50代からのお気楽山登り

これから山登りを始めようと思う方、ハードな山は無理だけど山歩きを楽しみたいという方に参考にして頂けたらと思います。山行記録と写真、行程図のイラスト、私なりの難易度を載せています。

【長野、小諸】『湯の平~Jバンド(浅間山)』 2017年11月5日(日)

《登山難易度5》

10月初めに浅間山外輪山の黒斑山と蛇骨岳に登り、その大展望に感激したので、今度は真下に見えた湯ノ平を歩き、下から浅間山と外輪山を見上げてみよう!と思い立ちました。


今回は標高1412Mの浅間山荘から出発です。

登山道入口には「浅間山六合目」の標識があります。

蛇掘川沿いに落ち葉の道を進みます。

このコースは登山者が少ないのか、倒木や嵐で折れた枝が沢山あります。

紅葉の盛りは日本列島を台風が通過している間に終わってしまい、カラマツもすっかり葉を落としています。

一ノ鳥居を過ぎ小さな沢を渡ると、長い長い登りとなります。

その名も長坂です。

右手に見える剣ヶ峰からの尾根は葉を落としたダケカンバがまるで墨絵のように見えます。

まもなく二ノ鳥居に着きます。

一ノ鳥居と同じく、とても素朴な佇まいで、冬枯れの森に溶け込んでいます。

坂はまだまだ続きます。

二ノ鳥居からは一時間弱でようやくカモシカ平に出ます。

カモシカの出現が多い場所なのだそうです。

この辺りに来ると視界がひらけ、左手に槍ヶ鞘からのびる巨大な岩稜、やがて前方右手に牙山が見えてきます。

進む度に見る角度が変わり、どんどん岩壁が近くなってきて、その巨大さと異様な雰囲気に圧倒されます。

朝日が当たらず薄暗い牙山はなんとも不気味です。

トーミの頭が間近になると、頂きに立つハイカーの姿が小さく見えました。


途中の道から白い雪の筋が縦に走った浅間山が見え、今日も雲がかかっていないことを確認して、皆で歓声をあげました。

カモシカ平から30分程で辺りに硫黄の匂いが漂い始めます。蛇掘川の源流は有毒ガスが発生しています。

川底は茶色か、光の具合でオレンジ色にも見え、異様な景観です。

周囲は植物が生えない荒れ地になっています。

立ち入り禁止のロープがあり、転がらないように気をつけて足早に通過します。

谷を越えるとすぐに火山館に到着です。

二つの鳥居(火山館脇には浅間神社が建っています)の脇に防災サイレンが立っており、活火山なのだと実感します。

火山館の前の手洗い場には可愛い氷ができていました。

バイオトイレをお借りし、火山館の裏から再び森へ入っていきます。

草すべり分岐までは10分程です。

左手にトーミの頭と、そこから下る草すべりルートを見ることができます。

ここを草すべり方面へ行き、右に回って外輪山直下の湿原方面へ行くルートがあったのかもしれません。

先まで行ってみなかったので、次回の楽しみに取っておきます。

途中、クリスマスツリーのような立派なもみの木がありました。

今日はJバンド方面へ真っ直ぐ進みます。

モミやコメツガの森には少し雪が残っていました。

前掛山分岐には立ち入り禁止のロープが張られています。

今日の火山活動レベルは前回と同じレベル2です。

そこから更に25分程森を行くと、やがてコメツガからカラマツの森に変わり、葉を落とした樹間から外輪山や浅間山が見えるようになってきます。

間近に見る浅間山は想像通りの存在感です。

今日も雲ひとつない快晴。

山腹の岩や石のひとつひとつ、外輪山の溶岩地層など、はっきりと見ることができました。

いつまでも見ていたい景観ですが、冷たい風が吹いてきたので先に進みます。


進む毎に角度を変えて、360度の大展望を楽しめます。

カメラを持ってグルグル回りました。

賽の河原は溶岩が固まったような岩がゴロゴロしています。

前掛山へ向かう登山道も見えますが、今日はレベル2なので、登山者はいません。


ピークを越えて更に行くと、浅間山の稜線が長く伸び、鬼押し出しの始まり部分もわずかに確認できました。

前方にはこれから向かうJバンドの岩壁が見えてきました。

Jバンドを上まで登って浅間山を横から眺めたいところでしたが、今日は風が強くて稜線はとても寒いだろうと思い、Jバンド中腹でお昼休憩としました。

Jバンドという名から、とんでもない危険な急坂を想像していましたが、実際歩いてみるとそれほど大変ではなく、難なく中腹まで行けました。


鋸岳の屏風のような岩壁が風避けになるのか、中腹はあまり風がなく、快適に過ごせました。

上から下ってきた人に聞くと、稜線は強風で、とても長居はできないのだそうです。

中腹で正解でした。

中腹から湯ノ平を眺めると、大きな岩陰で休む人がいました。

下もやはり風が強いようです。

浅間山を見ながらランチしていると、何度も定期的に山頂より噴煙が立ち昇っていました。


体が冷えてきたので活動再開です。

風が冷たい湯ノ平を足早に下り、再び森に入っていきます。

帰り道では牙山に日が当たり奇妙な形がよく分かりました。

来た道を戻り、二ノ鳥居からは往路では通らなかった急坂を下り、不動ノ滝にたちよりました。

水量が多く、二段になった滝からはゴーゴーと音をたてて水が流れ、美しい沢になって緩やかに下っていきます。

滝から40分程で長かった下りも終わり、浅間山荘に帰りつきました。


今回は高い山に登らないので楽勝だ!と思っていましたが、よく考えてみると、浅間山荘の標高が低いので、標高差もあり、歩く距離も結構長くて大変でした。


次回は車坂峠からトーミの頭に行き、草すべりを下って湯の平の湿原付近を横断し、Jバンドを登って外輪山を回ってくるルートがいいかなと思います。


浅間山荘0700ー(42分)ー一ノ鳥居0742ー(36分)ー二ノ鳥居0818ー(55分)ーカモシカ平0913ー(37分)ー火山館0950(11分休憩)ー(10分)ー草すべり分岐1011ー(25分)ー前掛山分岐1036ー(34分)ーJバンド下部1110ー(10分)ーJバンド中腹1120(32分休憩)ー(29分)ー前掛山分岐1221ー(17分)ー草すべり分岐1238ー(11分)ー火山館1249(11分休憩)ー(15分)ーカモシカ平1315ー(32分)ー二ノ鳥居1347ー(10分)ー不動ノ滝1357ー(17分)ー一ノ鳥居1414ー(26分)ー浅間山荘1440


全行程 7時間40分

(うち歩行時間 6時間46分)

標高差 818M

歩数 22300歩

歩行距離 15、6㎞

パーティー 3名(コマクサ探険隊)

行程図

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