語に少し疲れてしまったので、心穏やかに読めそうな本を選んだというのもあります。
表紙を拡げると、物語に登場する人物たちと律と理佐が過ごした様々な場面が描かれています。
帯には、多くの雑誌に紹介された推薦文が載せられていました。
「自分にとっての宝の言葉を、ぜひとも探してほしい一冊だ。」ーー椰月美智子(週刊文春)
「ネネが見つめる40年の時間は、人間が人間を信頼することの美しさに満ちている。」ーー長瀬海(週刊金曜日)
「人の小さな善意を素直に肯定できるって、なんて心地よいのだろう。愛すべき、人々と鳥の物語だ。」ーー瀧井朝世(紙魚の手帖)
「この殺伐とした時代に、こんな物語が生まれてきたことを寿ぎたい。」ーー三宅香帆(波)
「本棚にこの本があれば、ぼくはいつでもネネに会える。」ーー永江朗(毎日新聞)
「私たちのほとんどはネネのような不思議な存在とは出会えないものだが、常に優しさをもって生きていくことはできるのだと思わせてくれる一冊だった。」ーー松井ゆかり(本の雑誌)
《私の感想》
訳あって親元を離れた18歳と8歳の少女が、見知らぬ町で、ヨウムのネネを中心に多くの大人たちに助けられ見守られながら生きていく40年を描いた物語です。
主人公の律(妹)は、自分はこれまで出会った人々の良心でできていると言います。
そんな風に思えるなんて凄いことです。
だから自分も彼女の回りに現れた困っている人・生き悩んでいる人に親切にし、関わり、導き、共にネネの面倒をみたりしながら、自分が受けた恩を返すことを一番大事にしています。
そんな律の回りには人のことを思いやり、他人のために躊躇なく行動する人々がどんどん集まってきます。
こんなに温かく優しいお話をかつて読んだことがあったでしょうか?
多分ない気がします。
ネネのような存在がいたら、貧しい生徒のために学費を工面しようとまでする教師との出会いがあったなら、絵描きをしながら水車小屋を訪れる人達と知り合ったなら、自分も律のように振る舞える人になっていたでしょうか?
全てが温かく繋がり、全てが善意で受け取られ、親切で返ってくる読み心地のよい物語でした。
ただ文章はというと、、敢えてなのだと思うのですが、素人の日記をひたすら聞かされているようでした。
自然を美しく表現することも、複雑な心境を深掘って描くこともなく単調に感じる文章です。
日常を大切に暮らすことの尊さはとても伝わってきました。
人との出会いをもっと大切にし、感謝をもって暮らすことこそが人の幸せなのだということも。
文章表現があまり好みではなかったので、私の評価は⭐3.5です。
これが本屋大賞の第2位か、、。
皆さん、優しい物語に飢えているのかなぁ。
もちろんこんな世界(ネネのいる世界)があったなら、私もこの町に住んで、律たちと関わりたいと思うだろうと思います。
奪うことなく、どこまでも与え、他人に尽くす人生を誰もが送った時には、こんなにも素敵なコミュニティが実現するのだという、そんな人々が本来目指すべき未来・理想郷を描いた作品であることは間違いないです。
これを読んだ人々の毎日が少し変わるでしょうか?
みんなの心にほんの少しでも変化が現れたら、律と同じような灯が微かに灯ったら、それが繋がって世の中が変わるのかもしれないです。
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