【読書感想】6月に読んだ本。2025年6月28日(土)
こんにちは。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
6月に入って、海外ものの長編SFに挑んだものの、脳ミソがパンクしそうなほどの科学的情報量で、なかなか読み進められず、月半ばまで持ち越してしまいました(涙)
その間に山のブログやYouTubeを作らなければいけない(まぁ、それはいつものことなのですが)こともあり、今月は読了冊数が少なくなっております💦
《プロジェクト・ヘイル・メアリー(上下)》アンディ・ウィアー著(早川書房)
◎帯、、、
あっという間に引き込まれ、鳥肌と感動が一気に押し寄せる。
文句なしの傑作SF!
信じてください。読めばいいだけ!(佐久間宣行)
1ページ目の1行目から面白いんだけど、真ん中あたりで、やられたーーー!って、声が出るくらい凄くて。
最後の方は胸アツの展開になっていきますので、ぜひ読んでください。(岡田斗司夫)
こんな面白い小説を読んだのはいつぶりだろう。
引き込まれ方は今まで読んだ本のなかでも冗談抜きでトップクラス!!(ライムスター宇多丸)
知性とユーモア、そして他者を思う気持ち。
好きじゃん。こんなの好きじゃん。
私が好きなもの全部つまってた!(宇垣美里)
◎アラスジ、、、(読書メーターより)
地球上の全生命滅亡まで30年……。
全地球規模のプロジェクトが始動した!
グレースは、真っ白い奇妙な部屋で、たった一人で目を覚ました。ロボットアームに看護されながらずいぶん長く寝ていたようで、自分の名前も思い出せなかったが、推測するに、どうやらここは地球ではないらしい……。断片的によみがえる記憶と科学知識から、彼は少しずつ真実を導き出す。ここは宇宙船〈ヘイル・メアリー〉号――。
ペトロヴァ問題と呼ばれる災禍によって、太陽エネルギーが指数関数的に減少、存亡の危機に瀕した人類は「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動。遠く宇宙に向けて最後の希望となる恒星間宇宙船を放った……。
『火星の人』で火星の、『アルテミス』で月での絶望的状況でのサバイバルをリアルに描いた著者が、人類滅亡の危機に立ち向かう男を描いた極限のエンターテインメント。
◎感想、、、
上下巻通しての感想です。
私は「火星の人」が好き過ぎて、二作目の「アルテミス」もめちゃくちゃ期待して読んだのだけど、そこまで好きになれず、今作もやはり「火星の人」を超えては来なかったです。
が、「アルテミス」よりは面白かった!
この方の作品は、主人公が絶えずユーモアを忘れず、絶望してもすぐに問題解決に移行し、科学的知識でクリアしたかと思ったら、また予想を越えた困難が発生しと、、どんどんスピーディーに展開していくのが好みです。
今回も次々起こる危機的状況に、ロッキーと共に挑む様は、ウィアー節がてんこ盛りで痛快でした。
科学的要素は、想像できるところもあれば、映像として浮かんで来ないところもあったりして、「火星の人」よりは難しかったです。
その点は来年公開されるという映画で答え合わせしたいところかな。
地球上の話が過去の記憶のみで、現在進行形でないため、「火星の人」ほどのエンタメ性がないし、盛り上がりに欠ける感は否めないものの、徐々に謎が明かされる構成はミステリぽくて良いとも思いました。
今作の肝はやはり異星人との出会い。
果てしない宇宙のど真ん中で何年も孤独だった二人が邂逅する場面は感動的だし、ロッキーとの友情シーンは胸熱です。
最後が想像(期待)していたのとは違っていましたが、あれはあれで愉快だし、ほっこりしました。
次の世代に繋げることが一貫したテーマなんだろうなと感じます。
それにしても、特効ミッションに選ばれた背景があんなことだったとは!!!
美談にしないところが、リアリティーがあるとも言えるのかも!?(笑)
《もう一度読みたい教科書の泣ける名作》Gakken 編(学研)
◎帯、、、
「ごんぎつね」のラストを覚えていますか?
新美南吉、宮沢賢治、芥川龍之介…
あのなつかしい名作を16編収録。
◎裏帯、、、
大人になった今だからこそ、主人公の気持ちや作者の思いが深く響く。
◎感想、、、
先日の読書会であこちゃんが紹介してくれた本です。
読書会の中であこちゃんが「大人になって読んでみて、改めて子供の頃に沢山本を読むべきなんだって思った」と言っていて、興味を持ちました。
小学生・中学生の頃に授業で習った物語です。
初見の作品も多かったですが、かつて読んだものもありました。
当時も悲しい話はしばらく胸に残り、夜眠れなくなったのを覚えています。
なぜこんな物語を書くのかと、作者を恨めしく思ったものです。
しかし当時、授業の中で触れた作品は、作者の思い・登場人物の心情などの「正解」を求められ、今のような楽しむ読書ではありませんでした。
文章を正しく理解することは教えても、感じ方まで導かれるのは、今考えても疑問に思います。
もちろん他の人がどう感じたのか、意見を述べ会うのは、今の読書会の起源のようで、大切な時間だったとは思いますが。
もっともっと気楽に、ただ物語として楽しませてあげれば良いのに。
その意味を理解するのはずっと後でいい。
いつか同じような体験をした時にふと思い出せればそれでいい、、、そう思ってしまいます。
今は正解など必要なくて、それぞれが感じるままに本と向き合えば良いと知っているので、当時は気づかなかった(と思う)美しい自然の描写や物語の余韻に浸ることができました。
「ごんぎつね」のラスト、、『兵十は、火縄銃をばたりと、とり落としました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。』、、、こんな最後だったのか、、。
筒口から細くたなびく煙を見て、取り返しのつかないことをしてしまった兵十の後悔が胸に残りました。
「大造じいさんとガン」の一節、、『こころよい羽音いちばん。一直線に空に飛びあがりました。らんまんとさいたスモモの花がその羽にふれて、雪のようにきよらかに、はらはらと散りました。』、、、じいさんの残雪(ガン)への誇らしいような尊敬の気持ちが表れていると思いました。
「手袋を買いに」の表現、、『二匹の狐は森の方へ帰って行きました。月が出たので、狐の毛なみが銀色に光り、その足あとには、コバルトの影がたまりました。』、、、コバルトの影!!!なんて、美しい情景だろう、、、。
二匹の狐という何げない言葉にも幸せが溢れているようです。
「かわいそうなぞう」は辛すぎでしたが(涙)
あこちゃんが読み進められなくなったと言っていたのがわかります。
《ものがたりの家 ー吉田誠治 美術設定集》吉田誠治著(パイ・インターナショナル)
◎帯、、、
住んでみたい!!
空想の家を33点収録!!
背景グラフィッカー吉田誠治がおくる夢と憧れが詰まった美術設定集
◎感想、、、
子どもの頃家の間取り図を描くのが好きでした。
また『アルプスの少女ハイジ』や『大草原の小さな家』『未来少年コナン』を観て、海に囲まれた高台の家や、近くに小川が流れている高原の家など想像して絵に描いたりしていました。
そんな自分の子どもの頃の憧れをそのまま写し取ったような絵本(作画集)でした。
美術設定集というジャンルらしいですが。
どの家にも時代や国・物語が設定されていて、それぞれの家主が主人公のアニメがあったらとどんな展開になっていくのだろうと想像が膨らみました。
そんな風に絵から始まる物語もあったりするんですかね?
そこに住みついた人々は孤独な人が多く、どこか寂しげですが、その分家の個性が際立ち、質素に営まれる生活の臭いが感じられました。
そこに流れる時間はとても静か。
日が昇り日が沈み、庭の草が風に揺れ、時に海が荒れ、ある夜は満天の星空に癒される、、、そんな日々がずっとずっと繰り返されていく。
私が住んでみたいのは、『厭世的な天文学者の住処』。
広い草原が好きだけど、塀に囲まれた空間も落ち着く気がします(笑)
そして、やっぱり高い所が好きなんですよね。
《嘘と隣人》芦沢央著(文藝春秋)
◎帯、、、
地獄は始まる あなたの隣の悪意から
背筋が寒くなる反転の快感
ミステリ・ランキング常連の注目作家による、新境地連作ミステリ
◎裏帯、、、
知りたくなかった。
あの良い人の“裏の顔”だけは……
◎あらすじ、、、
(読書メーターより)
ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し……。
リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。
身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?
◎感想
直木賞候補になっていると聞き読んでみました。
芦沢央さん初読みでしたが、人物描写が緻密で分かりやすく、私の好きなタイプの文体でした。
主人公は積み本にしている「夜の道標」に刑事として登場する人物なのだそうです。
その平良正太郎が現役を引退してからのお話で、身近で起きる小さな(と最初は思われる)事件の真相を探る中で、昔の事件の記憶と向き合うという二軸でお話は進みます。
今と過去の話への移行がとてもスムーズで、スマートで、正太郎の思考の中にすんなり浸かることができました。
元刑事の目線で物語が進むので、相手をじっと観察しているような文体がゾクゾクします。
『知りたくなかったあの人の「裏の顔」』に行き着いてしまうという、悪夢のような連作短編集でした。
読み応え、十分です!
怖い、怖い、、あんなヤツに『ロックオン』されたくないよぅ(涙)
いずれも最後に読者をゾクリとさせるどんでん返しが用意されています。
確かに後味は良くないですが、保身のために嘘をつく人間の闇を知った時に、なるほどとそういうことだったかと府に落ちる快感がありました。
大変面白かったです!
芦沢央さん、はまりそうな予感がします。
、、、以上、6月に読んだのは、4作品5冊でした!
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に手こずったので、冊数を稼ぐために、やさしめの本を混ぜ込んでみました(笑)
『嘘と隣人』は連作短編集なので、サクサク読めますし、ゾクリとする良作でしたよ!
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ところで、、、
先日第173回直木賞の候補作に以下の6作品が選ばれました。
以下、いずれも読書メーターでの紹介ページです。
7月16日が発表らしいので、それまでにできるだけ読んで、お気楽読書会で予想をして、ズバリ当てちゃいたい!と思っております。
何しろ、少し前の「本屋大賞」の『カフネ』を当てられたので、気をよくしてるのです(相変わらず単純)
とりあえず、私は『ブレイクショットの軌跡』と『嘘と隣人』を購入しました。
ターボが『逃亡者は北へ向かう』を、あこちゃんは『乱歩と千畝』を購入希望ですが、埼玉北部の本屋では売り切れでした(涙)
そろそろ入荷したかな?
果たして、間に合うのかしらん??
私は次、『ブレイクショットの軌跡』に取り掛かりま~す!
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